「侍の格好をしたアンパンマン」や「刀を持つダダ」、仮装をしていないとスタート時に浮いてしまうレースとは

群馬県安中市で2016年5月8日(日)に「第42回 安政遠足侍マラソン」が開催されました。同大会は、仮装ランナーにとっては御馴染みの大会で、7月に開催される「小布施見にマラソン」、12月に開催される「年の瀬マラソン in 所沢」と並んで、「日本三大仮装マラソン」と言われています。

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遠足 (とおあし)の由来

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安政遠足 (とおあし)侍マラソンを紐解く前に、遠足について触れておきます。

時は安政2年 (1855年)、安中藩主の板倉勝明は、50歳以下の藩士96名を1ヶ月間もの間、16回に分けて安中城門から熊の権現の間の七丁七里 (約28.3km)の峠道で徒競走を行いました。藩士の心身鍛錬のために走らせたこの行いを、「遠足 (とおあし)」と呼びました。そして、その記録や着順を争い、それらを組織的に管理・記録していました。これが日本におけるマラソンの始まりと言われています。このように日本のマラソン発祥の地で開催されるマラソン大会には、当時の遠足の面影を残す、峠コース(28.97km・定員350名)と、関所・坂本宿コース(20.15km・定員1650名)の2コースがあります。スタート地点は安中城址(武家長屋)です。そこから、ひたすら上っていきます。峠コースは、軽井沢の手前、県境である熊野神社までの道のりを28.97kmで、なんと1050mも上ります。

遠足を行う侍の仮装マラソンだったが・・・

そのようなこともあって、昔の藩士に倣って武士や侍の格好をして走るマラソンとして、地元・群馬県のランナーを中心に特色のあるマラソン大会として回数を重ねていきました。やがて、それらの仮装が「拡大解釈」され、日本の仮装ランナー達に火をつけることに。そして、今となっては参加者の約半数が何かしらの仮装をして走る大会として有名になり、日本三大仮装マラソンの一つと呼ばれるようになりました。

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アンパンマンも侍の格好をして・・・

近年では、武士や侍以外の格好をしていても、ちゃっかり刀を持っていたり、兜を被っていたりと、仮装ランナー達にも何かしらの工夫が見られています。これぞ、安政遠足侍マラソンの最低限のマナーといったところでしょうか。

速さだけでなく仮装賞も競う!

ユニークな仮装が目を引くのはもちろんのこと、仮装の巨匠達のそのクオリティの高さには驚きを隠せないことでしょう。何しろ、仮装賞を獲るために本気になっているランナーも多いのが、この大会の特徴。

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関所・坂本宿コースで仮装賞を獲得したモナリザの絵画と巨大観音様

例年、峠コースが定員が350名と少ない為にすぐにエントリーが埋まってしまいますが、そんな難コースに挑む仮装ランナー達のゴール前での気迫も見ものです。仮装賞は峠コースと関所・坂本宿コースとで分かれて審査されます。関所・坂本宿コースは1650名の参加者と、その仮装ランナーの割合の多さから仮装賞を取るのが至難となっています。ですから、仮装初心者の方は峠コースで仮装賞を狙う、というのもいいかもしれませんね。ただし、峠コースは1050m上る、難コースですが。。

実際に走ってみると。。

スタート前から異様な雰囲気です。それもそうです、仮装ランナーばかりがスタートラインに立っていますので、むしろ、自分が仮装していないランナーなら浮いてしまうかもしれません。。

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「「侍の格好をしたアンパンマン」や「刀を持つダダ」、仮装をしていないとスタート時に浮いてしまうレースとは」の画像スタートしてからは沿道の大きな歓声が!!沿道で応援する人もランナーの仮装を見て楽しめますから、喜んで応援していただけます。自分が、コレは面白い!と思った仮装ランナーの後ろを追ってみたり、一緒に記念撮影するのもアリです。峠コースは20kmを過ぎると山道。声援も少なくなります。また、衣装のせいでしょうか、蒸れる等の苦しさは普段のマラソンにはない苦悩かもしれません。完走したときは、仮装ランナー同士でそういった苦労話をしながら、意気投合するというのもこのマラソンの特徴でしょうか。私はお面を被って、峠コースを完走しましたが、蒸れすぎて普段かくことのない濃厚な汗をかいて脱水寸前までなりました。皆さん、水分補給は確実に行いましょう。

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中にはこんな人も。。

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レース前。入念にメイクを施します
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ウルトラマンのダダです。真ん中はレディー・ダダです・・
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刀を持っていますが、侍とはかけ離れています・・

明日にはあなたも仮装デビュー?

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皆さん、どうでしたでしょうか。まだ仮装をしたことのない人でも、仲間みんなで仮装!!という集団も多く見られますので、この大会では気軽に仮装にチャレンジ出来ます。仮装ランは、一度やるとその独特な面白さからやめられないもの。あなたのランニングの歴史に「仮装ラン」を刻んでみてはいかがでしょうか。

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