「プライドを優先するな!!」青学大・原監督を怒ることができるのは誰!?

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親が転勤族だったため、子供のころから全国各地を転々と引っ越していたとある女性。高校時代までの夢は小学校の先生。大学は首都圏の教育学部を受験する予定だったにもかかわらず、またも親の引っ越しで広島へ行くことに。家族の予定で自身の夢が変わることもしばしばあったといいいます。そんな引っ越し先の広島で知り合った地元社員と結婚。自分の居場所は広島、ようやく平穏な日々が訪れる。

が、しかし。

そんな地元大手企業に勤めている夫が、突然、「会社を辞める」と言い出したら。突然、「箱根駅伝を目指す東京の大学の監督になる」と言い出したら……。

東京に行った際、自身に与えられる役割は寮母。寮母なんてやったことないですし、そもそも、箱根駅伝が大学三大駅伝のトリを飾る大きな大会で、かつ、そのために、多くの大学生が、毎日、必死にトレーニングを積んでいるものだということも知りません。当然、突拍子も無いことをいう夫に強く反対するのですが、これがまた、夫が一度言い出すと聞かない。わがままな子供のような夫。結局、選択肢は一択でした。

この女性とは、青山学院大学陸上競技部町田寮寮母の原美穂さん。

TV番組『プロフェッショナル』で原監督が取り上げられた時にも登場し、美しく個性的な姿を覚えている人も多いのでは。そんな美穂さんは、上記のとおりスポーツに詳しかったわけでもなく、寮母をやりたかったのでもなく、巻き込まれ・振り回されて現在の仕事に就くことに。

しかし、監督にとって美穂さんは「彼女が監督の監督です」と言うほど、信頼は厚く、また、多くの言動で選手を鼓舞してきました。今や全国区、いや、日本一有名な陸上競技部になった同校に

自著『フツーの主婦が、弱かった青山学院大学陸上競技部の寮母になって箱根駅伝で常連校になるまでを支えた39の言葉』にて、これまでの苦労が紹介されています。

「監督はときどき、自分にとっての監督はわたし・美穂だと言っているようです。その意味するところは、大半がウケ狙いだと思います」(同書より)

と言いつつも、美穂さんは原監督をしっかりリード。

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美穂さん視点から見える景色は原監督であり夫の姿。長く一緒にいた分、良いところを沢山知っています。ただ、原監督のことを良く知らない人からすると、目立ちたがり屋で、思いつきでモノを言っているようにしか見えないところも。実際に最初の頃は学生たちもついてこられてはいませんでした。

負けず嫌いな監督は、ご自身が箱根駅伝を一度も走ったことがない(参加資格がない大学だった)ことを強烈に意識しているようで、また、そのせいもあって“自己流の指導”に強い思いがありました。各大学の監督が集まる会合でも、「人の意見を聞いても仕方ない」と聞く耳持たず。

そこで美穂さんの出番です。

「本当は聞くべき意見はあるはずです。学生とのコミュニケーションにどんな工夫をしているのか、どんなトレーニングを取り入れたら結果が出るようになったのか、監督が優先させるべきことは監督のプライドを守ることではなく、学生を強くすることのはず」(同書より)

こういったことをかなり強めの言葉で原監督に伝えてきたそうです。そんな視点で強く伝えることができるのは、やはり奥さんである美穂さんにしかできないこと。

多くの監督にとって、あれこれ指図されることは嫌なもの。何か言われるのが嫌だから監督になる人も多い。しかし、青山学院大学には、幸運なことに“監督にとっての監督”が存在し、それにより、監督(原監督)が視野を広げたり、考え方が柔軟になっているのです。

「今は監督も、各大学の監督さんだけでなく、いろいろな人から学び、生かそうとしています。学生への接し方も、以前よりずっとフレンドリーになりました」(同書より)

とてもキュートでありながら、まっすぐな美穂さん。同大学が強い理由が、なんだかわかった気がしますね。

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