NB TEST RUN SHIBUYA 「走りたくなる街」を考える キーワードは「ロケーション」と「コミュニティ」

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11月6日、秋晴れのもと渋谷・代々木公園で、ニューバランスと渋谷未来デザイン、代々木公園の三者のパートナーシップによって『NB TEST RUN SHIBUYA』が行われた。当日は公園を舞台にしたマイクロレース『YOYOGI PARK FKT TEST RUN』の他、5つのコンテンツから街とランニングを考える『RUNNING MEET UP』を開催。「これからの街を、走る」ことを考えながら、新しいランニングカルチャーを作るきっかけを探した。

イベントの概要はこちらから

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『RUNNING MEET UP』テーマ2の『走りたくなる街』には、ランナー向けサービスを提供するRuntrip代表 大森英一郎とともに、朝食を食べるためにランニングを行うコミュニティ️『ランニングと朝食(R&B)』を主宰する林 曉甫さん、そして渋谷圏の街づくりを担う東急不動産株式会社の東海林 宏宣さんが登壇。ニューバランスジャパンの前川貴宏さんも加わり、今後のランニングのあり方について意見を交わした。

なぜ「走りたくなる街」は必要なのか?

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Runtrip代表 大森英一郎

――今回のテーマは「走りたくなる街」です。なぜ、走りたくなる街が必要なのか? このテーマを提案された大森さんにお聞きしましょう。

大森 これには個人的な視点と社会的な視点があります。個人的なことをお話しますと、昨年引っ越しをしまして。場所の決め手となったのが、走って楽しい町かどうか、でした。働き方がフルリモートワークになり、会社へのアクセスを考慮する必要がなくなった中、毎日家にいるので、運動を促進してくれる街に住めるかはとても重要でした。

社会的には、走る人が増えると、地域にとっていいことがあります。1つは医療費の抑制で、1歩あたり0.061円から0.07円くらい医療費抑制の効果があると言われています。もう1つは回遊性の増進。滞在時間が20分増加すると、その地域の消費が25%増え、地域にお金が落ちるそうです。つまり、走りたくなる街であることは地域にとってもメリットがあるわけで、そういう街が増えればいいなと。何が切り口になるのかと考えたところ、『ロケーション』と『コミュニュティ』というキーワードが浮かび、提案させてもらいました。

ロケーションを構築する方法はいろいろ

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東急不動産株式会社 東海林 宏宣さん

東海林 私は2年前から走り始めたんですが、ずっと仕事終わりに夜の新宿、渋谷を走っていました。1人で黙々と。ギラギラしたところを走ると、刺激を受けていろいろなアイディアが浮かびました。

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『ランニングと朝食(R&B)』主宰 林 曉甫さん

 僕らはロケーションや環境を考える前に、どう街を好きになるか、どう街を発見していくかを重視していて、そのための地道な活動をしています。国内外に25チームあって、チームリーダーがいます。活動は朝が中心で、7時か7時半に集まって、10時半には解散します。ランニングそのものは、もう5年くらい週平均で5㎞しか走っていません。朝ご飯を食べる目的がなければ続かないでしょう。仕事以外の人たちと関係ができ、一緒に走っていくと、こんなところにこんな生活風景があったんだなと、発見があります。街を知れば知るほど、愛着が出てきて、そこを走りたくなるんです。

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大森 僕は海沿いを走ることが多いんですが、自宅から半径3㎞、5㎞圏内で公園や海、そして川があります。こういう場所があるのが、僕にとって肝となるロケーションです。ラントリップには、日本中の方からの走りたくなるコースの投稿があるんですが、傾向を見ていると、ランナーは川の近く、城、公園を好むようです。渋谷なら、朝のパン屋さんに行くコースや、スムージーの店に行くコースの投稿もあります。

 目的を作ると、走るのが楽しくなりますよね。僕らもグーグルマップにピンを打っているんですが、朝食を食べたお店がすでに400から500はある。立ち寄れる場所を自分の体でハッキングしていくのは大切かなと。

コミュニティ作りを促進する街づくり

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――続いてコミュニティについてうかがいます。

東海林 デベロッパーの立場ではありますが、どちらかというと『コミュニティ』が大切だと思っています。デベロッパーと言うと、街を再開発するハードなイメージがありますが、街にとってそれが望まれていることかというと、もう一度見つめ直す必要があると。ハードを街に供給するというよりは、街を好きになってくれる人を増やす。実はコミュニティを作るための側方支援をする関わり方が、デベロッパーに求められていると思います。ハードを作って街をきれいにするのはもちろん、私たちの大切な役目ですが、それ以上にソフト的な部分が大事かと。

