強制させない……“女子トップ選手”にパパが教えたこと
Apr 06, 2017 / MOTIVATION
Apr 26, 2019 Updated
前編に引き続き、過去2度の日本代表歴を誇るトライアスリート・藤本泰男さんのインタビューです。後編では、東京マラソン女子日本人トップに輝いた次女の彩夏さんを含め、3人の娘さんをランナーに育て上げた〝子育て論〟を中心に話は進んでいきます。
【前編はこちらから】
毎回恒例、高校卒業記念の「おきなわマラソン」
――ちなみにお子さんは3姉妹と伺ったのですが、皆さん走られているのでしょうか?
藤本さん えぇ、長女(21歳)は社会人ですが、市民ランナーとして楽しく走っています。高校生までは陸上部に所属していまして、今でも私と一緒にジョギングしているんですよ。成人している娘と一緒に走っている人なんてなかなかいないと思いますけど、やはり父親としてはうれしいですよね。
彩夏が次女(19歳)で、一番下の三女(17歳)は高校生です。今は市立船橋高校(千葉)で新チームのキャプテンを任されています。中学の時は全国大会にも出ていますし、持っている能力は次女より高いかもしれません。でも一番努力家なのは次女ですね。陸上に懸ける思いが人一倍強い。少しでもこの気持ちがあれば、三女の方が伸びるかなと思っているんですけどね……。今度3年生になるので、非常に楽しみです。
――何でも、高校卒業記念で毎回「おきなわマラソン」に親子で出場されているとお聞きしたのですが……
藤本さん そうですね、長女の時は「おきなわマラソンの高校生の部で上位に入ろうよ!」って言って、直前に30㎞走なんかを一緒にやったりしていましたね。確か4時間25分くらいだったかな? レース中は一緒にアドバイスをしながら走り、高校生女子の部で優勝させました。2年後、次女は同じ大会を2時間47分ですからね。とてもじゃないですけど、ついていけませんでした(笑)。次女の時は「一般の部」で出場させて、実業団選手が出ていた中での優勝です。おきなわマラソンってすごくアップダウンがきついんですよ。ここを3時間切れたらすごいなぁと思っていたら、予想を遥かに上回ってくれました。
――また来年もおきなわマラソンに出場することになりますね
藤本さん 三女が高校卒業ですからね。高校生の部だと一番後ろからのスタートになるので、おそらく下の子も一般の部で出場を考えています。3時間は切ってくれるといいかな。
「走る=楽しい」を、親が自然と見せてあげることが大事
地元の陸上クラブに所属していた小学生時代の次女・彩夏さん(写真提供=藤本泰男さん)
――3人ともお父さんと同じく陸上をはじめ、ランナーとして活躍されています。これはなかなか珍しいケースだと思うのですが、父親としてどのような教育をされてきたのでしょうか。
藤本さん 他の家庭事情を聞いても、親が子どもに「やろうよ」って話しても、みんな拒否されるそうです。「走るだけなんておもしろくない!」って(笑)。うちの場合は