参加者91人。景色を楽しみながら、のんびり走る、つもりだったトレイルラン・レース

レースを主催しているのは『Into the Wild』という団体だが、おそらくメインで運営しているのはオーナーの夫婦2人だ。南カリフォルニアにはトレイルランのシリーズがいくつかあって(多分、アメリカの他の場所でも同じだと思う)、それぞれが年に何回かレースを開催している。

この人達は市当局からの許可をとり、スポンサーを探し、コースに目印をつけて、ボランティアを手配し、その他諸々の面倒な手続きを一手に引き受けて、普段は入れないトレイルでレースを開催してくれる。そのおかげで、ぼくらランナーは道に迷う心配もなく、エイドステーションで水や食べ物の補給を受け、安心して見知らぬトレイルを走ることが出来る。本当に頭が下がる思いだ。どれだけ利益が出ているかはわからないけど、トレイルランが好きじゃなければ出来ないことだろうと想像する。

トレイルランのレースとロードでのマラソンとでは、参加者の数が大きく異なる。勿論、トレイルランの方がはるかに少なく、せいぜい数百人ぐらいのレースが多い。山の中を走るわけだから、あまり大勢の人が同時に走ったらトレイルの自然は破壊されてしまうだろうし、当然だ。何万人ものランナーが一斉に公道を走る大都市マラソンとは、根本的にレースの成り立ちが違う。

 

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スタート前。この日の参加ランナーは91人。これで全員だ。

参加人数が少ないから、普通トレイルランにはレース前日のエキスポなどはない。レースの当日に会場のテントでゼッケンを受け取る。その場で飛び込みの参加申し込みが出来ることすらある。エイドステーションには数人のボランティアがいるだけだし、途中でリタイアしたくても勿論送迎バスはないから自分で歩いて帰ってこなくてはいけない。コース沿いで応援してくれるギャラリーもいない。

どちらを好むかはランナー次第だろう。ぼく自身は、断然トレイルランの親密さを好む。仰々しいのは、性に合わない。スタート前に周りを見渡すと、この人は自分と同じぐらいのレベルだなと、勝手にその日のライバルを見つけることさえ出来るのだ。

この日のコースは登山に似ていた。前半は主に登りが中心で、中間ぐらいで最高地点に達し、後半はずっと下りで同じ場所に戻ってくる。言うまでもないけど、登りはきつい。最初から登りは歩くと決めている人も多い。ぼく自身は、とてもゆっくりだけど一応は走った。

天気は曇り空で、霧が出ていた場所もあった。だから、楽しみにしていた『オレンジ郡のヨセミテ』の景観をあまり見ることが出来なかった。めったに行けない場所だけに残念だ。気温も低く、走るには絶好のコンディションではあったのだが、そもそもタイムはどうでもよかったのだ。少なくとも、走り始めたときはそう思っていた。

   
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