青山学院大学が三冠・三連覇を達成!第93回箱根駅伝復路ハイライト
Jan 03, 2017 / EVENT
Apr 26, 2019 Updated
今年も第93回箱根駅伝が幕を閉じました。青山学院大学の三冠と三連覇の行方やシード権争いなど、見どころいっぱいの復路。さっそくハイライトをお伝えします。
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目次
区間新記録が誕生!:6区のハイライト
各大学が、前日往路のタイム差順に山下りへと臨んでいく6区。青山学院大学がスタートし、33秒後に早稲田大学がそれを追いかけていきます。優勝に向けて少しでも差を縮めたい早稲田の石田康幸選手でしたが、思うような走りができずに区間12位の走りで、青山学院大学の小野田勇次選手に2分8秒まで差を広げられてしまいました。
今年は6区で唯一「区間新記録」が樹立されました。日本体育大学の秋山清仁選手は、自身が打ち立てた昨年の区間記録を上回る走りを見せ区間新記録(0:58:01)を達成、順位も13位から7位へと押し上げることが出来ました。
小田原中継所で日体大7区の城越にたすきをつなぐ6区の秋山。秋山は区間新の走りを見せました。 #箱根駅伝https://t.co/fMZVALAO5P pic.twitter.com/pm2V15skKm
— 読売新聞箱根駅伝 (@YOL_hakone) 2017年1月3日
シード権争いも熾烈になってきます。12位でスタートした法政大学は1年生ルーキー佐藤敏也選手の区間2位の活躍によって、シード権獲得圏内の8位へと順位を押し上げます。他方では、5位でスタートした駒澤大学の物江雄利選手は流れに乗れず順位を9位まで落とし、常勝軍団のシード権が危ぶまれてきます。創価大学の作田将希選手、上武大学の馬本匠選手も上手く力を出せずに順位を落としてしまいました。
青山学院大学が予想外のブレーキに:7区のハイライト
青山学院大学は、学生三大駅伝に5回出場し4度の区間賞を取っている「駅伝男」こと田村和希選手が7区を走りました。中盤までは素晴らしいペースで走っていましたが、15km地点で表情が曇りだしました。それ以降一時は1kmのタイムが3分27秒まで落ち込むまさかのブレーキ。それでも執念の走りを見せ、首位を保ったまま8区へとタスキを繋ぎました。
7区で給水員に笑顔を見せる青学大・田村。終盤は苦しみながらも、8区の下田にタスキをつないだ。 #箱根駅伝https://t.co/JO5KqmaMgX pic.twitter.com/8u35SCrPDn
— 読売新聞箱根駅伝 (@YOL_hakone) 2017年1月3日
早稲田大学は、4年生の井戸浩貴選手が最後の箱根駅伝に魂を込めて走り、青山学院大学との差を縮め、優勝への希望を8区へ繋ぎます。また、東洋大学の小笹椋選手は順天堂大学の難波皓平選手と抜きつ抜かれつの順位争いを行い、最後はスパートをかけて3位でタスキを渡しました。
区間賞は東海大学4年生の石橋安孝選手。走者10人中5人が1年生という若いメンバー構成の東海大学を支える最上級生の力走で、15位から11位に順位を押し上げシード権も視野に入ってきました。
一方で、繰り上げスタートでタスキを繋げない大学も。国士舘大学は約10秒ほど間に合わず、走者が見えそうなギリギリのところで無念にも繰り上げスタートに。7区を走った戸澤奨選手は、渡す相手がいなくなったタスキを肩にかけ、その場にうずくまってしまいました。
優勝を決める10代最速の走り:8区のハイライト
7区で2位との差を縮められた青山学院大学は、フルマラソンで10代日本最速記録を保持する下田裕太選手を8区に送り出します。下田選手は周りの歓声に脇目も振らず、自分の走りに集中。8区の区間記録に迫る勢いで疾走しました。惜しくも区間記録には及ばなかったものの、2位の早稲田大学に5分32秒の差をつけ、優勝を決定づける走りを見せました。
シード権争いでは、11位でタスキを受け取った東海大学の春日千速選手が10位の帝京大学を抜き去ります。創価大学の1年生、米満怜選手も15位から12位まで順位を上げる好走を見せ、初のシード権獲得へ望みをつなげます。
復路のエース区間で激しく順位が入れ替わる:9区のハイライト
復路のエース区間と呼ばれる9区、前半の下りを除けば平坦な道が続き、スピードが出やすい区間です。首位の青山学院大学の池田生成選手はリードを保ちながら、1:09:55の区間2位となる危なげない走りを披露。青山学院大学の抜け目のない強さで、追従するチームに駄目押しします。
3位東洋大学の野村峻哉選手は、2位早稲田大学の光延誠選手を捕らえます。野村選手は1分以上の差を一気に逆転し、区間賞の走りで2位のまま最終10区にタスキを繋ぎます。
後方では法政大学の城越洸星選手も快走を見せ、中央学院、日本体育大学を抜いて8位から6位へと順位を上げます。しかし、20km地点で突如足への違和感を見せてブレーキ。なんとか6位をキープして10区にタスキリレー。
9区は、多くの大学が繰り上げスタートとなってしまいました。15位上武大学の佐藤駿也選手は、繰り上げまで残り30秒のところでタスキを繋いだものの、以降の大学は無念の繰り上げスタート。中でも、学生三大駅伝の2つで2位・3位という好成績を残してきた山梨学院が含まれるとは誰も予想しなかったことでしょう。駅伝における“流れ”の重要性を再認識できる場面でした。また、予選会2位通過の明治大学も、鶴見中継所での繰り上げスタートは昭和64年以来となってしまいました。
青山学院大学が三連覇へ:10区のハイライト
青山学院大学は2位に6分以上の差をつけて安定した走りを見せます。10区を務めたのは、一昨年の初優勝の際も10区を走った安藤悠哉選手。1:11:41の区間タイムで、優勝のゴールテープを切りました。これで箱根駅伝3連覇を達成、ついに史上6校目の偉業を成し遂げました。
青学大アンカー・安藤が両手を広げてゴールしました。 #箱根駅伝 @aogaku_rikujyou pic.twitter.com/zF9Xl2UZCB
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その後、2位に東洋大学、3位に早稲田大学と続きます。東洋大学は復路の5人は3年生以下で構成されおり、来年が楽しみになる内容でした。早稲田大学は昨年まで4位、5位と勝ちきれない結果が続いてきたこともあり、久しぶりの3強入り。
学生連合の照井明人選手(東京国際大学)はこの区間を1:10:58の好走を見せ21人中最速となりましたが、学生連合は参考記録となるために幻の区間賞となってしまいました。次いで1:11:00の力走を見せた順天堂大学の作田直也選手が区間賞となりました。
シード権争いは、神奈川大学が12年ぶりのシード権を獲得。また、1年生が5人走るという若いメンバー構成の東海大学もシード権を獲得。来年以降の活躍に期待を残す結果となりました。一方で帝京大学は一歩及ばず、昨年に続いてのシード権獲得とはなりませんでした。創価大学も健闘したものの、初のシード権獲得とはなりませんでした。
山の神不在の不安もささやかれていましたが、蓋を開けてみれば、青山学院がほぼ危なげない走りを見せ圧巻の三冠・三連覇を達成。原監督の「サンキュー大作戦」は最高の形で幕を閉じました。
今年も様々なドラマがあった箱根駅伝。関わった全てのランナーに敬意を表したいと思います。
この余韻を燃料に、さっそく走りに出かけましょう!(笑)
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