誰かと競うのではなく自分の力を試す!! 11月の八ヶ岳で開催「OMM JAPAN 2017」
Nov 28, 2017 / EVENT
Apr 26, 2019 Updated
2017年11月10日、長野八ヶ岳麓の滝沢牧場に向かった取材チーム、この大自然に囲まれた会場で開催されるのは「OMM JAPAN 2017」。OMMとは「Original Mountain Marathon」の略で、1968年にイギリスで始まった山岳マラソンイベントです。山岳マラソンって言っても山岳地をひたすら走るわけではないのです。
「このイベントは山岳地を安全かつ正確に行動するための経験、体力、ナビゲーションスキル、野営技術、まさに「山の総合力」が試されます。フィニッシュまでの道筋は選手各々がその時置かれた自身の状況を把握し、自分の技術、体力を見極めながら、前進するか。戻るか。時には過酷な状況下でイベントをやめるか。常に行動の判断を迫られながら導き出します。広大な自然と真正面から対峙しながら、自分の体力、走力、極限の精神状態と向き合いながら、2 日間にわたり繰り広げられるダイナミックな” マウンテンイベント” を体感してください。」
とはオフィシャルサイトからのメッセージ。要するに、山で1泊2日間の生きていくサバイバル力を備え、地図をコンパスで読みながら走り倒すというイベントです(笑)。もちろん、イベント中はスマートフォンの使用は禁止です。
参加するからには負けたくありません!!事前にTrippers主催のOMM JAPAN超直前対策講座(講師は結果的にStraightC優勝者の池陽平)を受講して、万全の準備を整えてスタート地点に向かいました。右が池陽平大先生。
同レースでは、必ず2人1組なので片方が地図を読めたら大丈夫!ということでもありますが、「チェックポイントがどこなのか」「フィニッシュがどこなのか」「自分がどこなのか」わからないまま走り続けるのは精神的に苦しくなるので、2人共地図が読めることが、極限状態でのストレスを軽減してくれます。
本大会のコースは以下の通り
・Straight A:65km –獲得標高3000m , Winning time 10時間/1日
・Straight B:55km –獲得標高2500m , Winning time 9時間/1日
・Straight C:35km–獲得標高2000m , Winning time 7時間/1日
・Score Long:7時間/6時間
・Score Short :5時間/4時間
私たちのチームは「Strait C」というコースに参加しました。
Starait C Day1
Starait C Day2
装備リスト
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【OMM JAPAN装備】
◾ザック
OMM CLASSIC 32L
◾シューズ
Haglofs GRAM XC Ⅱ MEN
◾日中ウェアリング
インナー上:finetrackスキンメッシュロングスリーブ
ベースレイヤー:mont-bell ジオラインL.W.ラウンドネックシャツ
ミッドレイヤー:Haglofs Curve LS Tee
タイツ:Phenix outlast Mid wt. Stretch tights
ショーツ:Haglofs intense shorts
ソックス:Phenix Heavy wt. wool socks regular
グローブ:Black Diamond windstopper
ネックウォーマー:Phenix PS478NW32
帽子:mountain hardwear Hexcentric Cadet
レイン上下:patagonia torrentshell
◾ダウン類
上:TheNorthFace TAHOE Jacket
◾予備ウェア
インナー上下:ジオライン EXP. ラウンドネックシャツ&タイツ
グローブ:Black Diamond ライトフリースウェイトグローブ
ニット帽:Haglofs MAZE BEANIE
靴下:FITS Expedition Boot
◾テント/シュラフ等
テント:Black Diamond firstlight tent & ground cloth
シュラフ:NANGA×さかいやコラボシュラフ
マット:Nemo Tensor insulated 20s
ビビー:SOL Escape bivy
◾クッカー
バーナー:PRIMUS 153ウルトラバーナー
ガス:PRIMUS POWER GAS 250T
クッカー:PRIMUS ライテックトレックケトル&パン
箸フォークセット
◾食糧
トレイルバター2本
スライスパン2枚
尾西のごはん(白飯)
マジックライス(牛飯、炒飯)
アマノフーズ(畑のカレー)
カロリーメイト(メープル、チーズ)
水500ml×2本
◾必携/その他
スントコンパス、ヘッドライト、携帯電話、携帯充電器、熊鈴、ファーストエイドキット、ウェットティッシュ、クッキングペーパー、ビニール袋(足保温用、ゴミ袋)、テントシューズ
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前夜祭を終え、日付は変わり大会当日を迎える。大会初日の朝はかなり雨が降っていました。テントから起きて泣きそうだったのはここだけの話です(笑)
しかし、そんな雨も上がり、空には綺麗な虹がこんなにくっきり見ることができました!
