ゴール後はしばらく立ち上がれない?『UEDA VERTICAL RACE-太郎山登山競走-』に参戦

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長野県上田市の太郎山を舞台とした山岳レース『UEDA VERTICAL RACE-太郎山登山競走-』が、5月3日に開催されました。今回で5回目を迎える本レースは、2つのコース(真田幸村コース、猿飛佐助コース)が用意されており、それぞれ下記の内容となっています。

・ 真田幸村コース:3.7km, 獲得標高D+700m
・ 猿飛佐助コース:5.0km, 獲得標高D+1000m
※猿飛佐助コースは、世界レベルのコース設定

今回は真田幸村コースに出場。バーティカルを一種目としてカテゴライズする『スカイランニング』の定義から、確認しておきましょう。

『スカイランニング』とは、『FAST&LIGHTなスタイルの快速登山』を指しており、更にISF(国際スカイランニング連盟)では、『傾斜30%を超える部分を含み、登攣難易度Ⅱ級 (三点支持を要する)を超えない範囲』のスポーツと、日本スカイランニング協会の公式HPにありました。

バーティカルは『25%の最小平均傾斜があり、ところにより33%傾斜を超えるアップヒル(山を駆け上がる一気登りの)レース』。

なるほど。通常のトレイルランニングとは、一線を画するものであることがよくわかりました。必携装備が防寒用ジャケットのみと、至ってシンプル。念の為に、ソフトフラスクとマイカップも準備する。あとは当日を迎えるのみ。

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朝5時に起床し、北陸新幹線で東京から上田駅に向かいました。天気は快晴。気温も25度まで上がる夏日です。登山道のサーフェイスも最高の状態であることを考えながら、7時頃に上田駅に到着。すぐに、駅前に特設された大会ブリーフィング会場へ向かったのですが、まだ開始まで時間があったので、駅で信州そばをいただくことに。

その間、UEDA VERTICAL RACEの歴史を調べてみました。なんと、その歴史が50年ほど前から。レースの舞台である上田市では、昭和37年〜43年(1968年迄)に『太郎山縦走リレー』という駅伝形式(5区)の大会が6回開催されていたそう。その目的は『市民に忘れられがち』な『太郎山の再認識を計る』こと。今回参戦する『UEDA VERTICAL RACE-太郎山登山競走-』の目的と同じです。時代を超えた繋がりを感じますね。

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大会実行委員長であるプロスカイランナー・松本大さんによる、ルールや注意点の説明や招待選手の紹介があり、出走会場(大星神社)へ移動。

太鼓の演舞が響き渡り、会場が温まっていくのを感じました。我々取材チームの士気も高まってきます。トップランナーらしき選手たちは、他を寄せ付けないオーラでアップを開始し、子ども連れの家族たちは、和気藹々と念入りな準備運動をはじめます。

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取材チームもストレッチをしていると、第一出走者がスタート。
ものすごいスピードで神社の参道を駆けていきました。それに合わせるように太鼓の音も大きくなっていき、地元の人や出走待ち選手からの声援が飛びます。また、それに応える選手の笑顔も印象的でした。

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そして、出番10分前。必携装備のチェックを済ませ、スタートラインに並びます。大会実行委員長・松本MCの合図で、いよいよスタート。

『3・2・1、スタート!  いってらっしゃーい! 』

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燦々と降り注ぐ日光、新緑の匂い。会場の声援を感じながら、参道を走る。

快調に飛ばし、500mほどで山道に。既に軽い渋滞ができており唖然。これでは追い抜くのにも一苦労です。全長3.7kmの真田幸村コースの最大傾斜は、序盤の序盤にあります。中級者レベルと思しき選手たちもパワーウォークがやっとの様子。取材チームは、なんとかリズム良く足踏みをし、駆け上がることに。傾斜が緩いパートでは駆け、急峻なパートではパワーウォークの繰り返しでゴールを目指します。

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後ろから、選手の荒い呼吸の音が聞こえてきました。振り返ると『スカイランニングジュニア』のユニフォームを着ている若い選手の姿が。脇に寄って道を譲り、「これがスカイランニング(駆け登り)の選手レベルか!」と痛感。刺激を受け、『駆け登る』ことに意識を集中させました。乳酸が溜まっていく脚を動かし続けるのは大変です。

ゴールまでの3分の2あたりを登ったところでしょうか、久々に、走ること以外なにも考えていないトランス状態に入ることができました。登山道のサーフェイスの状態、次に脚を置く場所、前にいる選手とのスピードの差と距離についてのみ、考える。すると、いつの間にかラストのパートに差しかかっていました。

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顔を上げると、既にゴールした選手たちが登山道の両脇に列を作り、『最後!  最後! 』『脚を止めるな! 』『すぐそこがゴールだよ! 』と声援を送り、後押ししてくれます。

「なにこれ、部活のとき以来の感覚!  最高! 」

身震いをして、残り少ないパワーを振り絞りました。

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そして、ストロングフィニッシュでゴール!!

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ゴール直後は、脳みそが痺れているような感覚だ。水を片手に、暫くボーっとして仰向けのまま。

ちなみに、バーティカルレースは2人ずつの出走形式で、その間隔は10秒だ。最後のゴールテープを切るまでは、正式な順位がわからない。

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レースの結果は、(真田幸村コース)405名エントリー中30位(35分44秒)。上位10%以内に入ることができ、上々の成績を残すことができた。しかし、トップ選手は、30分を切る29分10秒で優勝。実際に走ったからこそ痛感する6分の差。これは『圧倒的な開き』です。それでも、トップクラスと一緒に走れるのは良い機会になりました。

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今回のレースには、日頃からランニングをしている強者は勿論のこと、地元小学校の低学年の可愛らしい子どもたちから70歳以上の先輩方まで、幅広く参加。地元の人の応援や太鼓演舞もあり、上田市民から愛される太郎山で開催される一大イベントなのです。

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そんな魅力が詰まった『UEDA VERTICAL RACE-太郎山登山競走-』は、来年も開催が予定されています。是非、皆さんも参加してみては ?

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