2017年5月1日

常識的な目標設定がサブ2を困難にしていた? スポーツ選手は「思い込み」で自己ベストを2%向上することも

「常識的な目標設定がサブ2を困難にしていた? スポーツ選手は「思い込み」で自己ベストを2%向上することも」の画像
Pocket

「常識的な目標設定がサブ2を困難にしていた? スポーツ選手は「思い込み」で自己ベストを2%向上することも」の画像
人類の夢でもある「フルマラソン2時間切り」。

人類やテクノロジーの進化により、フルマラソンの記録は徐々に縮まってはいますが、未だ人類の大きな壁となっているのが、この2時間という数字。

アディダスやナイキといったブランドが、この2時間切り(サブ2)に本腰を入れ始めたのは記憶に新しいところ。そのために専用のシューズやウエアを発表。また、通常のコースではなくF1コースを採用することから、本気でサブ2を狙っていることがうかがえます。人間はサブ2が可能なのか、その結果が楽しみなところですね。

さて、なぜ、ここまでサブ2が達成されてこなかったのでしょうか。その理由の一つに、ランナーからすると「サブ2を狙う必要がなかった」という点が考えられはしないでしょうか。

世界のトップランナーがまず目指すべきは、世界最高記録。それが難しくても国内記録や自己記録となります。それらを1秒でも更新できると記録保持者になるので、サブ2なんて無茶なタイムよりも、それらを第一優先に考えます。そのためには体をどう使うか、よく考えながら走るのです。レーススタート時からサブ2を狙ってレースに挑むトップランナーは、いないに等しいかと思います。

しかし、この常識的な目標設定が、人間の本来もつ能力の発揮の妨げになっていたら……。

「常識的な目標設定がサブ2を困難にしていた? スポーツ選手は「思い込み」で自己ベストを2%向上することも」の画像

イングランド北東のノーサンブリア大学のケヴィン・トマス博士が行なった実験が大変興味深いです。書籍『2時間で走る フルマラソンの歴史と「サブ2」への挑戦』で紹介されています。

2011年、自転車競技に熱中するサイクリストを集めた実験が行われました。被験者たちはエクササイズ・バイクに乗ります。目の前にはスクリーンが設置。そこにはアバターが登場します。そのアバターとは、サイクリストの自己ベストで走るという設定担っています。被験者は事前に、同じエクササイズ・バイクで4000メートルのタイム・トライアルの自己ベストを測定。その際の自己ベストと同じペースで走るアバターとの競争です。

と、少なくとも被験者はそう思っていました。実はトマス博士が試したかったのは、スポーツ選手に偽の情報でだますことで、彼らはパフォーマンスを向上させれるかどうかの実験。これはなんだか面白そうな実験ですね。

自己ベストの設定がされているアバターでしたが、実は、

登録後、すぐにこの記事が読めます

ここから先は「ラントリップ」の
会員の方(登録は無料)のみ、ご利用いただけます。

ワニの左手が執筆した記事

関連記事