ランニング禁止? 『ライオン・キング』舞台をラントリップ
Aug 08, 2019 / COLUMN
Aug 08, 2019 Updated
「みなさん、ここにはライオンやハイエナがいるので、ランニングは禁止です。大変危険なので団体でもダメです」
みなさん、こんにちは。待望のディズニーの『ライオン・キング』がついに日本で公開されますね。今回は『ライオン・キング』の舞台となった、アフリカ東部でのラントリップをライター戸上がリポートします!
私たち日本人ランナーにとって、アフリカは地理的にとても遠くに感じる一方、大学駅伝でアフリカ人留学生ランナーがごぼう抜きしたり、東京マラソンでアフリカ勢が圧倒的な強さを見せたり……意外とアフリカを意識する機会は多いのではないでしょうか。あの神野選手もケニアで合宿をしているとか。
噂によると、ディズニーは1994年に公開されたアニメ版『ライオン・キング』の制作準備のため、アニメーターをケニアの国立公園に送ったそうです。今回訪れたのは、ケニアのお隣の国、タンザニア。有名なセレンゲティ国立公園やキリマンジャロを始め、美しいビーチ、エメラルド色のインド洋、マサイ族の伝統文化など、豊かな自然やユニークな文化に恵まれている観光客に人気の国です。
ランニング禁止
今回はタンザニア内陸部のルアハ国立公園からリポートする予定でしたが、到着早々、冒頭の通り、ライオンやハイエナを始め、キリン、ゾウ、ヒョウ、カバ、ヒヒ、イノシシなど様々な野生動物が生息していて大変危険なため、ランニングはもとより、単独行動は一切禁止でした。国立公園内には、人と動物を隔てる柵がないので、残念ながら一人でトイレに行くことさえできず、キャンプサイトには24時間警備員が張り付いていました。
ライオン・キングに登場する “Hakuna Matata (ハクナ・マタタ)” というフレーズは現地スワヒリ語で「大丈夫、問題ない」という意味です。このポジティブスピリットにあやかり、計画を変更してルアハ国立公園の敷地外にあるイリンガという町を走りました。
イリンガは首都から車でおよそ7時間の内陸に位置し、標高1600mの山の中にあります。ルアハ国立公園の玄関口であり、農業が盛んな内陸部の経済の中心地でもあります。
赤土のトレイルラン
内陸部は主要な道路のみコンクリートで舗装されているため、ランニングコースはトレイル。土に含まれるミネラルにより、土は赤色です。まさにライオン・キングの世界! イリンガは山の中にあるため、朝晩は上着とスカーフが必要なほど冷えこみ、ランニングには最適な気温でした。2通り試したコースは、どちらもアップダウンがとても激しく、「こんな環境でトレーニングをしたらどれだけ身体能力が上がるだろうか……」と考えながらハードな上り坂を歩いて登りました。
野生のコーヒーとバナナの木を発見!
驚いたのは、見たことのない植物が道のすぐ脇に生えていること。地元の友人が「あれがコーヒーの木だよ」と教えてくれました。馴染みのある茶色い豆ではなく、初めて見る野生のコーヒーの木には、赤や緑色の豆がなっていました。
ローカルランナーは?
タンザニアは、日本や欧米諸国と比べて市民ランナーの数が少なく、ランニング文化があまり浸透していないような印象を受けました。1か月生活した中で、首都ダルエスサラーム以外では一度もランナーを見かけませんでした。代わりに、現地ではサッカーがとても人気で、子供から大人まで多くの人がサッカーを練習していました。
以上、タンザニアのレポートでした。ライオンが生息する国立公園の中では走れませんでしたが、条件が整えば、いつでもどこでも走れるのがランニングの魅力。この夏も色々な場所でランニングを楽しみましょう!