「エピック リアクト フライニット」 ”ふわ・かる・びよーん”!? 専門家のレビュー

みなさん、こんにちは。シューズアドバイザー藤原です。

さて、今回は2/22に発売されるナイキ「エピックリアクトフライニット」をご紹介します。

「「エピック リアクト フライニット」 ”ふわ・かる・びよーん”!? 専門家のレビュー」の画像

目指したのは、”ふわ・かる・びよーん” なんて、ナイキらしくないキャッチコピーだなと思っちゃいました。でもこのワードが、確かにシューズの本質を表しているかもしれません。

「「エピック リアクト フライニット」 ”ふわ・かる・びよーん”!? 専門家のレビュー」の画像

「「エピック リアクト フライニット」 ”ふわ・かる・びよーん”!? 専門家のレビュー」の画像
出典:NIKE公式ページ

とにかく柔らかいクッションです。400もの科学的配合の試行錯誤を繰り返した結果、さらにアスリートの動作の分析、新しいデザインなどすべてを一致させ、苦節3年、ナイキが開発した独自素材が「リアクトフォーム」です。ちなみに先行して同社バスケットシューズに搭載されています。とにもかくにも、”柔らかさ”と”硬さ”とも言える、”クッション”と”安定感・高反発”といった相対するものを同時に解決しようとした素材として、「リアクト」は開発されました。

そして、恐らく避けられないのは、ライバルブランド、アディダスの「ブーストフォーム」との比較でしょう。「リアクト」も同様の”ポリウレタン系”の素材だと推測されますが、「ブースト」は、ミッドソール表面が” 発砲スチロール “のようになってしまうデザイン制限があるのに対して、表面がスタイリッシュなデザインで、どうやらデザインや加工の可能性は「リアクト」が一歩先に進んでいるようです。ミッドソールのデザイン、その意匠は、機能性にも関わってきますので、今後の展開も期待大です。

また、反発力と耐久性は、スポンジ構造の従来素材(EVA エチレンビニールアセート)よりも優れていて、同社ルナロンクッショニングと比べても、エネルギーリターン率は13%向上したとか、また、アメリカ「ゲーレン・ラップ」などの選手がテストしたところ、約500km走行した後でも新品同様のクッショニングを発揮したとか、とても機能的な素材であることは確かです。「ブーストフォーム」も含めて、これからのミッドソール素材は、これらポリウレタン素材がリードしていくことは、今回のナイキ参入で間違いなさそうです。

しかし、そんな派手な未来素材アピールやデザイン性にどうしても目が奪われがちですが、ナイキのしたたかさは、”押さえるところは押さえている”点です。例えば、それは、踵部の「安定性」というはずしてはいけないポイント、それをしっかり押さえていることです。機能性重視のランナーは派手な機能性だけでは飛びつきません、実用性がどうなのかというところですよね。

独特なアッパーより少し、いやだいぶはみ出したソール構造の「シューシルエット」、また「ヒールシェルフ」、「ヒールクリップ」と樹脂素材が、うまくコンビネーションして、安定感が必要な場所で、とてもオーソドックスに補っている感じがします。ブーストフォームもそうですが、クッションが謳い文句の素材は、どうしても”安定感”がやや弱点になってしまいますからね。

実際わたしも、履いて走ってみると、着地時にヒール付近にしっかりとした安心感を感じました。そして、同時に、ふわ、かる、び……の” かる”の部分、軽さの謳い文句もなるほど履いてみたほうがもっと感じます。ニットアッパーのフィット感の良さがプラスしていることも追記しておきましょう。

「「エピック リアクト フライニット」 ”ふわ・かる・びよーん”!? 専門家のレビュー」の画像
さて、そのフライニット素材が足の形に沿ってフィットし、包み込みがありますが、サイズ感はそのせいもあるのか、とても小さめに感じます。足幅とか、足囲的タイトさではなく、レングス(長さ)自体がややタイトな印象です。試着時には、いつものサイズ、とそれより上のサイズも必ず試すことをオススメします。

では、ズバリ、どんなランナーに合うか?

やはりそのシューズの反発力を感じるには、ややスピードが出ているシチュエーションが似合いそうです。レース寄りのシューズを期待している方にフィットするでしょう。テンポアップランとして、普段のジョグよりも快調なペースで使用したり、感覚が合えば10km~ハーフぐらいのレースでも良いでしょうね。わたし自身、実際スピードがやや出ているときに快適でした。

これからナイキの中核となる素材として、ミッドソールをリアクトだけで展開するのか、はたまたリアクトにEVAを挟んだ素材にするのか、エピックシリーズを引っ張っていくモデルになるのか、定番のペガサスなどに搭載していくのか、そのあたりの展開はこれから期待したいところです。ですから、いずれにしても、現状、コレ1足ですべてを補うシューズというより、しっかりとした1足ある方のもう1足用と考えた方がいいかなと思います。

出来立てホヤホヤのシューズを” 誰よりも早く体験をしたい “、そんな方に一番オススメしたい1足です。

ナイキオンラインショップURL:https://www.nike.com/jp/ja_jp/

関連記事

藤原岳久が執筆した記事