勝つための練習とは一体!?折山 淑美著『日本のマラソンはなぜダメになったのか』から学ぶこと
Jan 30, 2017 / COLUMN
Jun 02, 2017 Updated
こんにちは、“走る”フリーライターの三河です!
2017年も1ヶ月が過ぎ、すでに大小さまざまな大会が各地で開催されています。トップアスリートはもちろん市民ランナーまで、各自が目標を持って日々トレーニングに取り組んでいることでしょう。そこで2017年最初の本連載は、そんなランナーのやる気を引き出してくれそうな1冊をご紹介します。
今回取り上げるのは『日本のマラソンはなぜダメになったのか』という1冊。タイトルを見ると、なんだか過激な内容をイメージされるかもしれません。
長い間、記録が更新されていない日本の男子マラソン。国際大会ではアフリカ勢が活躍を見せる中、思うような結果を残せていないというのが現状でしょう。まもなく国内開催の迫ったあの大会においても、マラソンに注目されている方は多いはずです。本著ではそんなマラソン界に対して、過去マラソンの日本記録を更新してきた7名の方々が思いを綴っています。
マラソンに対する思いや課題。それは批判するのではなく、真にマラソン界のためを思うからこそ発せられるものなのでしょう。過去、自分たちが日本記録更新という偉業を為すため、どのようにマラソンと向き合ってきたのか。それぞれの経験を踏まえながら、
「どうすべきなのか」
「どうあるべきなのか」
という意見が率直に述べられています。
受け止め方によっては、苦言を呈している部分もあるでしょう。しかし宗茂氏、瀬古利彦氏、中山竹通氏、児玉泰介氏、犬伏孝行氏、藤田敦史氏、高岡寿成氏。それぞれの熱い想いは、トップアスリートだけでなく、すべてのランナーにとって“走る”こととの向き合い方といった事柄を考えさせてくれる気がします。
圧巻だったのは、7名がそれぞれに取り組んでいた練習メニュー。圧倒的な走り込みの裏に、記録向上を考えた繊細さが伺えます。これを自分のトレーニングの参考に…というのは難しいかもしれません。しかし日本記録への道筋とも言えるこの練習メニューは、勝つためにあるべき姿を教えてくれるのではないでしょうか。
「勝ちたい」
「達成したい目標がある」
そんなすべてのランナーに、ぜひ読んでいただきたい1冊です。
公務員マラソンランナー川内優輝選手の母、美加さんにインタビューを行いました。
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