膝のけがでお悩みのランナー必読!プロランニングコーチが教える「膝が痛くなりにくい走り方」

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(左から)ランニングコーチ・黒川遼さん、スポーツMC・ヤッホーカレンさん

ランナーにとって最も多いけがの悩みである“膝痛”。Runtrip Magazineではこれまでも膝痛の予防に関して紹介してきましたが、こちらの記事では膝が痛くならない走り方にフォーカスして方法をお伝えします。

初心者ランナーからシリアスランナーまで多くのランナーをサポートしているプロランニングコーチ・黒川遼さんに、スポーツMCのヤッホーカレンさんが伺い、実践します。

■ランナー膝の予防法はこちら

癖のある走り方が膝を痛くする!

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カレン:ランナーにとって最も多いけがである膝痛ですが、膝が痛くなる走り方というのはあるのでしょうか。

黒川:トレーニングのバランスが悪かったり、もともと『足のアーチが落ちている』、『股関節の使い方が悪い』、『膝周りに問題がある』という方もいますが、癖のある走り方は膝が痛くなりやすいです。

カレン:たとえば、どのような癖が膝痛の要因になりますか?

1. 着地の癖

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黒川:大きく分けると2つあり、ひとつが着地の問題です。足を先に出そうとして、重心よりも前に足が着地している場合。重心は「体の重いところ」、つまり骨盤を指すことが多いですが、骨盤よりも足が前に行ってしまいます。

カレン:いわゆる「足だけで走ってしまう」ような走り方ですよね。

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黒川:もうひとつは体を前に倒しすぎている場合。お尻がプリッと出てしまったり、反り腰の人は着地に問題があることも多いです。

2.膝の向きの癖

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黒川:膝の向きも関わり、着地時に膝が内側に入り込んで崩れた体勢やガニ股が当てはまります。多くは膝が内側に入ってしまっているのです。重心の移動が上手くいかず、体を前に倒しすぎる姿勢でも同じことが言えます。

カレン:こうした走り方になっている方は多いかもしれませんね。しかし、最初から「膝を真っ直ぐにして走ろう」と意識して走るのはなかなか難しいですよね。

黒川:そうですね。そこだけ意識しても自然な動きにはならないので、自然に走るイメージ作りが大切になります。今回はそのイメージ作りをみなさんにお伝えしたいと思います。この動きは膝痛の方だけでなく、股関節や足裏が痛いランナーにも効果がありますのでぜひ前向きに取り組んでみてください。

自然な走り方のイメージ作り

1.バンザイしたまま体を前に倒す

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黒川:“走る”という動作はバランスをあえて崩し、体を前へと進めていくスポーツです。バランスを崩すためにまずは「おっとっと」と体を倒したときの感覚を習得していきます。例えば体を少しだけ倒してみると足がポンと出ますよね。

カレン:(体を前方へ倒しながら)「おっとっと!」この感覚ですね。

黒川:まずはバランスを崩すことをしたいので、そのイメージを作っていきましょう。次は重心を上げていきたいと思います。重心が下がっている人はそのまま走ると膝が痛くなりやすい状態になります。

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黒川:まずは肋骨を開かないようにバンザイをしてみましょう。そうすると腕が重いので重心が胸から骨盤の辺りに移動します。

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黒川:バンザイしたまま体を前に倒してみましょう。

カレン:たしかに、一度試してみると前へ倒れるときに重心が骨盤に乗る感覚を体感できました。

黒川:バンザイをするとバランスがより崩れやすくなるので、そこからちょっと倒して少しだけ進んでみましょう。

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黒川:慣れてきたら、そのままジョギングを行いましょう。

2.体を弾ませることで反発を受ける

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黒川:よくドリルなどで、足を地面に叩きつけるようにバウンドを行いますが、長い距離のランニングでは強すぎることもあります。長距離の場合、反発をもらうには体をボヨンボヨンと弾ませるだけで大丈夫ですよ。まずはその場で軽くバウンドしてみましょう。

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黒川:足の力はなるべく抜いてください。肋骨、胴体が弾むイメージ、肩甲骨はストンと落として脱力を意識。膝が曲がらないように、軽く伸ばして行うといいですよ。

カレン:バウンドは小刻みの方がいいですか?

黒川:短距離の場合はバウンドを大きくした方がより強いパワーを生み出せますが、長距離は“かわいいバウンド”を意識してみてください。バウンドを数回行ったら、そのまま前に走り抜けます。

3. “腕振りを封印”する

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黒川:先ほど紹介した2つを実践すれば着地問題は解決するのですが、実は走るフォームが腕の力に頼りすぎているランナーが多いのです。腕に頼り過ぎると力みが生じ、肩甲骨も動きにくくなります。それを解消したいので、もうひとつのエクササイズはあえて腕を振らずに走ってみます。

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黒川:先ほどの「おっとっと」のように自然に倒れると背骨の動きも出てきますので、まずは自然に前へ倒れてそのまま走ってみましょう。

力みを減らすために肩周りを脱力。前傾が足りないと力みが起こりやすくなりますので、もう少し前に倒すと背骨や肩甲骨が動いて、走りやすくなります。その良いイメージのまま腕振りをつけると、いつもメインで動いていた腕がサブとして動くような感覚になります。走り出しは“腕を封印”して、あえて腕を振らずに走ってみてください。途中から腕振りをつけてみましょう。

カレン:たしかにこの体勢で走ってみると、いかに普段から力んで走っているのかを実感しました。実際、今回の走り方を実践して膝が痛くならなかったことに驚きました。

黒川:いろいろなことを考えて走ってしまうと思いますが、シンプルに楽しく走ると気持ちよくランニングができると思います。ぜひ、今回紹介した方法を取り組んでみてくださいね。

***

 

リラックスして走ろうと意識するほど、姿勢が崩れたフォームで走ってしまうということもあるのではないでしょうか。そうしたフォームや走り方を改善するだけで、膝が痛くなりにくい走り方を身につけることができます。

走り方や膝にお悩みを抱えているランナーの皆さんは、ぜひ今回紹介した動きを実践してみてください。

【動画からご覧の方はこちら】

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