アメリカのトレランは日本と違う!? 「神々の庭園」を走ってみた

みなさんこんにちは、ランライターの戸上です!今回は「神ランニング」と題してアメリカのトレラン文化の紹介と、「神々の庭園」と呼ばれるGarden of the Gods(アメリカ中部・コロラド州)のトレランをレポートします!

「アメリカのトレランは日本と違う!? 「神々の庭園」を走ってみた」の画像

アメリカ式・トレランとは?

皆さんは、トレイル・ラン、通称トレランという言葉を聞くと何を連想しますか?森の中を颯爽と駆け抜けるベテランランナーでしょうか?それとも、日々の喧騒を忘れさせる、美しい景色でしょうか?はたまた、平地を走るのは好きだけれど山でランニングなんて辛そう、と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は私もその一人。お気に入りのランニングコースは、限りなく平坦な調布市多摩川の河川敷なので、それに比べるとトレランは敷居が高いです。

では、アメリカ人ランナーの間でのトレラン文化はいかがでしょうか。もちろん意見は千差万別ですが、一般的にトレランに対する敷居は低いように感じます。山登りやキャンプのような一大イベントとは構えずに、もっと気軽にトレイルを走ることが普通です。それは家の近くにトレランができる公園が多いからかもしれません。例えば、家から公園までの3キロは街中を、そして後半3キロは公園内のトレイルを走る、というように日常的にハーフ・トレラン(?)をする人もいます。

「アメリカのトレランは日本と違う!? 「神々の庭園」を走ってみた」の画像

また、友人同士でゆっくりトレランをしながら、週末のパーティーや、友達の噂話をする女性たちもよく見かけます。

「・・そしたらね、彼女にこんなこと言われたの!どう思う?」

彼女たちを追い越す際に、こんな会話が聞こえてくることも珍しくありません。カフェでおしゃべりをする感覚でしょうか。こんな健康的な女子会も素敵ですね。

ラントリップ風のトレラン・アプリも

「アメリカのトレランは日本と違う!? 「神々の庭園」を走ってみた」の画像

さて、トレランに欠かせないのは、ランニングコースの下調べです。距離と難易度をよく調べておかないと、迷ってしまったり、上り坂が急すぎたりして実力にあったランができないこともあります。そこで大活躍するのがアプリです。ラントリップでは様々なランニングコースが紹介されていますが、アメリカにもラントリップ風のアプリとウェブサイトがあります。その名はTrail Run Projectで、REIという大人気アウトドア・ショップが企画しているアプリです。

このアプリにはアメリカの50の州ごとに、ランニングに適した数々のトレイルが紹介されています。他にもAllTrails.comというウェブサイトにも各地のトレイル情報やレビューなどが掲載されています。ちなみに、REIではスタッフおススメのトレイルランを、定期的に店頭で紹介しています。アプリと店舗が連携していて、ユーザーとしては店舗を訪れる楽しみが増えます。

「アメリカのトレランは日本と違う!? 「神々の庭園」を走ってみた」の画像

 

いざ、トレイルへ

さて、ここからはいよいよ、2月下旬に走ったガーデン・オブ・ザ・ゴッドのランレポートです。この公園はアメリカ中部のコロラド州・デンバーから車でおよそ75分、コロラド・スプリングスという場所にあります。コロラド州といえば、植生・生態系豊かで広大なロッキー山脈です。ハイキングとスキーが盛んなこの地域では、健康的なライフスタイルを楽しむ人が多いことで有名です。

ストレッチを済ませたら、さっそくトレランスタートです。第一印象は…岩!
ディズニーランドのアトラクションの、ビッグサンダーマウンテンの景色にそっくりです。緑や茶色というより、一面が赤土色で、高い木や芝生などはありません。太陽が出ている時は、心地よい日の光が体を温めますが、日陰に入ると強い風が吹き、たちまち体が冷えてしまいます。温度調節が難しいのも、トレランの特徴ですね。ウィンドブレーカー必須!

