遊び上手が集う場所。 キャンプしながらのマウンテンレース「OMM LITE」

「遊び上手が集う場所。 キャンプしながらのマウンテンレース「OMM LITE」」の画像

今年も長野県・白馬でキャンプイベント『OMM LITE/BIKE HAKUBA 2019※』が開催されました(昨年の様子はこちら)。OMM LITEは、トレイルとロードのロケーションを楽しみながら、マウンテンレースに必要なナビゲーションスキルと経験を学ぶ機会が得られるレースです。また、夏の白馬を堪能できる最高のキャンプイベントでもあります。

※OMMは、現在のアドベンチャーレースの起源にもなったイギリス発祥のレース。その初開催1968年(当時は、有名ブランドKarrimorが主催していたKarrimor International Mountain Marathonが大会名)。名実ともに世界最古と言える山岳耐久レースですが、その特徴は走力のみならずナビゲーション能力や野営技術など、まさに“山の総合力”が試されルところ。ゴールまで決まったコースはなく、エイドポイントもありません。選手たちは地図とコンパスのみを頼りに、自分たちでルートを探る必要があります。すべて自身の判断による行動を求められるイベント(主催者は、レースではなくイベントと呼ぶ)なのです。

今回参加したOMM LITEは、その名の通り“ライト版”。オリエンテーリング出身のアスリートのみならず週末ハイカーまで、誰でも参加できるイベントです。初めて参加される方は、イベントをより楽しめるようコンパスワークの事前講習を受けることをオススメします。なお、OMM LITEの特徴として、自転車に乗って得点を競うBIKEカテゴリーもあります。

今回、双子ランナー・高橋兄弟が参加。その様子をお届けします。同イベントには、前日に会場入り。

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手慣れた手つきでタープ・テントを張り、3日間のベースが完了(今年はペグが刺しやすかった)。直ぐさま(イベント会場がスキー場のため)併設のゴンドラに乗り、ある会場へ。アルプスの絶景を望む天空テラスでJazz Nightが特別開催されているのです。

北アルプスを一望できる大パノラマの天空テラス 『HAKUBA MOUNTAIN HARBOR』が昨年秋にオープン。北アルプスの大絶景とジャズの生演奏という、特別な空間が用意されていたのです。曇天のため北アルプスの景観は隠れていましたが、白馬ビールと贅沢な音楽の時間を堪能できました。

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しばらくすると日も落ち、肌寒くなってきたので、我々取材チームは先にイベント会場へ戻り、マップを眺めながら夕食を。大会前日から、OMMの魅力でもあるキャンプを楽しむことができました。

マップはこの通り。

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今回は、2017年と2018年がミックスされた“白馬の山も町も楽しめるエリア”で組み立てられた印象(2017年はイベント会場から北方面が広く、2018年は南方面が広く取られていた)。およその見当をつけ、翌日のレース直前に配布される得点表を楽しみに待つ。

いよいよ OMM LITE/BIKE HAKUBA 2019 の当日。起床すると、不安視していた雨は降っていませんでした。朝の草木の香りとともに、朝食とコーヒーと。そんな中ぞくぞくと集まるコンペティター。周りを見てみると、家族連れや男女ペアのグループが比較的多いような印象。和気藹々とした雰囲気で、緊張感も昨年よりライトに……?

今回は、遊びながらみんなで話せる新型コミュニケーションツール『BONX』というワイヤレス通信機』(イヤホン)を採用。独自のイヤフォンとアプリを組み合わせて使うことで、距離無制限で最大10人まで同時に話すことができる優れもの。防水機能や、風切り音と話し声を切り分ける機能が搭載。

“グループで出掛けるが、個人行動が伴うスポーツ”に最適で、スノーボードやスキー、サバイバルなどで利便性を実感するでしょう。今回はレースには参加せず、キャンプに専念するメンバーとのコミュニケーションに役立てました。現状の報告や応援がリアルに交わされるので、待っている方もイベントに参加した感覚が得られるのです。これはいいですね。

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朝からそんな画期的ギア『BONX』で遊んでいると、レース開始30分前に(9:30)。
例年通りブリーフィングがスタート。10分後(9:40)には、待ちに待った得点表が配布されました。

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走り出していないけど、もうレースはスタートしたと同じです。自分たちで得点表とポイントを照らし合わせてコースを設定。今回は、藪こぎする積極的ルートを設定した双子チーム。さて、どうなることやら。

「5…4…3…2…1…スターーートォ!! いってらっしゃ〜〜〜い!!」

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ランナーもバイクも一斉スタート。

取材チーム同様、北へ向かうコンペティターが多く、はやる気持ちを抑えながらペースを調整。ちなみに取材チームの設計ルートは、CE→AD→DF→DL→CN→BL→AC…と、時計回りの高得点狙いのルート。目標は500ポイント(昨年400ポイント弱)。

すぐに最初のCP(コントロールポイント)を発見。2つ目のCPも獲得。次のCPで通り過ぎるも許容範囲のミス。悪くない滑り出しです。しかし、DAY1の本番はここから。藪こぎルート(DF→DL)です。

