【ブルックス】「ハイペリオン エリート 4」はひと味違う厚底レーシングシューズ!シリーズ最新作をシューズアドバイザーが解説

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ブルックスが展開するトップランナー向けの厚底レーシングシューズ『ハイペリオンエリート4』。他メーカーの厚底シューズと肩を並べる高性能なこのシューズを、今回もRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんが徹底解説します。

藤原さんは多くのシューズブランドを渡り歩き、シューズ販売に携わり20年以上。47歳でマラソン自己ベスト2時間34分28秒を出し、現在も走るシューズアドバイザーです。

前作から一新!実績十分な厚底レーシングシューズ

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(左から)スポーツMC・岡田拓海さん、シューズアドバイザー・藤原岳久さん

岡田:今回ご紹介するのはブルックス『ハイペリオンエリート4』です。1月に発売されたばかりの厚底レーシングシューズであり、箱根駅伝で着用した選手もいたモデルです。

藤原:駿河台大学で2区を走った新山舜心選手ですね。箱根駅伝に出走する選手のシューズに選ばれるということは大きな成果だと思います。また、もう1つの成果としてアメリカの五輪代表を選考するレース『オリンピックマラソントライアル』では5、6、10位の選手がこのシューズを着用しました。

岡田:世界のトップアスリートたちが着用して結果を残した、実績のあるシューズなのですね。

藤原:私は前作も好きでしたね。非常に安定感があり、内蔵されたプレートが効いている感覚を味わえる、屈曲性が少し硬めのシューズでした。履きやすい一足だったのですが、長い距離を走る際には少しつらいと感じることもありました。ただ今作は前作の構造から一新されましたね。

アッパーはスパイクのように薄くミニマルなものになり、まるで蜘蛛の巣のようにスケスケです。ただ必要なところには補強が施されているのでフィット感は良いと感じます。

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藤原:ミッドソールに採用されている素材『DNAFLASH v2』にも注目。DNAFLASHシリーズはガスを封入するスーパークリティカルという製法でつくられた素材であり、スパイクも含めブルックスのトップレーシングシューズに扱われている素材です。

そしてミッドソールに内蔵されているプレートも非常に特徴的です。『Speed Vault Race Plate(スピードボールト レースプレート)』というプレートなのですが、たくさんの穴が開いているデザインとなっています。

岡田:アッパーだけでなくプレートでも軽量化を図っているのですね。

藤原:しかも、このプレートの穴はシューズのサイズにあわせて別々にデザインされており、ブルックス製作陣のこだわりを感じます。加えて再利用された素材でつくられているため地球環境にも配慮されている点も魅力ですね。

岡田:27cmだと片足の重量は205gであり、かなり軽量ですよね。ミッドソールの厚さが約40mmで、ドロップ(シューズ前後の高低差)が8mmとなっています。

藤原:厚底レーシングシューズとしてはオーソドックスなスタイルですね。またアウトソールのグリップ性が高い点も優秀です。

柔らかすぎない、程よい硬さのあるミッドソールが特徴

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藤原:最近の厚底レーシングシューズは反発弾性の高い素材『Pebax』を原料としてミッドソールを形成していますが、それらと比較するとブルックスのDNAFLASH v2は少し固めの素材です。

そのため他メーカーの厚底レーシングシューズのソフトなバウンド感が苦手な方におすすめの一足ですね。ミッドソールを触ってみるとある程度の硬さを感じますが、履いてみると前作以上にフィーリングは良かったです。

岡田:藤原さんならどんな場面でこのシューズを履きますか?

藤原:トレーニングやレースで着用するとしたら、10km程の距離などでスピードを出したいときに使いたいと思います。まるでスパイクを履いているかのようなフィーリングを感じる一足なので。

ちなみに2023年の世界選手権・1500mで優勝した ジョシュ・カー選手は、このシューズを履いてニューヨークの五番街を走る1マイル(約1.6km)のレースで優勝しています。彼はハーフマラソンのレースでもこのシューズを履いていました。

岡田:他メーカーの厚底レーシングシューズと比較するとどのような違いがありますか?

藤原:バウンド感は他のシューズよりも控えめかもしれません。ただ、このシューズのバウンド感がちょうどよいという方もいると思います。厚みのある柔らかな厚底レーシングシューズが苦手な方や、足の回転数を高めることでスピードを出している人は履きやすいと感じるかと思いますね。

岡田:ミッドソールを潰してポーンと跳ねるような走り方ではなく、トントントントン……と1歩ずつリズムよく走る方にはおすすめですね。

サブ3を目指すランナーにもおすすめの一足

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藤原:シューズの価格は税込35,200円であり、決して安いとは言えないかと思います。ただ今までの厚底レーシングシューズにネガティブな印象を抱いている方にはぜひ試してもらいたいです。

岡田:トレンドの厚底レーシングシューズとは少し異なる、独自路線を進むシューズとも言えますよね。

藤原:とくにこのプレートの構造は斬新だと思います。穴が空いていることで軽量化が図られていますし、それでいてプレートの剛性はちゃんと備わっています。程よい反発感と高い安定性を味わえるシューズなので、サブ3を目指すランナーにもおすすめの一足だと思いますね。

***

他メーカーとは異なるアプローチの、最新テクノロジーが詰め込まれたブルックスのトップレーシングシューズ。ほかのランナーとは異なるシューズを履きたい方、厚底レーシングシューズが苦手な方はぜひ1度履いていただきたい一足です。

詳細情報

ブルックス|ハイペリオンエリート4

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出典:brooksrunning.co.jp

価格:¥35,200(税込)

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高反発で安定感もある厚底レーシングシューズ

【動画からご覧の方はこちら】


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藤原 岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 /JAFTスポーツシューフィッター / 元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)

FS☆RUNNINGオフィシャルサイト

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