【エントリー時期に確認】フルマラソン参加は年間何レースが最適? “走り過ぎ”がまねく男性ホルモンの低下
Sep 05, 2017 / HOW TO
Nov 06, 2019 Updated
9月に入り少し涼しく感じる日も出てきました。この秋冬の大会にエントリーしたランナーの皆さんにとっては、ようやく思い切ってトレーニングに没頭できる時期になったのではないでしょうか。
さて、皆さんは今シーズンのレースには、幾つエントリーしていますか。筆者は11月に神流マウンテンラン&ウォークに参加した後、12月の湘南国際マラソンに出場します。年内は一旦ここまで。あとは、タイミングが合えば、3月頃にハーフマラソンなんかに出てみようと思っています。
ランニングにハマっている人の出場予定レースを聞いている、随分と多くて驚かされます。なかには、毎月何かしらのフルマラソンにエントリーしているというツワモノも。もちろん、そのペースに慣れている、または、勝負とレースとそうではないレースで切り分けているというベテランならではの、“さじ加減”があったりするのですが。
さて、「運動はやればやるほど良いわけではありません。やり過ぎると、体力を消耗し、筋肉を傷める上に、男性ホルモンが下がってしまうことがある」と、指摘している方がいます。
ルネスクリニック院長・医学博士・日本抗加齢医学会専門医の平野敦之さんです。平野さんは、自著『できる男の老けない習慣』で、「運動のやり過ぎが、かえって老化を加速させる」と警鐘を鳴らしています。
コンスタントにレースに参加することで、どこかで良い結果を出せそうな気がしますが、老化を加速させると聞くと、オーバーペースが気になってきますね。老化の加速とは一体どういうことなのでしょう。
我々は運動をすることで、たくさんの筋肉を使います。筋肉を使うことで、大量のテストステロンが消費され(テストステロンとは、主に男性に多く分泌される男性ホルモンの1つ)、きつい運動が続くと今度は、これがストレスとなり、副腎からはストレスホルモンのコルチーゾが出ます。すると、ホルモンの原料であるDHEAがコルチーゾ生成に傾き、テストステロンが不足してしまうのです。
「特に注意してほしいのが、フルマラソンです。ランニングは中高年にも人気のスポーツですが、1度フルマラソンを走ると、テストステロンは著しく低下し、回復までに2〜3か月はかかります。こうなると、テストステロン値低下の影響で、気力も闘争本能も落ちてしまうため、レースなどに出ても勝てなくなってきます。場合によっては、仕事にも影響しかねません」
確かに、フルマラソンを走りきると、1、2日で疲れが取れるようなことはありませんし、しばらく、覇気がなかったりもします。そんな時に、また、次のレースがあって、そのためのトレーニングが必要となると……、心も体も休まりませんね。
無理をして連続してフルマラソンを走り、テストステロンが大幅に低下してしまうと、元に戻らず、ひどい場合は、「男性の更年期障害・LOH症候群になってしまうこともある」と、同書で指摘されています。
マラソンはタイムが縮んで調子が良い時ほど、レースに出て自身の能力を試してみたくなるものです。その気持ちはよくわかりますが、無理をしていては、男性ホルモンの低下に繋がり、また、体調を崩してしまうことも。
平野さんのアドバイスを参考にすると、2〜3か月かけてテストステロンを回復させ、そのタイミングでレースに参加すると良さそうですよね。これからのエントリーは落ち着いて、日程を見ながら調整してみてはいかがでしょう。