【箱根駅伝のジンクス】“予選会トップ通過校”は過去5年間○○を取れていない
Dec 20, 2016 / COLUMN
May 26, 2017 Updated
箱根駅伝まであと2週間。12月10日には各大学の選手エントリーが行われ、ファンが待ち遠しい瞬間が近づいています。今回は前回王者・青山学院大学に「3冠」と「3連覇」がかかっていることもあり、より注目を浴びる大会となりそうです。
そこで今回は、青山学院大学がどれだけすごい記録に挑戦しようとしているのか。また、それ以外にも箱根駅伝にまつわるトリビアをいくつかご紹介します。これを見れば箱根駅伝の見方が変わるかも??
過去に「3冠」・「3連覇」を達成した大学
先日投稿した記事「【箱根駅伝】青学大の「3冠&3連覇」なるか!? 気になる“10年おき”のジンクスとは」でもご紹介しましたが、学生駅伝には箱根駅伝の他に、10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝があります。3つを制する「3冠」は1990年~91年の大東文化大学、2000年~01年の順天堂大学、2010~11年の早稲田大学の3チームのみしか達成していない大記録。今回、青山学院大学が達成すれば、史上4チーム目の3冠校となるだけでなく、〝10年おき〟のジンクスも破られるわけです。
また、過去3連覇以上を達成した大学にも注目しましょう。連覇年数の最も長い大学は、1959年~64年に6連覇を達成した中央大学。今回は予選会で88大会ぶりに出場を逃しましたが、この記録はいまだ破られることのない前人未到の記録です。青山学院大学は史上6校目となる3連覇にも挑むことになります。
<3冠を達成した大学>
・大東文化大学(1990年~91年)
・順天堂大学(2000年~01年)
・早稲田大学(2010~11年)
<3連覇を達成した大学>
6連覇 中央大学(1959年~64年)
5連覇 日本体育大学(1969年~73年)
4連覇 日本大学(1935年~38年)
〃 順天堂大学(1986年~89年)
〃 駒澤大学(2002年~05年)
3連覇 なし
意外と苦戦!? 予選会トップ通過校の本戦成績
毎年10月に行われる予選会では、前回大会でシード権を獲得した10校以外の大学が出場権を懸けて争います。今年は大東文化大学がトップ通過を果たし、高い総合力を見せつけました。
「この勢いで次はシード権獲得だ!」
といきたいところですが、近年、予選会をトップ通過した大学は本戦で苦戦する傾向があるんです。2014年には日本体育大学が予選会トップ通過から総合優勝を果たしましたが、それ以外の大学は以下の成績に終わっています。
<過去5年間の予選会トップ通過校と本戦成績>
88回大会 上武大学 16位 11時間20分43秒
89回大会 日本体育大学 優勝 11時間13分26秒
90回大会 東京農業大学 14位 11時間18分02秒
91回大会 神奈川大学 17位 11時間18分47秒
92回大会 日本大学 11位 11時間16分50秒
93回大会 大東文化大学 ?位 ???
単純計算では、前回シード校10チームの次に強いチームであるはず。ところが本番になると、シードどころか、他の予選会通過校にも負けてしまっている現状です。89回大会の日本体育大学は例外として、過去5年間の「予選会トップ通過校はシードを取れない」という〝ジンクス〟を、果たして大東文化大学は破れるのでしょうか。
出場20校のうち5校が福島県出身監督!
箱根駅伝と福島県は、切っても切り離せない関係にあるようです。というのも、今回出場する20校(オープン参加の関東学生連合チームは除く)のうち、4分の1にあたる5大学が福島県出身監督なんです。
<93回大会に出場する福島県出身監督>
東洋大学 酒井俊幸監督・・・学法石川高出身
駒澤大学 大八木弘明監督・・・会津工高出身
早稲田大学 相楽豊駅伝監督・・・安積高出身
国士舘大学 添田正美駅伝監督・・・岩瀬農高出身
日本大学 武者由幸駅伝監督・・・田村高出身
振り返れば、「初代・山の神」と呼ばれた今井正人選手(順大/現・トヨタ自動車九州)、「2代目・山の神」と呼ばれた柏原竜二選手(東洋大/現・富士通)も福島県出身。同地は1964年東京オリンピックの男子マラソン銀メダリスト・円谷幸吉さんの故郷でもあり、昔からマラソン、駅伝の〝メッカ〟として知られています。
福島出身の選手も全チーム合計12名がエントリーされており、今回の箱根駅伝は「福島」で彩られる大会になりそうです。