「アメリカのトレランは日本と違う!? 「神々の庭園」を走ってみた」の画像

ところで、神々の庭園と呼ばれるこの公園。一体何が神なのでしょうか!?走ってみなければ分からなかった4つのポイントをご紹介します!

1.なんでも知っている、案内のおじさんが神

この公園に到着してすぐに、案内所に赴きました。するとそこには優しそうな白髭のおじさんか。このおじさんにトレランのアドバイスを伺いました。

「あの、ここでトレランをしたいのですが・・・」と尋ねると、

「おっそうかい、距離・時間・高低差はどれくらい?」

「このコースだと、前半OOマイルが主に上り坂で、右手にOO山が見えるよ。距離を延ばしたかったら、このループをプラスしたら完璧だね。」

などと、この公園を知り尽くした丁寧なアドバイスを頂きました。これでコースプランニングは完璧です。今回は公園全体を周回する、10㎞のコースに決定!

「アメリカのトレランは日本と違う!? 「神々の庭園」を走ってみた」の画像

2.思わず止まってしまう、景色が神

せっかくのトレランなので、なるべく止まったり歩いたりはしたくない、と思い臨んだランですが、これは間違いでした。今回のコースには、息をのむ絶景が何ヶ所も隠れていました。しかも、岩場を駆け抜けていくため、その景色は突然やってきます。これは立ち止まって楽しまないと損です。

「アメリカのトレランは日本と違う!? 「神々の庭園」を走ってみた」の画像

「うわっ、ちょっとストップ!ここで写真撮りたい!」

友人と走っていると、こんなことが何度もありました。

3.上り坂が辛くなった瞬間に下りがおとずれる、アップダウンのバランスが神

今回のコースの高低差はおよそ50-60mほどでしたが、場所によっては上り坂が続き、苦しくなってしまうこともありました。諦めて歩いてしまおうかな……と考えていると、あっという間に下り坂が訪れます。終わりがないと思える坂を上った直後には、岩場を転げ落ちるようにジグザグに坂を下って行きます。スリル満点!この繰り返しなので、走っていて全く飽きがきません。苦手なランニングマシーンとは大違いです。

途中、トレイルの分岐点で何度も迷ってしまいましたが、犬を散歩中の地元のお姉さんに助けてもらいました。人との触れ合いも、トレランの魅力かもしれません。

やっとのことで、フィニッシュ地点である駐車場に近づいてきました。ここまでくると、家族連れや散歩中のカップルもたくさんいます。あと少しか、と思って先を見据えると・・・相当な高さの岩を上っている人が!

「アメリカのトレランは日本と違う!? 「神々の庭園」を走ってみた」の画像

これが本当のロッククライミングなのでしょうか!?さすがワイルドなコロラド州民です。

そして、ついにゴール!気分は爽快。楽しくてもう一周できそう、と思いきや、慣れないアップダウンにやはり脚はギブアップでした…でも、大満足!今度はもう少し長い距離をトレランしてみたいと思いました。

4.トイレ・カフェ・ギフトショップ完備の、博物館が神

ラン終了後には、Garden of the Godsの博物館を見学しました。無料とは思えない充実したこの博物館には、コロラド州の地理、神々の庭園の地質、野生動物の生態などについての展示がありました。なんと、3000年も前からネイティブ・アメリカンの人々がこの庭園でキャンプをしていたとか。また、タッチスクリーンをつかってこの公園の植物について学べるパネルもとても楽しかったです。

「アメリカのトレランは日本と違う!? 「神々の庭園」を走ってみた」の画像

今回は、アメリカのトレラン文化と、コロラド州の絶景トレランの魅力をご紹介しました!私のようにトレラン初心者の方も、ぜひ近くのトレイルを走ってみてはいかがでしょうか?


トレイルランニングの世界選手権に出場する荒木宏太さんにトレイルを始めたきっかけを伺いました

アスリートモデルの大木美佳さんがウルトラマラソンを完走した理由とは?

戸上絵理が書いた新着記事
RUNTRIP STORE MORE
RANKING
「RUNTRIP」の新着記事

CATEGORY