山の神・柏原さんも悩んだ「貧血」、フードアナリストが鉄分を補う食材を指南!
Oct 18, 2017 / FOOD
Apr 26, 2019 Updated
皆さんは『スポーツ性貧血』という言葉を知っていますか?『スポーツ性貧血』とは、激しい運動によって体内の鉄分を失い、貧血を引き起こしてしまうこと。健康のためにランニングを始めたのに、体調を崩してしまっては本末転倒ですよね。
また、貧血というものは、以外と身近なものかもしれません。箱根駅伝で「山の神」として君臨した元東洋大学の柏原選手もまた、高校時代に貧血に悩んでいたといいます。この貧血に悩まず、私たちが楽しくランするためにはどうすればよいのでしょうか。
今回は、あらゆる角度から食に関する知識を体系的に学べる、フードアナリスト資格を取得し、現在は、レシピ紹介・ラジオなど食に関する仕事を中心に活動中の矢田部明子さんに、貧血を予防する食材についてご紹介いただきました。
貧血対策に欠かせない食材は?
マラソン・ランニングのように長時間運動をする方は、特に貧血に注意が必要です。大量に汗をかくことで鉄分が体外に排出し、運動に伴う呼吸によって酸素の消費量が増えるため、鉄分も多く失われます。また、足裏を地面に強く叩きつけることによって、赤血球が壊れ、血中の鉄分も流出してしまいます。
鉄分が不足すると、めまいや、動悸・息切れを起こしやすくなります。なので、走る際は失われる鉄分以上に、鉄分を補うことが大事です。常日頃から鉄を多く含んだ食事をとることを心掛けましょう。では、実際に何を摂取したらいいのでしょうか。矢田部さんのアドバイスでは、明日から食事に取り入れられるものばかりでした。
ヘム鉄を多く含む食材
食べ物に含まれている鉄には『ヘム鉄』と『非ヘム鉄』の2種類があります。
ヘム鉄は、肉や魚などの動物性食品に多く含まれ体内への吸収率が高いのが特徴です。また、脂質ではなく赤い部分に鉄分の含有量が多いとされています。レバー部分に鉄分が多く含まれているのは、こういった理由からです。レバーは好き嫌いが分かれますが、パテなら独特の臭みもなく苦手な人も食べやすいのではないでしょうか。作るのが面倒という方は、レバーパテの缶詰めがオススメ。スーパーで簡単に手に入りますし、パンやクラッカーにのせて食べるだけで十分美味しいです。
牛・鶏レバーより、豚レバーの方が、鉄分が多く含まれているので、豚レバーをチョイスしてみて下さい。
非ヘム鉄を多く含む食材
非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれ、ヘム鉄に比べると体内への吸収率は低いです。ですが、体内に貯蔵できるというのがメリットです。主に、野菜類・豆類・ドライフルーツ・貝類などから摂取することが出来ます。
その中でも矢田部さんが推奨するのが、あさりです。あさりには鉄の他に、カルシウムやカリウム、亜鉛などのミネラルがたっぷり入っています。パスタに混ぜたり、ぱっと調理できるのも魅力的。
寒くなってきたこの季節は、暖かいあさりの味噌汁で鉄分を補給してもいいですね!
酢の相乗効果
鉄は、体内への吸収率が低い栄養素です。鉄分の多く含まれる食材だけを食べても、実はそれだけでは吸収されにくい状態です。そこで、鉄を吸収されやすい形に変えてくれるのが、クエン酸・酢酸・ビタミンCなどの酸味のあるものです。
酢の物にして食べる、食事前に梅干しを1粒食べるなど、意識して積極的に取り入れましょう。
常に最高の状態でパフォーマンスを!
ヘム鉄・非ヘム鉄は、それぞれ特徴があります。どちらが良いというわけではなく、バランス良く食べることが吸収力を上げる方法です。
最高の状態でランニング出来るように、これを機に食生活も改善していきましょう!