トレイルランでもないのに、車道を1200mも上り続けるレースって何?「乗鞍天空マラソン」【大会レポ】

長野県の乗鞍高原で2016年6月19日(日)に「第11回乗鞍天空マラソン」が開催されました。

乗鞍高原といえば、自転車のヒルクライム競走の、全日本マウンテンサイクリングin乗鞍が開催される事でも有名です。乗鞍天空マラソンといえば、長野県側からの乗鞍エコーラインを、スタート地点の乗鞍観光センターからひたすら上るコース。上り続けること1200m!まるで箱根駅伝の山上りのようです。折り返してから、11.5km、800m程度下ります。そして三本滝レストハウスのゴールを目指す30kmの全てアスファルトの上のコースです。

序盤は気が遠くなるマラソン大会…

それもそのはずです。普段は平地で行われることの多いマラソン大会ですが、トレイルランでもないのに、車道を1200mもずっと上り続ける大会は日本に他にあるのでしょうか。ほとんどのランナーが不慣れなため、最初はやはり気が遠くなります。ペースも無理せずゆっくりでいいでしょう。

「トレイルランでもないのに、車道を1200mも上り続けるレースって何?「乗鞍天空マラソン」【大会レポ】」の画像

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2km地点あたり、奥に見えるあの山に向かって走っていくのです。忍耐力が必要な距離と勾配ですが、その一方でこの乗鞍高原を走る価値がいくつかあります。一つはこのコースを“走る事”は1年間でこの日しか出来ないのです。なぜなら、車道はマイカー規制があり、夏期の期間でも観光バス、タクシー、自転車しか通常通行出来ません。ですから、この日の為だけに開放されたコースといえます。二つ目はなんと言っても折返し地点手前の大雪渓です。壮大な雪壁は普段なかなか見れるものではありません。

ゴール地点を過ぎた後の景色が綺麗!

7km地点の三本滝レストハウス前が最終的に30km地点=ゴール地点ですが、最初の給水地点で2回目のトイレ地点でもあります。スタートから7km上り続けてもまだ11.5kmも上り続けなければなりません。気が遠くなりますが、8kmを過ぎた辺りから下を見てみるとご覧の通り綺麗な光景です。

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ここも写真の撮影ポイントです。一休みするにはちょうどいい場所ですね。皆さんせっせと上り続けています。(ちなみに私も撮影しながら黙々と走っています。。)

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途中途中に自然を感じさせる小川や森林が気持ちよく、6月の時期とあって緑が色づいていてマイナスイオンが感じられそうな乗鞍高原です。ずっと上り坂で疲れてしまうのですが、リラックス出来る要素も多く、途中途中で歩いたり、小休止しながら折返し地点を目指すのがいいかもしれません。

箱根駅伝を思わせるくねくね道…

10kmぐらいから折返し地点まではひたすらくねくね道のヘアピンカーブの連続です。まるで自分が箱根の上りランナーになったかのような疑似体験をしているようです。しかし、我々が目指すのは芦ノ湖ではなく、大雪渓であります。と、考えていたところ、そろそろ白い色付きが向こうの方に見えてきました。ここまで来ると気温も10℃前後ぐらいでしょうか。なかなかの所までやって来ました。

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大雪渓!といかないまでも…

今年は温暖化の影響からか、例年に比べて雪壁の高さが物足りないようでした。例年であれば見上げるぐらいの高さのようです。ちなみに昨年は大雨のため、この標高まで行かずに途中で折り返しとなりました。大会当日の天候に恵まれることと、大会までの雪渓のコンディションを保つことが必要であり、大雪渓を目の当たりにする為にはこれらの運が必要といえるでしょう。

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とはいえ、この季節に地上では中々見れるものではありませんので、その雄大な白さを十分に感じ取りましょう。ほとんどのランナーがここで足を止め、記念撮影をしているようでした。

折返し地点での温かいエイドサービス

18.5kmの折返し地点では、それまでの苦労を忘れることの出来るような素晴らしいエイドサービスが待っています。

給水やトイレはもちろん、バナナにクリフバー、キュウリや長野県らしく野沢菜あぶら炒め等、枯渇したエネルギーをまた蘇らせてくれる給食があります。スタッフも笑顔で励ましてくれるので、一気にフル充電できます。標高2700mと気温は低いのですが、とても温かいエイドサービスなので、そんなことも忘れてしまうぐらいの盛り上がりです。例年ここは渋滞しますが、折角ここまできたら写真でも撮りながらゆっくり小休止するのがいいでしょう。

終わり良ければすべて良し

苦しかった上り道もこれで終わりです。
残り11.5kmあるとはいえ、全て下りですので、ほとんどの人が笑顔で下ってきます。今までの苦しい道程から開放された開放感というか、安堵感というのでしょうか。それに加えて、今回は殆どのランナーが折返し手前の大雪渓を見ることが出来て、満足の様子でした。30kmというなかなか長く険しい道程ですが、最後は笑顔でゴールする人ばかりでした。

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終わり良ければすべて良し、といったところでしょうか。そういった点もこの乗鞍天空マラソンのいいところなのかもしれません。ぜひ皆さんも乗鞍天空マラソンで素晴らしい山の顔を見て、その魅力を感じてみてはいかがでしょうか。最後は笑顔でゴール!すると、あら不思議、それまでの苦しい時間も忘れることが出来るかもしれないですね。オススメのマラソン大会です。

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