ランナーの風邪予防に『ねぎ』。体温・免疫力のアップにも。
Dec 10, 2019 / FOOD
Mar 04, 2020 Updated
12月に入り、各地で雪の便りが聞かれるようになりました。冷え込む日が多い時期だからこそ「外側からも内側からも、しっかりとケアをしてコンディションを整えたい! 」というランナーは多いはず。
国際中医薬膳師でフードコーディネーターの荒井直子が『ランの前後に摂るといいオススメ食材』を紹介する連載です。11月は、疲労回復にオススメの食材『アーモンド』をご紹介しました。
12月のテーマは、風邪予防にオススメの食材『ねぎ』をご紹介します。
風邪やインフルエンザの予防には断然『ねぎ』
今年は暖冬で、例年より暖かい地域もありますが、空気は乾燥し、通勤電車ではマスクをしている人が増えましたね。インフルエンザも、すでに各地で流行が始まっているようです。
ランナーの皆さんは、日ごろから健康に気をつけていて、風邪など滅多にひかない元気な人が多いのですが、過信して体調を崩し、楽しみにしていたラントリップをあきらめることがないよう、対策はしっかり行いたいものです。
からだを内側からケアする時の大事なポイントは、以下の3つです。
- からだを温める
- 免疫力を上げる
- 粘膜を保護する
ねぎは、1から3すべてに効果を発揮します。
にんにくと同じ『アリシン』の効能
ねぎの効能として『アリシン』という成分が有名です。
アリシンは、にんにくやニラなどにも含まれるスタミナアップにおすすめの成分。でも、それだけではなく、抗酸化作用や抗菌作用もあるので、からだをサビからも菌からも守ってくれます。また、血行を促進してくれるので、冷えからくる筋肉のこわばりといった症状からも、からだを守ります。
ランの前後に食べるというよりは『冬の間、常に意識して食べておく』という方法がよいと思います。毎日少しずつ食べることが理想なので、お味噌汁やスープ、鍋料理や麺類の薬味、焼き鳥のお供など、思いついたら食べるようにしてください。
ねぎと味噌を合わせた『ねぎ味噌』をまとめてつくっておくのもおすすめです。小分けにしておけば、即席味噌汁としても活用できます。
作り方を最後に紹介するので参考にしてください。
ねぎは、色で効能が違う
ねぎは、青い部分と白い部分で効能が違います。
白い部分には、アリシンのほか、ビタミンCが含まれ、風邪予防におすすめです。
風邪などのウィルスからからだを守るには、粘膜をよい状態で維持することも大切ですが、ねぎは緑の部分にβカロテンを含むので、皮膚や粘膜の健康維持にも効果を発揮してくれます。
また、ねぎの青い部分に含まれる粘液を摂取すると、免疫系が活性化すると言われています。
白い部分も青い部分も両方食べて、病気に強いからだを目指しましょう。
薬膳ではどういう食材?
ねぎは、薬膳では「かだらを温めてカゼなどの邪気を追い出し、冷えてかたくなった部分をほぐし、胃の調子をととのえる」効果のある食べ物と言われています。
冬は、寒さによって血の巡りが悪くなりやすく、ギュッとからだに力が入って筋肉なども縮こまりやすいのですが、ねぎには、からだを温め、ギュッと縮こまった状態をほぐす効果があります。これは、栄養学で言う『アリシン』の効能そのものです。
昔の人は、今のように科学的に栄養が解明される前から、体感として知っていたんですね。こうして現代の科学と昔の人の知恵がリンクしていく……薬膳の面白さは、そのあたりにあると私は思っています。
おすすめの組み合わせや調理法
ねぎは、刻むと辛味が出ます。辛いのが苦手という人は、長いままフライパンやオーブントースターで焼いて食べるのがおすすめです。じっくりこんがり焼くと、ねぎ本来の甘みが引き出され、醤油やお塩を少しふりかけただけでも、美味しくいただけます。
また、冬のねぎは甘みが強いので、スープにするのもおすすめです。私がよく作るのは、ねぎと鶏もも肉のスープ。味付けは、シンプルに塩・胡椒だけ。ねぎがとろっとやわらかくなるまで、弱火でコトコト、ゆっくり煮込むのがポイントです。コツはそれだけなので、ぜひ作ってみてください。
からだが乾燥気味で熱がこもりやすい人は、ねぎなどの発汗作用のあるものを食べ過ぎると、かえって調子を崩す場合があるので、量は控えめに摂取しましょう。豆腐や海藻類と一緒に食べると不快な症状を和らげることができます。味噌汁や鍋物に豆腐と一緒に入れる、ワカメの酢の物を一緒に食べるなどの工夫をしてみてください。
咳が出やすい人は、粘膜を保護する人参やれんこんとの組み合わせがおすすめです。インフルエンザの予防なら、私はねぎとみかんのセットが最強だと思っています。からだを冷やしてしまったあとは、生姜やにんにくと組み合わせて食べてください。
『ねぎ味噌玉』の作り方
【材料】 つくりやすい分量
・味噌 50g
・ねぎ 50g
・生姜 1かけ
【作り方】
ねぎはみじん切り、生姜はすりおろして、味噌とよく混ぜる。
☆お椀に大さじ1杯分を入れて熱湯をそそぐと、即席みそ汁に
☆肉野菜炒めや、野菜炒めの調味料として
☆きのこスープの味付けに
☆マヨネーズと混ぜて、野菜のディップに
冷蔵庫で2週間くらい保存できます。
冬本番になる季節、ねぎで内側からケアしながら、元気にRuntripを楽しみましょう!