5km:30分が精いっぱいだったモデル大木美佳さんが、ウルトラマラソンを完走するまで
Jan 26, 2017 / MOTIVATION
Apr 26, 2019 Updated
アスリートモデルとして活躍する大木美佳さん。
フルマラソンだけでは物足りず、100kmを走るウルトラマラソンを2回完走しているというスーパーガール。華奢で女性らしい身体からは想像もできないその戦歴に至った経緯を聞いてみた。
小学生、中学生時代は仲の良い友人が陸上部に所属していたこともあり、走高跳びをやっていた。高校時代も創作ダンス部に所属していたが、心から楽しむこともなく途中で辞めたという。上京してからもヨガを嗜む程度で特に激しい運動はしていなかったそうで、身体を動かすことはしていたものの、おしゃれや美容に興味がある普通の女の子だった。
走り始めたきっかけは?
『ちょうど4年ほど前に、スポーツウエアのお仕事をさせていただいて、ランニングウエアやシューズを一式をいただいたんです。貰ったからには、使わないと勿体無いな(笑)って思ったのがきっかけでした』
モデルとしての体型維持や体力作りのためにジムに通い出したが、トレッドミルで2km走るもの大変だった。元々の負けず嫌いな性格があり、まず30分走り続ける身体になろう!と、段階を追って距離を伸ばしていき、二ヶ月かけて達成。その時の様子を見ていた周囲の方が、『頑張って走っているね!』と声をかけてくれる。まだまだ距離が走れていないと自身は感じていたが、何か目標を立てることが頑張ることに繋がると言われ、1年後にフルマラソンに出場することに。
その頃は5kmを30分かけて走るのが精一杯だった大木さん。フルマラソンの42.195kmを走りきることを想像すると、目標と実力がかけ離れていることを痛感したそう。毎日走ることを心に決めて実行し続けた結果、20kmまで走れるようになっていた。
走ることで得た自信
努力の末に走れる距離が伸び、レースにチャレンジする日がやってきた。しかし、その時の大木さんの体型は病的なほどに細かった。モデルという職業柄、痩せることにストイックになりすぎて、ゴボウのような足の細さ、もちろん体力も全くなかったという。走っては無理やり食事を摂る毎日。それでも一年間コツコツと練習を積み上げ、フルマラソンを完走した。『完走できた!私、頑張ればできるんだ!』その自信が彼女の思考をさらに前向きにさせた。
『ランニングを頑張れたのは、単に走ることが好きだったから。好きだからこそ仕事にしたいし、好きなことをやっている時こそ輝けると思った。広告や雑誌の仕事ももちろん楽しい。でもそこにやりがいやエキサイティングさが欲しい。練習は嘘をつくことなく、自分に結果をもたらしてくれた。それならもっとランニングを頑張って、モデルの仕事と掛け合わせたい』
頑張れば頑張るほど結果が形として返ってくることが嬉しかった彼女は、所属する事務所のマネージャーにもっとランニングの仕事がしたいと依頼をした。
チャンスが巡ってきたのは東京ガールズコレクションのランニングチームだ。チーム内で一番であることにこだわり、どうしてもサブ4を達成したいと思うようになる。初レースは5時間18分。ランニング歴は1年。しかしここでも持ち味の負けん気を発揮し、雨の日も風の日も、目標を達成したい維新で毎日走り続けた結果、念願のサブ4を達成した。
ウルトラマラソンにチャレンジしようと思ったきっかけは?
