BREAKING2プロジェクトを支えた1足。陸上競技の未来を変えるシューズの物語
May 08, 2017 / COLUMN
Jun 02, 2017 Updated
ナイキのサブ2達成を目指すプロジェクト、「BREAKING2」。先日のレースでは、世界記録を大きく更新するも、あと少しのところでサブ2達成を逃してしまいました。しかし、今回のこの壮大なプロジェクトは陸上界を大きく前進させたことは確かです。
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そんなBREAKING2プロジェクトですが、そこにはランナーを支えたシューズ、「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ」の存在がありました。このシューズはアスリートが「陸上競技の未来を変える」とも語るほど、素晴らしい1足となっています。今回は、6月8日に迫った「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%」発売に先駆けて、このシューズにまつわる物語をご紹介しましょう。
エイミー・クレイグとシャレーン・フラナガンは、ロサンゼルスで行われたリオに向けたマラソン予選でナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%を着用し、クレイグは1位、フラナガンは3位を獲得
「ランニングの未来を変える」とアスリートが語るシューズとは?
2016年のリオでのマラソンを控え、シャレーン・フラナガンは、子供の頃に見た学校で裸になってしまう夢と同じくらいの悪夢に怯えていました。それは、人生最大となるレースを目前に、「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%」のシューズがないという不安でした。彼女にとって、それは人前で裸になることよりも怖いものでした。実際、彼女はそのシューズがあれば裸で走っても構わないという覚悟があったかもしれません。
フラナガンの練習仲間のエイミー・クレイグは、自分の「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ」を金と同じ価値があると考え、大切に扱っています。クレイグは以下のように話しています。「トイレのないトレイルやロードを走るとき、プライバシーが確保出来る森の中に分け入り、用を足さなくてはいけません。そんな時、このシューズをダメにしたくないあまり、靴を脱いでいました。」
フラナガンとクレイグは、リオのマラソン予選の直前となる2016年1月にナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%の試作品を受け取った最初の女子アスリートたちです。ナイキは、2013年6月にヴェイパーフライ 4%システムの開発を開始し、それ以来ほとんどの時間を(シューズの底の部分である)ツーリング開発のための科学的研究に費やしてきました。
ツーリングの特徴は、超軽量で柔らかく、最大85%のエネルギーリターンを実現できる新しいズームXフォームです。そのフォームの中にはカーブのついたカーボンファイバー(炭素繊維)のプレートが入っており、ツーリングの硬度を高め推進力を生み出します。この組み合わせで、ナイキ ズーム ストリーク 6(現在ナイキが展開している最速のレーシングシューズ)と比べると、ランニング効率が平均で4%改善されています。長距離を走るアスリートにとって、感覚的部分やパフォーマンスに大きな影響を与えると考えられます。
ナイキズームヴェイパーフライ4%システム
①超軽量で反発性のあるクッショニングを提供するナイキ ズームX フォーム
②フルレングスでとても硬く曲線的なカーボンファイバー(炭素繊維)のプレートが推進力を感じさせる
③ナイキ ズームXのフォームを重ねて衝撃を吸収させ、発泡ゴムをソールのかかとに使用してトラクションを確保
④発泡ゴムのソールを前足部にも使用しトラクションを向上
今でこそこのシューズに夢中の彼女たちですが、一目惚れしたというわけではありませんでした。フラナガンは以下のように話しています。「初めて見たとき、かかとがとても高くなっていて、スマートにも速そうにも見えませんでした。」
クレイグも同じように躊躇しました。「このシューズのことを初めて聞いたとき、子供だましの仕掛けのようにも思いました。普通のレーシングシューズよりも分厚く、バランスが崩れてしまうのでは?と思いました。」それでもこのシューズを履いて、初めて(軽く5マイルほど)走ると、自分のランニング人生が変わるとクレイグは実感し、以下のように話しています。
「ランニングが、変わりました。最初の2歩ぐらいはおぼつかない感じでしたが、すぐにぴたりとはまり、軽く弾むように、シューズが私を前に動かしてくれるように感じました。」この感覚はカーブの入ったプレートによるものです。
次の朝、クレイグはこのシューズを履いてフラナガンと20マイル(32km)走り、以下のように話しています。(この時フラナガンは初めてこのシューズを履きました)「3kmほど走ったとき、お互いの顔を見合わせて、二人とも”これ、すごいわね”と言い合いました。」さらに、ランニングが終わる頃、あまりにも気持ちよかったので、シューズのことを忘れているほどの快感がありました。」
シューズを履いた初めてのランでフラナガンがすぐに気づいたこのシューズの特長は、自分のフォームを長く崩さずに走れるナイキズームX クッショニングの反発性でした。フラナガンは以下のように話しています。「とてもクッション性があり、軽く、型崩れもせず、地面からの反発性をよく感じることができます。」
この特長は、疲労の蓄積が避けられないマラソンを走る時には大きな武器となります。リオに向けた予選でベイパーフライ 4%を着用したフラナガンは以下のように話しています。「普通、ほとんどの人は29キロから32キロ程度の地点で壁にぶつかります。」その時、ランニングを支える体の仕組みがうまく機能しなくなるのです。「このシューズを履いた時は、35キロまで疲れませんでした。つまり、普通は最後の12km程度を辛い状態で走るところですが、あと7キロさえ頑張れば良くなったのです。」
「このシューズで走ると、他のどのシューズよりも長い距離を新鮮な気持ちで走れます。」とクレイグも同じような利点を感じています。
これは彼女たちの中だけで起こっていることではありません。フラナガンはこのシューズを手に入れて以来、2度も自己新を更新しています。2016年にはボストンで10Kを30分52秒で走り、それまでの自己記録の31分03秒を大きく上回るとともに、大会記録の31分04秒も破りました。さらには2016年にハーフマラソンの自己記録を(それまでの記録よりも40秒早い)1時間07分51秒に更新しました。クレイグも同じレースで(自己記録を90秒上回る)1時間09分50秒でフィニッシュしています。「自己記録は、私くらいの年齢になるとなかなか更新できるものではありません。」とフラナガンは話しています。
ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%に対するクレイグの信頼は絶大で、これを手に入れて以来、スパイクを履いていた短距離のトラック練習を含む、すべての陸上競技でこのシューズを履くようになりました。「もう他のシューズではレースを走りたくありません。」とクレイグは話します。
フラナガンとクレイグは、自分のゴールを達成するための手助けをするためだけではなく、ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%のシステムは、Breaking2の結果および陸上競技の未来に大きなインパクトを与えると考えます。フラナガンは以下のように話しています。「世界で最高のアスリートにこれほど良いものを提供するのは、奇跡を目にするための仕掛けを作っているようなものです。これから作られるすべての長距離用シューズは、このシューズのアイディアをもとに作られていくと思っています。」これが陸上競技の未来のはじまりかもしれません。そして、ロードレースの記録更新に終わりはありません。
「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%」は6月8日からNIKE.COM及び一部小売店で販売となります。ぜひお店で一度試してみてはいかがでしょうか。
「ナイキ ズーム ヴェイパーフライ 4%」の詳細はこちら
NIKE RUNNINGより
BREAKING2特集ページ:http://www.nike.com/jp/ja_jp/c/running/breaking2