「走ることのハードルを下げたい」シンガーソングランナー®・SUIさんが書籍『10分で心と体が変わる ズルいランニング』に込めた想い
Oct 24, 2024 / MOTIVATION
Oct 25, 2024 Updated

シンガーソングランナー®として活動するSUIさんがこのたび書籍『10分で心と体が変わる ズルいランニング』(あさ出版)を上梓しました。
運動とは無縁の生活からダイエットのためにランニングをはじめ、今ではランニング業界で活躍するSUIさん。彼女は本書にどのような思いを込めたのでしょうか。出版に至った経緯やその裏話など、SUIさんに話を聞きました。

「走ることのハードルを下げたい」SUIさんの過去とは?

大森:今回はSUIさんの書籍『10分で心と体が変わる ズルいランニング』について、制作の裏側を伺っていきたいと思います!
SUI:本書はランニングがうまくいかないとき、つらいときに読んでもらえればと思い制作をはじめました。序盤ではランニングに必要な食事・栄養などについて書いていますが、身体だけではなく精神的な部分についても着目した1冊となっています。
本書を制作するにあたり「走ることのハードルを下げたい」という想いがありました。私自身、運動をするなら30分以上しなければいけない、ランニングを続けなきゃいけないと思っていて……。ただ、たとえ10分だけでも体を動かすことは、運動してない人から見たらとてもすごいことです。ランニングを10分続けることができたら、20分できるようになる。20分走り続けることができたら、30分走れるようになるーー。そんなイメージで多くの人が運動をできるようになればと思い制作しました。
SUI:「自分は走れる」と思って走りはじめたものの、多くの場合は途中でつらくなると思いますし、自分は走れない人間なんだと思ってしまうでしょう。私自身もなぜつらくなるのかわかりませんでした。ただ、つらさの原因を知ること、たとえば運動を続けていくうちに心肺機能が強くなり、息苦しさも改善されることを知ると楽な気持ちになれました。
足が動かなくてきついと感じることも、原因をたどると股関節周りの柔軟性などが背景として存在しています。簡単なストレッチをするだけで足が上がるようになり、より楽に走ることができます。本書のタイトルには“ズルい”というワードを入れていますが、「もっと楽に走れる方法があるよ」というメッセージを伝えたい想いからこのタイトルにしたんです。
大森:目標設定の仕方や、ある意味では自分のごまかし方がまとめられた1冊なのだと感じますね。
SUI:とくに本書には「ランニングシューズを履くことだけはやめないで」というメッセージを込めました。
SUI:走らない時期があったとしても、買い物に行くときにランニングシューズを履いて行くだけでいいと思うのです。いつか気持ちが乗ったときに、ランニングシューズが近くにあれば走り出す準備は万端なので。
大森:紙面では「やめてもいいんだよ」といったことも書かれていたことが印象的でした。「やめないようにしよう」と思うときつくなってしまうけれど、「何回もやめてもいいけど、また走りはじめればいい」と思うと気持ちが楽になるーー。
SUI:けがをして走れなくなると、不思議と走りたくなりますよね。自分が嫌だと思うときは走らないでいれば、いつの間にか走りたくなると思います。
もともと私は体重が60kg台でしたが、現在は49kg台まで減量しました。60kg台のときは「太るから食べちゃだめだ」と思いつづけていましたが、そう考えると食べたくなってしまうものです。「食べちゃだめだ」と「食べてしまう」と繰り返していくうちにどんどんと太り、気持ちもネガティブになっていきました。
でもランニングをはじめてからは「たくさん食べても走ればいいんだよ」と思えるようになり、人生にやる気が出てきて自分の心から「やりたい」が出てくるようになったのです。走りはじめたばかりの頃は遠征してマラソン大会に出場する人の気持ちがわかりませんでした。1万円近い出場料を払って、場合によっては新幹線に乗って、ホテルに宿泊してーー。ただ走ることを続けるなか自分のやりたいことにお金を使えるようになりました。ランニングにより私の大きな変化だと思います。
「ランニングシューズを持っているだけでもエリートです」
大森:ランニングの楽しさを知ったSUIさんが本を出そうと思った背景は?
