「ランニング引退」はちょっと待った!! 平均寿命が100歳の時代にランナーはどうすべきか

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「レースに出てもなかなか結果が出ないし、体も言うことを聞かなくなってきた。しかも、夏は暑い。もう、そろそろランニングを引退しよう」と考えている方、ちょっと待った!! 明らかに体調が悪くなっている時に、無理して走ることは絶対に辞めた方がいいですが、20代〜40代で、まだまだ活力がある時にせっかく見つけた趣味を手放すのは勿体無い。そして、あたなの「ランニング人生」は思いの外、もっと長いかもしれませんよ。

 

「これからの時代は平均寿命が伸びていき、100年を生きること前提にすべき」

こう語るのは、書籍『ワーク・シフト』の著者であり、英ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授です。

100年を生きる時代になる。確かに、厚労省が発表した平成27年の日本人の平均寿命は、男性が80.79歳で、女性が87.05歳となっております。前年は男性が80.50歳で、女性は86.83歳だったのを見ると、確実に寿命が伸びていることがわかります。また、男性の場合は4年連続で、女性の場合は3年連続の過去最高の更新となっています。

世界的に見ても長寿国の日本。男性の1位は81.24歳の香港で、2位はアイスランドとスイスの81.0歳。日本は4位。女性は3年連続1位でしたが、香港が87.32歳となり、2位に後退。とはいえ、男女ともに、長生きをする国となっていますよね。いずれは100年を生きることもありえそうです。

「長生き」という言葉を聞くと、つい、老年期が長くなるように感じます。しかし、実は、老年期だけでなく、青年・成人の時期も長くなるという考え方もあるのです。自分たちの親が30歳代の頃と、自分たちの30歳代を比較すると、それが良くわかるかと思います。両親の昔の写真にあるそれと比べると、私たちの感性や体力が、ずっと若く感じるのではないでしょうか。

そうなることで、あなたのトップコンディションが思いの外、長く続くことになります。

人間には、子ども・青年・成人・老年期と、年齢に応じて発達段階がありました。しかし、平均寿命が長くなることによって、青年・成人の間に新たな発達段階が出てきているのです。

アメリカでは既に、「adultolescents(大人未満/adult[大人]+adolescent[若者])」や「adultescents(大人未満期/adulthood[成人期]+adolescent[青年期])といった新語が、使われるようになったそうです。

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人生が長くなることによって、様々な教育を受けたり、仕事でキャリアを構築したり、自分の関心事に没頭したりと、自分に投資する機会が増えるでしょう。ランナーの皆さんにとっては、趣味にかける時間が長くなるのは嬉しいこと。

書籍『寿命100歳以上の世界』の著者・ソニア・アリソン氏も、2つの持論を展開します。

「1つ目は、(従来の)成人期の初期に時間に余裕ができて自分の裁量で自由に過ごせるようになったために、若者世代はすぐに結婚して自分の家族を作ったりせずに、まず自分自身について十分に知ることができる。2つ目は、その結果として、若者たちはそれぞれのアイデンティティに対する満足感の度合いが高くなる」(ソニア・アリソン氏)

もちろんこれは一つの意見ではあるのですが、平均寿命が上がることで、私たちはより自分の人生の色を濃くすることができるのです。仕事観も恋愛観も、自分らしさを追究。ランニングをはじめとした趣味の時間も大切にすることができますね。

ですので、せっかく見つけた趣味ですから、結果が出ないからって辞めるのはもったいないですよ。日本人が長寿になることに比例して、子供から大人になる間に、新たな発達段階が生まれつつあります。その段階では、自身と向き合ったり、充実させるための時間になったりします。ぜひ、人生は思っている以上に長いことを理解し、ランニングライフを引き続き充実させて観てください。

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