ランナーの個性に合ったインソール開発の裏側とは? 30周年を迎えたザムストのイノベーションストーリー
Jun 29, 2024 / COLUMN
Jul 02, 2024 Updated
ランニングをはじめ、アスリートや部活生にとってなじみ深いブランド『ZAMST(以下、ザムスト)』。膝や足首のサポーターなど、関節の痛みに悩む多くのランナーに愛用される、数多くのアイテムを展開しています。
スポーツを楽しむうえで強い味方であるザムストにはどのような歴史があるのかーー。こちらの記事ではランナー必見のザムスト注目アイテムと合わせ、ザムストのイノベーションストーリーをお届けします。
30周年を迎えた歴史あるザムストのはじまり
岡田:今回はランナーに愛され続けているブランド『ザムスト』のイノベーションストーリーをご紹介します。サポーターなど、ザムストのアイテムをつかっているランナーが多くいますが、改めてザムストとはどのようなブランドなのでしょうか?
峠:日本シグマックスが展開するスポーツ向けブランドです。スポーツ用のサポーターやインソール、コンプレッションを展開しています。企業全体としては骨折した部分を固定するためのギプス・包帯や、腰・膝に装着するサポーターなど、整形外科の分野を中心とした製品を展開しています。
日本シグマックスの創業は1973年であり、当時から骨や筋肉などの運動器を支える、身体活動支援業を事業ドメインとし、企業活動をおこなっております。創業以降、医療現場で得たノウハウを生かし、1993年にザムストを立ち上げました。昨年で30周年を迎えたブランドです。
岡田:日本シグマックスさんの創業も50周年ですね。歴史のある企業であることが改めて伝わってきました。
峠:ザムストが誕生したきっかけは、医療用足首サポーターの開発・発売でした。1991年に当時のバレーボールトップチームのチームドクターから「日本シグマックスの製品であれば、スポーツ中のケガ予防アイテムとしても活用できるのではないか?」と助言を受け、スポーツ向けの製品を展開するザムストが誕生しました。
岡田:ランナー向けの製品にはどのようなものがありますか?
日浦:足首や膝など、ケガや悩みのある部分をサポートする製品を展開し、多くのランナーにご使用いただいております。また、ザムストはシューズの中に入れる『インソール』も展開しています。
五十嵐:ザムストのインソールは2017年に発売を開始しました。それ以前にも使用者ごとにカスタマイズできるオーダーメイドのインソールを発売していましたが、どうしても価格が高くなってしまい、手が出しづらい印象を受けていました。
より多くの人に、気軽に足元のケアをしてほしいーー。そのような想いからレディメイド(既製品)のインソールの開発に着手しました。
ただレディメイドの開発にあたって、オーダーメイドのものと異なり、より多くの方の足に合うように工夫を施す必要があります。そのためアーチの高さの違いにできるだけ対応できるように、アーチタイプを3つ用意し、さらにパーツの柔軟性に重点を置くことで、さまざまな人に合うインソール『Footcraft(フットクラフト)』が生まれました。
ザムストが開発したインソール『Footcraft』
五十嵐:Footcraftは足元をサポートするうえで大切な中側部(インソールの真ん中)には硬度の高いパーツ『コアスタビライザー』を搭載しており、しっかりと足元をサポートできる構造となっています。
足の幅や高さなど、人それぞれに異なる部分もしなやかにサポートできるよう、中側部以外は柔らかい素材を採用。2段階の硬さでサポート性を高めています。そういった工夫を施した本品の開発には2〜3年ほど費やし、他の製品と比べても倍近くの時間がかかりました。
岡田:Footcraftを開発するなかで苦労したことは?
五十嵐:柔軟性とサポート性のバランスを調整することに苦労しました。とくに硬度の高いコアスタビライザーをどのように設計するか、何度も試行錯誤し今の形にたどり着きました。
岡田:試行錯誤の結果として、本品は使用者のアーチの高さに合わせて3タイプも展開されているのですね。また、解決したい足まわりの悩みに応じて製品をラインアップしていますが、ランナーにおすすめの製品モデルは?
五十嵐:『STANDARD』がおすすめですね。これから岡田さんにはアーチチェックボードを用いて、足のアーチタイプを計測していただきます。
ランナーそれぞれの個性に合わせたインソールとは?
日浦:岡田さんの測定の結果は『LOW』でした。こちらのタイプのインソールを実際に使っていただきたいと思います。
岡田:インソールを入れただけでシューズのフィット感が良くなりました。驚きですね!
五十嵐:とくにランニングをする際にはかかとの倒れ込みがフォームに影響するので、高すぎる部分とともにかかとのホールドとフィット感がよくなるよう設計しています。
岡田:たしかにかかとのホールド感がとても向上しています。『HIGH』も試着してみましたが、感覚が全く異なりますね。アーチ部分のクッションの量が多く感じます。
日浦:長い距離を走るうえでアーチ部分のクッションが違和感につながってしまう可能性があるので、3種類を試し、自分に合ったインソールを選んでいただきたいです。
日浦:また『STANDARD』以外にも2つの異なるモデルもそろえています。1つはインソールの表面にグリップが付いた『AGILITY GRIP』。シューズの中で足が滑ることを抑えるモデルです。
もう1つはクッション性に特化した『CUSHION+』。前足部とかかとにクッション素材を搭載したモデルとなっています。
岡田:AGILITY GRIPはグリップ付きソックスが好きな方、CUSHION+はフルマラソンの完走を目指すランナーや、ウルトラマラソンを走る人にもおすすめですね。
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歴史を積み重ねるなかで蓄積してきた従来の技術を活用し、新たな商品開発を続けるザムストのアイテム。これからもザムストのインソールがランナーにとって力強い味方となってくれるはずです。
ランニングシューズのインソールを探している方はぜひ手に入れてみてはいかがでしょうか。
詳細情報
ザムスト|Footcraft
ランナーの足のアーチに応じたタイプが用意され、パフォーマンスアップや疲労・ケガへの対策が期待できるザムストのインソール・Footcraft。
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