SUI:運動をはじめるハードルが高すぎると感じたからです。ダイエットのための運動は「カロリーを消費するため」という考え方が根付いていると感じます。「これだけ走ると100kcal消費できる」けれど、それなら「100kcal分の食べ物を抑えた方がいいよね」と言う人は多いでしょう。
ただ運動は単にカロリーを消費するための行動ではなく、身体を正常に戻すものだと思っています。多くの飼い犬が散歩をするなか、1日に1000歩も歩いていない人はたくさんいます。犬の散歩が当たり前であるように、人間が運動をすることも当たり前であると思っていて。何より運動をすることで身体と心も整いますし、心が整うことで暴飲暴食を減らすことができたり、自分に優しくできるようになるのです。
カロリーを消費するために走るのではなく、心を整えるために走り、そのおまけとしてカロリーを消費できるーー。そんな考え方をお届けしたいと思い、本を出そうと思いました。
大森:ランニングをはじめるまでは、ずっと頭の中や目の前にモヤがかかっているような感覚がありました。ただ走りはじめてからは視界がクリアになった感じがあって……。晴れやかな気分になり、人生が好転していったと感じています。
SUI:ただランニングをはじめるまでのハードルは高いですよね。今でこそ私は走ることが好きになりましたが、本書では60kg台だった頃の写真が掲載していたりなど、知人から「すごかったね」と驚かれるほどに衝撃的な写真が出てきます。
大森:序盤ではおすすめのランニングシューズの紹介もありました。
SUI:イベントなどでは重いシューズを履いているビギナーランナーの方を多く見かけます。そんな方々にこそ走ることが楽になるシューズを履いていただきたいです。
大森:メンタルに関するお話もあればシューズ選びといったハウツー情報も収録されており、写真も多く掲載されているので、手元に置いておきつつ頻繫に読み返したい1冊だと感じました。出版するまでの苦労はありましたか?
SUI:締め切りが多くて大変でした(笑)。また言葉で身体の動きを伝えることにも苦労しましたね。
出版社の担当さんがあまり走らない方で「シューズってそんなに種類があるのですか」など、初心者の目線を思い出すことができました。そのため、これから走りはじめる人にとってもわかりやすい内容になったと思います。
大森:本書を出版された感想は?
SUI:「本を購入したよ」という連絡をたくさんもらいました。走ることに興味なかった方も「本屋さんで見かけたから買ったよ」と言ってくれたり、本書をきっかけに「走ってみよっかな」と言ってもらえたりーー。
本書は「(人に)プレゼントしたい」本にしようという思いがありました。私の周りにも走ってほしい人はたくさんいて。そんな方に向けて「たった10分で変わったんだよ」「昔はこんなに太っていたんだよ」「こんなストレッチからはじめてみたらいいよ」といったメッセージを伝えられる本にしたいと思っていました。実際にECサイトのレビューで「プレゼントとして買いました」と書かれていて、とても嬉しかったです。
SUI:ランニングのイベントで「私10kmくらいしか走れません」と悲観的に話す人とお会いすることが多いですが、日本中を見渡せば10kmを走れることは“スーパーエリート”ですよ。ランニングシューズを持っているだけでもエリートです。
「私も運動したいけど、私には無理」と思っている人も多いと思います。そんな方も一緒に体を動かす楽しさを広めていきましょう。
大森:ランニングの楽しさが詰まった1冊だと思うので、ぜひチェックしてみてください!
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走ることを楽しむSUIさんの知られざる過去や具体的なアドバイス、ランニングを楽しんでほしいという思いが詰まった『10分で心と体が変わる ズルいランニング』。内容はもちろんのこと、ランニングシューズとともに手元に置いておくだけでも、ランニングを楽しむあなたのお守りとなってくれる1冊です。
詳細情報
『10分で心と体が変わる ズルいランニング』

・価格:¥1,540(税込)
【動画からご覧の方はこちら】
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