「量を求める方が“安心”できるから……」、練習の質よりも量を求める日本人ランナー

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早いもので今年もあと少しで終わりとなります。皆さんの今年のランニングライフはいかがでしたでしょうか。きっと充実していたことかと思います。年明けからのレースが控えている人は、この年末年始も本番に向けての調整時期になるのでしょうか。あまり、気が抜けないお正月になりますね。

さて、多くのランナーの皆さんが短いオフシーズンとなる年末年始。時間的にも少しゆとりの出そうな時期に、ランニングスタイルを改めて見直してみませんか。

というのも、「日本人は努力好き」と語る人がいます。

これは、書籍『ゼロベースランニング』の著者の高岡尚司さん。ことランニングに関しては、「努力」は「距離」に置き換えることができます。つまり、日本人ランナーの多くに見られるのが、距離を求めるということ。「質よりも量」……確かに、筆者も友人間での会話では、月間○kmなどといった量の目標や結果ばかりが話題になりがち。質に関しての情報が少し少ないように感じています。

なぜ、日本人は量を求めるのか。高岡さんの持論がズシリと響きます。それは、「量を求める方が、安心できるから」とのこと。確かに……。走る距離が長い月は非常に満足していますし、目の前のレースで自己新記録を狙うためには、それ相当の距離を走る必要があるように感じてしまいます。

良くも悪くも、それが日本人らしさと言えるのですが、2017年は質の方も意識していきたいですよね。

「質を高めるのは、手間がかかるし、面倒です。自分の筋力(内力)に頼りすぎず、重力(外力)を上手く活用するには、コツがいります」(同書より)

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ケガを負ってしまい選手の道をあきらめた高岡さん。現在は、トレーナー、鍼灸・あん摩マッサージ指圧師として活躍しながら、自身のランニングメソッド「ゼロベースランニング」を見いだしました。これは「人間本来の走り方」に通ずるもの。カラダの動かし方の質を上げることを目的としています。

ついつい私たちは自分の筋力で走りがちですよね。しかし、質を高めるためには、重力を上手に使うことがポイントとなるのです。

では、どのような視点が必要なのでしょうか。基本的なところで「離地のポイント」を高岡さんが指摘しています。

みなさん、立ったままカカトをあげるとどうなりますか。もちろん上にカラダが持ち上がります。しかし、これではランニング(前進する)ためには、ブレーキがかかっている状態。しかし、これが胴体の真下に足がなく、後方に位置したらどうでしょう。すると、自然に前に足がでますよね。この状態をキープすることができれば、筋力を頼るのではなく、重力をうまく使う走り方になるのです。

皆さんも、このようなメソッドは先輩ランナーから色々と教わったはず。キャリアが長くなるにつれ、ついオリジナルの走法に偏ってしまいますが、この時間のある年末年始のタイミングで、是非、ご自身の走り方をいま一度、再考してみてはいかがでしょうか。

「ランニングの量よりも質を高める」。来年の目標にしてみてはいかがでしょう。

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