汗をかいたら体脂肪も減るのか?中野ジェームズ修一氏著の『全身改造メソッド』から学ぶ正しいダイエットの仕方

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近年、箱根駅伝の時期になると必ず注目を浴びる青山学院大学。十数年前まではなかなか結果の出なかった同学、ここまで強くなるとは、駅伝ファンでも想像が難しかったのではないでしょうか。そんな青学を支えているスタッフの一人に、中野ジェームズ修一さんがいます。

フィジカルトレーナーとして活躍する中野さんは、青学特有の体幹トレーニングを開発。青トレと呼ばれるトレーニングで、選手たちは中野さんの教えのもの、地道な努力を行っているのです。

中野さんが担当する前の青学のトレーニングは、「基礎ができていないのに応用ばかりやっている」といったものでした。その当時のことは、コラム『「優勝するチームのトレーニングではなかった…」3冠・3連覇の青学トレーナーがふり返る』でも語られています。しかし、中野さんがチームに加わり、トレーニングに大切な要素を地道に教え、また、選手自身に「なぜ、このトレーニングが必要なのか」と考えさせ、チーム強化に貢献。つまり、中野さんは、青学躍進の影の立役者と言えるのです。

書籍『全身改造メソッド』は、そんな中野さんの著書。「カラダは何歳からでも変えられる」とテーマに超初心者でも正しく効果が出る方法を教えてくれます。

そこで問われているテーマの一つがこれ。

たくさん汗をかけば体脂肪もたくさん減るの?

といったもの。これは皆さん、気になるところですよね。ランニングをダイエット目的で取り入れている方は少なくありません。そこで、せっかく走るのであれば、「厚着をしてたくさん汗をかこう」と考えるものなのですが、実際、汗をたくさんかくことで体脂肪は減るのでしょうか。

その答えが同書にあります。

まずは、汗の仕組みについて。外気が暑いところにいると、人間の体は脳や内臓など深部の温度上昇を防ぐために、熱を外に逃がそうとします。そのためには、血液量を増やし、皮膚温を上げて放熱する必要があります。この時点でまだ汗は出ていません。

外気の温度と皮膚温が近づくと、今度は放熱しにくくなります。すると、今度は体内の水分を蒸発させて放熱することに。つまり、これが汗なのです。

夏の暑い日にかく汗や、サウナに入っている時にかく汗がこの仕組み。では、運動中はどうかと言うと、基本的にはこれと同じ。「血管拡張→血流アップ→皮膚温アップ→放熱」です。

つまりこの間、体脂肪が溶けて流れ出ているわけではないのです。運動をして汗をかくと、体脂肪が汗と一緒に出て行っていると思ったら、それは勘違い。汗は汗なのです。

「ただし、運動をする場合は、エネルギーを作り出すのに体脂肪を溶かしますから、体脂肪は減ります。汗の量とは関係ありませんが、サウナよりも運動をした方が体脂肪が燃焼するのは明らかですね」と同書で解説されています。

なるほど。汗をかいたら体脂肪は減ると思っていたのは勘違い。ですが、運動をすることで体脂肪は燃焼しているので、運動自体はこまめにやった方がいいですね。友人と競うように汗をかいていた筆者ですが、これはまったくの考え違いでした。

「体脂肪が溶けて汗になるわけではありません。とくにじっとしていてかく汗で体脂肪は減りません」と中野さんも指摘しています。皆さんも、見た目の汗の量にごまかされずに、地道に運動を続けることをおすすめします。大変勉強になりました。

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