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わかってはいましたが、流石に短パンは痛い!! 藪こぎ中、この痛さをBONXで伝えたものの、火起こしに躍起になっていたのか力無い声援が。そっちはそっちで忙しいのね。

ここで抜かれたコンペティターに追い付き、そして、引き離すことに成功。山頂へ到着し、本格的な山登りは終わり。あとは得意なダウンヒル。スピードを上げた状態でCPを攫っていきました。

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その下山後は北東エリアを順当に攻め、南下。ここまで追い抜かれるコンペティターもなく、ほぼ独走の印象。すれ違うは、BIKEのコンペティターのみ。それに加え、目標としていた500ポイントを達成!「トレーニングを積んできた甲斐があったなぁ」と、努力が報われた気持ちでいっぱいになる一方で、「俺たちでこれだけ回れるってことは、ベテランペアは、もっと獲っているんじゃ……」と不安に。しかし、我々の走力はほとんど残っていません。

「どうする? 500ポイントも獲ったし、よしとするか? ただ、まだ20分弱あるよな……」と逡巡し、ペアで下した決断は、「あともう1つ獲る!」。

目前のゴール(イベント会場)を通り過ぎ、2km弱先のDHへ。普通に計算したら余裕を持って間に合いますが、足は既に攣りかけており、必死の思い。歩みを止めることなく走った結果、ラストのCPを無事獲得! 無事制限時間5分前にゴールできました。

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お互い、ハイタッチ! やりきった達成感と疲労感が全身を包みます。その後、イベント会場に近い温泉で汗と疲れを流して戻ってくると、リザルト速報が貼られていました。確認すると、なんと総合2位。予想だにしていなかった暫定順位。疲れているはずなのに、高揚感で笑顔がこぼれる?

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その後は、ゆっくりとテントサイトでBBQの準備に取り掛かり、新鮮なお肉と野菜でエネルギー補給しました。ここまでのスムーズな段取りも、BONXがあったからこそ! 他コンペティターのテントでも、家族連れやグループが楽しく贅沢な時間を過ごしていました。

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そして、2日目の朝6時。ほどよい疲れとともに目が覚め、7時には、大会側で用意してくれたお弁当をおいしくいただきました。この日は、一日雨予報。しかし、スタート前には止んでいました。

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スタート20分前(8:40)に、DAY2の得点表が配布されました。南東エリアに高得点が配点されるかと思いきや、南西エリア~北東エリアに高得点CPが伸びて散らばっていました。DAY2は“ロードの走力が揃ったペアが有利”、かつ“白馬の町を楽しむ”ように組み立てられたのがわかります。

DAY1で使い切った脚を心配しつつも、そんなのは言い訳にしかならないため、総合2位を絶対死守!

「5…4…3…2…1…スターーートォ!! いってらっしゃ〜〜〜い!!」

取材チームの設計ルートは、CE→DE→DN→AE→DH→AG→CH→DK と同じく時計回りの高得点狙いのルート。目標は、制限時間が1時間少ない中、500ポイントにいかに近づけ、合計1000点を超えること。街の風景を楽しみながらも、一心不乱に走りました。

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マップの下半分(南エリア)は、基本的にわかりやすい場所にCPが設置されているため、順当に獲得。

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あっという間に、残り1時間弱。この時、イベント会場近くのDHまで帰ってきていましたが、想定していたよりも時間に余裕があったため、イベント会場西側にある山エリアにあるAFとCGを狙うことに。

狙いを定めるまでに口げんかが発生しましたが、これは“OMMあるある”の一つ。互いに共通していた「総合2位を死守したい」という想いから、力を振り絞ることに。ゼーハーとバテながらも、無事、制限時間内に2つを獲得。結果1000点を超え、1010点と目標達成。ハイタッチを決め、気持ちよくFINISH!

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全てのコンペティターがFINISHし、最終結果発表。なんとラントリップチームは「男子1位」、「総合2位」という結果を残すことができました! これには2人揃って満面の笑み! 踏ん張った甲斐がありました!

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この3日間を通して、取材チームが感じたことは、OMM LITEが“よりイベント化”し、“参加者の質が変わった”こと。昨年は150チームのエントリーで、今年は160チームと微増していますが、レベルはイベント名通り“LITE寄り”になった印象。昨年はいわゆる「ガチ(経験者)」の強いペアが複数あり、 今回の1010点でも総合7位。入賞すらできない、ハイレベルなものでした。

一方で、今年は純粋に「白馬を楽しむ」「キャンプを含めて楽しむ」といったファンチームが多くなった印象。家族連れが増え、そして、レース中の笑顔も増えたのではないでしょうか。

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この変化は、ポジティブなことなのでしょう。このイベントは、参加者に全て委ねられているからこそ楽しめるのです。ガチに入賞を目指す者、それなりに入賞を目指す者、わからないなりに地図読みを楽しむ者、キャンプサイトの時間を贅沢に楽しむ者……、参加者それぞれに楽しみ方があり、どれも正解なのです。自然を堪能していることには変わりはないですから。

大人が童心を取り戻して、笑ったり、怒ったり、落ち込んだりしながら大自然を楽しめるイベント。来年もOMM LITE/BIKE HAKUBA は開催されるようですよ。

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