さぁ、スタート地点です。みんなやる気と覚悟で満ち溢れている。
そんな中の私……。さむ……。わくわくいずこへ……(涙)
本大会は日本開催史上ぶっちぎりの寒さということで、雪は降っていないものの、この寒さは随分とこたえました。
本大会のイベント地図はスタート直前に渡されます。コントロール(チェックポイント)を番号通り進みながらフィニッシュを目指すのです。コースの運び方は自分自身で決めます。公道を使ってわかりやすく走るのも良し。ショートカットで山道を走るのもよし。参加者の数だけコースがあるのです。これがかなり醍醐味!!
そして、私たちは迷わずショートカット山道スペクタクルコースを選択。おらぁ!!やってやんぜ!!
といったものの、ココハドコ……?ワタシハダレ……?(涙)事前の対策経験はいずこへ……。子供が迷子の時泣いてますが、大人でも迷子は泣きたい(苦笑)。地図を読むのはそう簡単にはいきません。
ロゲイニングの事前講習で教えてもらった迷子の対処方法は「見覚えがあるところに戻る」「自分を信じてはいけない」「コンパスを信じること」。私たちは潔く戻ります!!
は……?え……?こんなのあったっけ……?
取り敢えず平常心を取り戻すため、笑顔で記念撮影。フィニッシュに辿りつけるでしょうか(笑)
山道から公道に抜け出せました。アスファルトと再会し感激したのは生まれて初めてです(笑)。公道が一つ大きな目印。ショートカット山道スペクタクルコース(自称)はしばらくおあずけ(笑)
みてください、あの富士山!今回の写真で一番の自慢!(笑)
大自然の中走っていくのはとても気持ち良いものでした。普段の登山やトレイルランとはまた違って、決められた道を進むのではないので、自然の中で響いたものが、一つ一つ自分だけの目印になります。「必ず覚えておこう」「この景色なら正しいはず」という気持ちで自然を眺めると普段とは違う格別な、自分だけの景色になります。
初日終了のキャンプ地です。たくさんの人と交流し、素敵な出会いもたくさんありました。
テント場は静かに過ごしたいグループとはしゃいでもいいワイワイグループに分かれます。私たちはワイワイグループです(笑)。和気あいあいとホットワインや甘酒を振る舞う参加者もいたり、夜はテントの明かりと星空でそれはもう言葉にならないきれいな場所でした。
2日目の朝。日本大会史上の寒さを誇る本大会。氷点下マイナス10℃でのキャンプは新しい経験でした。基本的にすべてが凍っています。
1日目の反省を活かしナビゲーションがバッチリ!!
……その結果、順当にチェックポイントを獲得していきながら、3時間半というスピードでフィニッシュ!!寒さを乗り越えてやりきった!!
主催者のみなさんが口々に「レースではなくイベント」と言っていたのが印象的でした。他人と競うのはもちろんですが、基本的に「自分の力がどこまで通用するかしないのか」=「自分の力を試す」ことを念頭に置いてることがその言葉からヒシヒシと伝わってきました。
フィニッシュされた皆様。達成感あふれる笑顔がいいですよねー!
いかがだったでしょうか。走る前に想像していた以上に大変だった同イベント。しかし、その大変だった先に、普段感じられない楽しさがありました。走っている途中に、来年度への課題が既に頭の中で整理されたので、これはリピート確実。一度味わえば忘れられないイベント。いつかUK本国のイベントに出られることを目指しながら毎日走り込みを続けたいと思います!