ランナーに嬉しい!若返りホルモン『マイオカイン』とは
May 31, 2019 / HOW TO
May 31, 2019 Updated
みなさん、どんなことがきっかけで走っていますか?
美容と健康維持が目的でランニング続けている人は、実に “6割以上” というデータもあります。*1
では実際、どんな効果がランニングで得られるか。
今回は、まだ聞き覚えがないかもしれない『あるホルモン』についてご紹介します。
ホルモンとは
『ホルモン』と聞くと、まず焼肉を想像するランナーもいるのでは? 笑
人の体の様々な機能を調節しているのが『ホルモン』です。ホルモンは脳下垂体をはじめ、複数の内分泌腺から分泌される物質で、多くは血液によってほかの組織に運ばれ、様々な作用を発揮すると言われています。*2
その中でも、“筋肉”から分泌される『マイオカイン』というホルモンをご存知でしょうか。
マイオカイン
人の体内には100種以上のホルモンが存在するといわれ、そのそれぞれが決まった役割を果たし、日々体が正常に保たれています。
例えば『暑いと感じ、汗が出る』ことや『体温が下がり、眠いと感じる』ことは実感しやすいですね。『グリコーゲンの糖化(次回のテーマです)』や『骨吸収』を感じることはできないので分かりにくいですが、こういった機能も全てホルモンが関係しています。
それらは脳や胎盤などの臓器から分泌されるということは知られていますが、5年程前に実は筋肉からも分泌されるホルモンがあるということが解明されました。
筋肉から分泌される10種以上のホルモンを総称して『マイオカイン』と呼びます。
マイオは筋肉、カインは作動物質という意味。通称『若返りホルモン』……そんな良いホルモンがあるなんて!!
しかも、マイオカインは主に“下半身の筋肉”から分泌されているそう。これはランナーには有難い!!
脂肪分解や糖代謝アップ、動脈硬化の予防、認知症の予防なども期待できるといわれています。*3
マイオカイン分泌の仕組み
運動により体の筋肉が収縮すると、骨格筋に血液中の糖が大量に取り込まれ、一時的に血糖降下作用が生まれます。それはインスリンに匹敵するほど強力で、糖尿病患者にもこの効果が期待されるそうです。
マイオカインに期待できること
①脂肪の分解を促進
②血圧の安定
③糖糖尿病、動脈硬化その他疾病の予防
なぜランナーは優位なのか
実はこのマイオカイン、 運動することで新しく付いた腰から下の筋肉からのみ、分泌される! という聞き捨てならないポイントが。
腿やお尻など、下半身の筋肉を鍛えるランニングは、このマイオカイン分泌にかなり優位ということ。下半身の筋トレを行ってから、ランニングをするとより効果的だそう。
皆さんも、このマイオカインの効果をちょっと意識して走ってみてはいかがでしょうか?
《参考文献》
*1 インテージ調べ
*2 時事メディカル
*3 マイオカインによる代謝への影響(眞鍋 康子) 首都大学東京人間健康科学研究科ヘルスプロモーションサイエンス学域