走り終わってもまだ1日が始まったばかり。夏の早朝ランについて

ぼくの家の周りでは、夏休みになると、早朝に高校生が集団で走っている姿をあちこちで見かけるようになる。秋から始まるレースに向けて、どの高校でもクロスカントリー走部が夏のトレーニングに入るからだ。亜熱帯化していると言われる日本の夏に比べたらマシな方ではあるけれど、ここ南カリフォルニアも最高気温が30℃以上になることが多く、日中は暑すぎて、走るには適さない。だから、どの高校のクロスカントリー走部も夏の間は比較的涼しい早朝の時間帯に練習をする。

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我が家の生活パターンは、この高校クロスカントリー走のスケジュールとは切っても切れない関係にある。ぼくは、ある私立高校でクロスカントリー部のコーチをしているし、高校3年になる息子は近くにある別の公立高校で、やはりクロスカントリー部の現役ランナーなのだ。どちらの高校でも、練習は朝7時に始まる。ぼくが6時半に家を出て車に乗り込む頃、息子も自転車で自分の高校に向かう。それぞれの練習を終えて帰宅してから、一緒に朝食を食べるのが9時過ぎだ。

夏休み期間中の練習をサマー・キャンプとかプレ・シーズンとか呼ぶけれど、やっていることは早朝ジョグとあまり変わらない。最初のレースまで数か月あるので、まだスピード云々の段階ではなく、この時期はただひたすら長い距離を走るのが練習の殆どだからだ。高校クロスカントリー走のレースは距離が約5キロなのだが、この時期の練習ではそれよりもっと長い距離、大体10~20キロぐらいを走ることが多い。タイムやペースはあまり気にしないで、とにかく長距離を走るための基礎体力を作ることが狙いだ。ぼくがコーチをする高校は月曜から金曜の週5日、息子の高校は月曜から土曜までの週6日練習する。

高校生の部活動だから、毎年新入生が入ってくる。その中には、それまで長距離を走った経験がなく、始めは1キロも走り切れないような生徒もいる。だが、高校生の成長は速い。そんな生徒でも、ひと夏の練習を過ぎた頃には、とりあえず10キロぐらいを歩かずに走れるようになるものだ。無論、途中で辞めずに続けたら、の話ではあるのだけれど。

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コーチにも色々な人がいて、その指導方針もまた様々だけれども、ぼくの場合はとてもシンプルだ。生徒と一緒に同じコースを走る、それだけだ。他のコーチがよくそうするように、自転車や車で伴走したりはしない。だから、夏の間はぼくも彼らと一緒に毎朝走ることになる。皆から遅れた生徒の様子を見るためにコースを引き返したりすることもあるので、走行距離はむしろぼくの方が彼らより長い。

大変だね、と言われることもあるけど、元々走ることが好きでこの仕事をしているわけだから、そのことは少しも苦にはならない。毎朝5時に起きるわけだけど、それもぼくにとっては大した問題ではない。昔から寝起きはとても良いのだ。目覚まし時計をセットしても、大抵はそれが鳴る前に自然に目が覚める。何か努力をしてそうなったわけではなく、たまたまそのような体質に生まれたようだ。

もう1つの仕事であるクロスフィットのジムでは、以前に朝5時から始まるクラスを担当していたことがあるけれど、ちゃんと毎朝4時半にはジムを開けていた。仕事でも学校でも、寝坊して遅刻したという経験は全く記憶にない。履歴書の特技欄に早起きと書きたいぐらいだ。

高校生にとっては、せっかく学校が休みなのに、毎朝早く起きなくてはいけないのは、少々つらいことなのかもしれない。練習前に集合するときは、眠そうな顔をいくつも見かける。どんなにやる気がある生徒でも、思わず寝坊や2度寝をしてしまって、練習を休んでしまうときもある。その辺は息子を見ているとよくわかる。だから自分の生徒が練習を予告なしに休んでも、腹を立てないようになった。保護者からは、夏休み中でも規則的な生活が(強制的ではあっても)できることを感謝される。特異体質も人の役に立つことはあるのだ。

   
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