ランナーの熱中症対策にスイカ。疲労回復や血管の若返りにも

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梅雨から真夏へと移りゆく季節。気温が急上昇し、汗をかく時期になりましたね。そんなときこそ「外側からも内側からも、しっかりとケアをしてコンディションを整えたい! 」というランナーは多いはず。

Runtrip via Nagatacho で、月替わりのランナー向け“美味しい優しい『朝ごはん』”を提供している、国際中医薬膳師でフードコーディネーターの荒井直子さんが『ランの前後に摂るといいオススメ食材』を紹介する連載です。

7月のテーマは、熱中症対策にオススメの食材『スイカ』。

熱中症対策に『スイカ』

もうすぐ真夏! 夏休みの計画と共に、ラントリップを考えている方も多いのではないでしょうか。
強い日差しや気温から身を守り、楽しくランを続けるために、様々な工夫をしていると思いますが、熱中症対策として私がおすすめするのは『スイカ』です。

スイカに含まれる栄養素

スイカには、豊富なカリウムが含まれます。カリウムには、ナトリウム(塩の主成分)の排出を助けるという働きがあり、ラーメンや牛丼、濃い味付けの料理をよく食べる人の強い味方です。利尿作用があるので、むくみやすい人にも、おすすめです。

スイカの赤色は、トマトと同じくリコピンの色です。リコピンは強い抗酸化力があり、走った時に生じる活性酸素を除去する助けをしてくれるので、積極的に摂ってほしい栄養素のひとつです。

薬膳ではどういう食材?

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薬膳では、スイカは暑さから身を守り、からだの熱を冷まし、喉の渇きを潤す食べ物といわれています。スイカは成分の90%が水分なので、喉の渇きを潤す食材というのは、その通りだと思います。
また、利尿作用があり、むくみを予防してくれる食べ物ともいわれていますが、これは、栄養学のカリウムの働きと同じ考えだと思われます。まだ現代の栄養学がない時代、3千年も前に、人々は体感として知っていたんですね。

冷やす力が強い食べ物なので、熱中症対策にはぴったりの食材ですが、胃腸が冷えやすい人は食べる量に注意しましょう。

スイカは皮も食べられる⁈

スイカは、皮の白い部分も食べることができます。
薬膳では、皮は実より冷やす力が強いと言われています。また、疲労回復や血管の若返り効果が期待できる『シトルリン』という成分が実より多く含まれるので、健康維持に上手に活用したいですね。実のような甘さはないので、漬物やピクルスにするのがおすすめです。

熱中症とは

ここで、改めて熱中症について、おさらいをしておきましょう。
熱中症は、暑さに身体が対応しきれなくなったことで起こる様々な症状の総称です。いつもとは違う、顔のほてりやめまい、立ちくらみ、足がつる、頭痛などの症状があれば、熱中症の可能性があります。ひどい場合は死に至るので、初期症状を見逃さないようにしましょう。

熱中症の予防には『塩』も大切

熱中症の予防には、普段の体力づくりに加え『睡眠をしっかり取ること』『水分をこまめにとること』などが大切ですが、これらは既にご存知だと思います。ひとつ、見逃しがちなことは、『塩(ミネラル)』をしっかり摂ること。スポーツドリンクなどで上手に補っているランナーが多いと思いますが、甘い飲み物が苦手で水を飲むランナーもいるのでは。汗によって失われたミネラルの補給を怠ると、熱中症になりかねません。私自身、真夏に汗をかき過ぎて、両足をつった経験があります。水はたくさん飲んでいたのですが、ミネラルを補えていませんでした。当時は知識が不足していたなぁと思います。今年も酷暑が予想されますので、皆さんにも気をつけてもらいたいと思います。

スイカに塩は理にかなっている

スイカに少量の塩をかけて食べるのは、甘みを強く感じられるというだけではなく、熱中症予防のミネラル補給におすすめです。また、「スイカは冷やす力が強いので、冷やし過ぎないように塩をかけて食べる」とインドのアーユルヴェーダの先生に教えてもらいました。スイカに塩は理にかなった食べ方なのです。

スイカの切り方におすすめはある?

最後に、スイカの切り方。スイカは中心部分が最も甘いので、常に尖った中心部分に包丁を入れるようにすると、全てのカットに甘い部分が行き渡ります。

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この切り方だと、中央のスイカを受け取った人だけが一番甘いところを食べられる
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この切り方なら、全員がひと口目に一番甘い部分を食べられる

夏はもう間近。気温も湿度も上昇する時期。
熱中症対策におすすめの成分を多く含む『スイカ』を積極的に摂ることで、カラダの内側からケアをしてRuntripを楽しみましょう!

(写真 福田邦久/フードスタイリング 平岩紗千代)

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