「野生の感覚を取り戻す」、現代人がランニングをすることで得るメリットとは
Nov 16, 2016 / COLUMN
Oct 29, 2018 Updated
マラソン大会も多く開催される季節となってきました。走る距離を順調に伸ばしているランナーも少なくないでしょう。少しずつ走れる距離が長くなったり、タイムが縮まったりすると、さらにランニングにのめり込んでしまいますよね。
ランニングが辞められない理由は様々ですが、自分の努力次第で「成長を実感できる」ことも大きいのではないでしょうか。生活の中にランニングを取り込むと、良いことばかり。例えば、走ることで気分がスッキリし、ストレス・マネジメントができます。運動に抑うつ作用があることは、科学的に実証されていたりもします。
また、一緒に走ることで切磋琢磨できる仲間が見つかったりしますよね。仲間に負けじと今日も走っている人もいることでしょう。筆者は何よりも「走った後のご飯が美味しい」という、食いしん坊な理由で走っています。
さて、この方々にとっての走る理由とはどのようなものでしょう。書籍『挫けない力』は、行動科学マネジメント研究所所長の石田淳さんと、スポーツナビゲーター・(株)アスロニア代表取締役の白戸太郎さんによるもの。
同書のなかで、ランニングのメリットについて語られています。
「野生の感覚を取り戻す」
人間にとってランニングが良い理由の一つに、上記の理由があげられます。
「野生動物は、危険を回避できるよう、またいつでも獲物に飛びかかれるよう、全身の感覚を鋭敏に研ぎ澄ましています。一方、現代人は、インターネットや書籍によって知識は豊富に持っていますが、実際に五感を研ぎ澄ましてその場の空気を読む能力は低下しています」(同書より)
確かに、現代人の生活はとても便利になりました。移動をしようにも、車、電車、飛行機、エレベーターが運んでくれますし、オフィスワーカーは一日中、エアコンの効いた部屋でパソコンと向き合っています。これでは、「野生の感覚」が必要とされるシーンがあまりに少ないですよね。
野生の感覚がともなっていると、海外に行った時やビジネスのシーンで警告音が鳴ることがあるといいます。例えば、「この街やこの場所は危険な匂いがする」「この人はやたら親切だけど何か裏がありそう」「この食べ物はやめておこう」……など、体が本能的に反応するのです。こういった危険回避の能力は、人が生きていくうえで大切なセンスと言えるでしょう。
また、思わぬチャンスを教えてくれると同書で紹介されています。
「偶然出会った人や、自分が勉強不足でどんな人か知らなくても、『あれ、この人、オーラが違うな』『この人、すごい!もっと話が聞きたい!』と感じるような時です。その人と知り合うことで学ぶことがたくさんあり、後々大きなチャンスにつながる可能性があっても、もしも自分が気づかなければそれっきりです」(同書より)
確かに、こういったチャンスに気づくのも野生の感覚が必要ですよね。ランニングをすることで、自分の体と向きあい、また、いつもの生活で忘れがちな“野生の感覚”を呼び戻してみてはいかがでしょうか。ランナーの皆さんは既にこの感覚に気づいているのかもしれませんが。
野生の感覚を取り戻す!? 五感で感じるトレイルランニング!