決めた目標は達成してきたが、周りを冷静に見渡してみると、芸能界やモデル業界で自分より速いランナーはたくさんいる。このままでは目立たない。3年目になって、フルマラソン以外にもチャレンジしたいと思うようになり、南伊豆の70kmマラソンに出場し、フラフラになりながらも完走できた。レースのために月間300〜350km走ってきたことが、ちゃんと結果として返ってきたその嬉しさが、また自信になったという。
『1日10km換算で月間300km. 休むときは休んで、1日で20km距離を積んだりしながら走り続けました。一週間後にフルマラソンを走ってとオファーが来ても、いつでも走れる身体を作っておきたかったんです』
そして、誰もチャレンジしていないことをやりたいと、ウルトラマラソンに出場し、完走した。なぜそこまで頑張れるのかと聞いてみると、『トライアスロンをやるか迷ったんですが、やっぱり走ることに特化しようと考えて、ウルトラマラソンに決めたんです。フルマラソンと比較して、やっぱりやり甲斐が全然違いますね。どんどん熱が高ぶっているのを自分の中で感じていて。今は体幹を強化するために柔術もやっていますし、トレランもやります。以前よりも練習もきついと感じることは無くなりましたね。意識をしているのは、練習を”楽しい”という気持ちで終えること。これがコツコツ続ける秘訣です』
とはいえ、朝は寒いし、仕事から帰宅すると疲れもあり、ウエアに着替えることさえ嫌になることもあるのではないかと聞いてみると、『頑張ってる姿をSNSに載せるんです(笑)私は寒いけど、疲れているけど走ってるんだよ!ということを発信すると、見ている人が自分も頑張ろうと掻き立てられたと感謝されたりするんです。それが励みになっていますね』
綺麗な体型を維持する方法とは?
2016年12月においては、レースに3本出場し、レースのみの走行距離だけで185kmだったという前人未到のレーススケジュールをこなした大木さん。美しくしなやかな体型を維持するための秘訣を聞いてみると、
・ストレッチ、ストレッチポールを使った筋膜リリースを毎日セルフでやること
・交代浴を頻繁に行い、部分的ではなく全身で行うこと
・いつでも軽い身体で走れるように、普段から固形物はあまり摂らずにコールドプレスジュースやチョップドサラダなどをメインにすること。夜の炭水化物を抜くことで太りづらい身体になるとともに、睡眠の質が上がり次の日の朝の目覚めが良くなり、練習しやすい状況を作るっている
そして、レースで走る時は必ずフルメイクをするそう。
『走っている女性ランナーが美しいことって、大切だと思うんです。自分のテンションを上げるためにも。そこがスイッチになっていますね。なので、女性ランナーの方全てにオススメしたいです』
ウルトラランナー 大木美佳として発信していきたいこと
まもなくLAでのレースに出場するという大木さん。日本のレースよりも海外レースの方が雰囲気が自分に合っていて、心から楽しいと思えるそう。そして、日本人がもっと海外レースを楽しめるように、レースまでの練習方法や海外レースが開催される現地での気候や交通機関や食事環境など、あらゆることを”モデル大木美佳”として伝えたいという。本気でタイムを狙って走るレースももちろん設定しているが、自分にしか出来ないことを追い求める彼女にとって、この取組みは走ること以外の新しいチャレンジであり経験値を上げて視野を広げるための第一歩。
100kmを休むことなく走り続けるウルトラマラソン。誰しも安易に想像できることではないこの未知の世界を、誰よりも楽しんで、発信していきたい。
『普通の女の子、他のモデルたちは絶対にチャレンジしないことだけど、モデルだから近寄りがたい存在なのではなく、もっと走る人たちの近くに寄り添っていたい気持ちがあるんです』
今後は自身の練習会を開催するために、日本ランニング検定での資格取得や、長くやっているヨガを女性ランナー向けに変換し、美しい身体を作るアライメントを構成して伝えるべく、ヨガ講師の資格取得も目指している。それらを必ず形にしたいと熱量が止まらないという。
全ては、自分を大切にすること。自分で自分を高めて幸せにしてあげること。周囲と比較をするのではなく、意識を自分自身に向けながらも周囲を幸せにできるようなことを発信していきたい。モデルという職業で生きていく。その覚悟やプレッシャーを所々に感じながらも全てをポジティブに捉え、大いに楽しみ、道を切り拓いていく。
ラントリップ読者の皆さん、彼女のInstagramなどで今後の活躍を応援しながら、身近で彼女と一緒に走ることを楽しむ機会を楽しみにしていてくださいね。
大木 美佳(Mika Oki)
レプロエンタテイメント所属 アスリートモデル(http://www.lespros.co.jp/talent/models/mika_oki/)
ウエア提供:Champion CPFU®
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