黄色地の看板に赤文字で『危険 落ちたら死ぬ』、細く荒れた状態の悪い国道“酷道”とは
Aug 25, 2016 / COLUMN
Jun 02, 2017 Updated
皆さんのお気に入りのルートを紹介するラントリップですが、「国道○号線がアツい!」といった国道好きにはなかなか出会えません。
それもそのはずで、快適なルートを求めるランナーにとって信号は大敵。何度も立ち止まることでランニングのリズムを崩してしまいますよね。中には見晴らしも良く、信号の少ない国道もありますが、都心部だとやはり複数の信号に遭遇してしまいます。街路樹が植えられ、整備されている道は気持ちいいんですがね……。
さて、そんな国道ですが、あなたがイメージする国道と一線を画した道が存在することをご存じでしょうか。
「酷道」です。
その文字のごとく、「酷な道」のことです。
「世の中には、とうてい国の道にふさわしからぬ、細く荒れた状態の悪い国道が少なからずある」と語るのは、書籍『ふしぎな国道』の著者であり道路マニアの佐藤健太郎さん。国道のイメージを覆す、この酷道、以外とファンがいるようで、単行本やムック、DVDも発売されているよう。こわいもの見たさで人が集まるのでしょうか。
そんな酷道はどのような道なのでしょう。同書で紹介されたものの1つに、金沢市と岐阜市を結ぶ「国道157号線」があります。長い国道157号線そのなかでも、特に岐阜~福井県境の「温見峠」は“酷さ”が魅力的のようです。
「岐阜県側の峠の入口には、黄色地に赤文字で『危険 落ちたら死ぬ!!』と大書された看板があり、酷道の象徴的存在としてマニア間では有名になっている」と同書で紹介されているように、本気なのか怖がらせようとしているのか、間違いなくランナーの皆さんには踏み込んでほしくない道となっています。
他にも道路と川が平面交差する「洗い越し」もまた、“酷”なのです。
「山の水がじゃぶじゃぶと道路上を横断しており、車はこの中に突っ込んでいかねばならないというとんでもない場所だ。雨が続き、増水などしていると通行は極めて困難となる。もちろん冬季は雪も多いため、国道157号は通行止めとなることが非常に多い。他にも狭路、落石、崩落、ガードレールやカーブミラーの未整備などの要素は全て兼ね揃えており、酷道のグランドスラムといっても過言ではない」(同書より)
もう、これは間違いなくランナーが踏み込めない領域。落石、崩落、ガードレールやカーブミラーの未整備は危険すぎますよね。現実的にはここを通らずに迂回するルートがあるようですので、そっちを利用する方がほとんどのようです。
いや、しかし、国道といっても姿は様々。157号線だけでなく“酷道”は25号や152号、166号、265号、308号、352号、410号、418号、425号、439号、488号と、全国各地にあるとのこと。
いやはや、色んな道があることがよくわかりました。ランナーの皆さんも是非、安全性の高い道を優先してくださいね。