大森 デベロッパーさんが、ハード面だけでなくソフト面も考えた街作りを始めているのは興味深いです。それによってランナーへの影響もあるのでは。ランナーのコミュティ作りにデベロッパーさんが関わったことはまだないと思いますが、もしかすると将来的にはそうなるのかな。

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東海林 渋谷の「246」の向こう側に桜丘というエリアがあり、再開発をしているのですが、そこにニュートラルイノベーションベースと銘打って、いろいろな会社さんとタッグを組んで、イノベーションを起こす基地を作っています。何をするかというと、未来シェアリングなんですね。様々な会社が得意分野を持ち寄って、新しい何かを生み出す。みんなで未来をシェアしよう、という取り組みを始めています。ハード的な場作りと並行して、コミュニティの支援作りをしたいと。

大森 コミュニティが生まれやすい街はあると思います。僕が住んでいる横須賀は、ランナーはたくさんいるんですが、コミュニティが少ない。海沿いのいいスポットなので、遠方から走りに来る方も多いのですが、スタートやゴール地点がないので、ただすれ違っているだけなんです。例えば、代々木公園や駒沢公園は、ランニングコースのスタート場所とゴールが決まっているので、集える場所がある。これはコミュニティを作る上でカギになるような気がします。

ランナーが街と共存するために

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 あとはどういうランニングのコミュニュティかですよね。速く走る人のコミュニティは、キロ何分で走ろうとガチな感じなんでしょうけど、僕らはサブ3からやっと1㎞走れるようになった人など、レベルが幅広い中、話ができるペースで走っています。走っている時間は、誰かと話をする時間にしたいので。

大森 コミュニティは継続する難しさもありますね。

 僕は、誰かのためにコミュニティを続けることはやめよう、という考えです。もちろん、みんなに楽しんでもらいとは思っていますが、一番楽しんでいるのは自分です。自分が楽しみたいからここにいる、というのが継続する上ではポイントになるかと。

前川 今回のRUNNING MEET UPの主題は、「これからの街を、走る」ということなんですが、街はランナーだけでなく、自転車も車も走行してますし、遊んでいるお子さんもいる。ランナーが増えれば、ニューバランスとしては嬉しいし、新しい発見があると思う一方で、1つの環境をシェアしているわけです。走っていない人に共感してもらうことや、お互い意識し合うことも重要では。

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林 僕らは今日、芝公園から代々木公園まで走ってきました。距離も長いので、走りにくい道は避け、なるべく歩道が広く、すれ違いやすい道を事前に調べてコース設定をしました。普段から、行きかう人にストレスを与えず、自分たちもストレスなしに走れるようにコース設計をしています。それとコミュニケーションも忘れずに。人とすれ違う時は先頭の人が「すみません」とか「こんにちは」と言うことで、関係が滑らかになると思います。

――本日はありがとうございました。

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トークセッション後、渋谷エリアの朝食を楽しめるスポットを巡るグループランへ。いつも慣れ親しむ街も「走る」ことで、新たな発見があった様子でした。

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イベント当日同時開催されていたマイクロレース『YOYOGI PARK FKT TEST RUN』で、仲間と1マイルを全力で走り切る、そんな姿も。

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本イベントの開催にあたり、ニューバランスジャパンの小澤さんは、「このイベントが、ランニングとは何か考える1つのきっかけになるのではと期待しています。今回はあくまでもテストであり、テストランです。今後、代々木公園や渋谷の街で試していく上でどういう形ならいいか、フィードバックやヒントをもらったり、発見したことを次につなげていきたいと思っています」と、想いを語りました。

NB TEST RUN SHIBUYA 参加者の声

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(左から)猪瀬順子さん/谷津久美子さん/ 土屋真理さん

猪瀬順子さん「友達に教えてもらい、みんなで走るのが楽しいと思って参加しました」
谷津久美子さん「渋谷の街をみんなで走って、街の新たな魅力を発見しました」
土屋真理さん「なかなか大勢で集まれない中、広い場所でのランニングイベントはありがたかったです」

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(左)井上知佐さん(右) 千葉紗智子さん

井上知佐さん「いつもは買い物で来ている渋谷を走り、知らなかった渋谷の景色に出会えました」
千葉紗智子さん「初めてみんなで走り、楽しいな、コミュニティもいいなと思いました」

 

ロケーションと コミュニティから「走りたくなる街」を考えた1日。新しいランニングカルチャーが生まれるきっかけになるイベントでした。

(文 上原伸一/  写真 松崎竜也)

   
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