【箱根駅伝】青山学院大が前評判を覆して2年ぶりの王座奪還。2日間の激戦を振り返る
Jan 04, 2024 / COLUMN
Jan 04, 2024 Updated
“駒大1強”と見られたが、青山学院大学がその前評判を覆した。1月2日(火)、3日(水)に開催された第100回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)は、青山学院大学が10時間41分25秒の大会新記録で2年ぶりに王座を奪還。
こちらの記事では、2日間の熱い戦いを振り返る。
駒大圧勝の流れに見えた序盤だったが……
1区は駿河台大学のスティーブン・レマイヤン選手(1年)が飛び出し、いきなりハイペースの展開に。各校、スピード自慢の選手たちが振り落とされていくなか、駒澤大学の篠原倖太朗選手(3年)がラストスパート勝負を制して先着した。
そのまま2区で鈴木芽吹選手(4年)が先頭をキープし、駒大の流れに見えたが……。
青山学院大学が黒田朝日選手(2年)の快走で、22秒差の2位でたすきをつないだ。
青山学院大学の3区・太田蒼生選手(3年)は、駒大の至宝・佐藤圭汰選手(2年)を果敢に追い、5km付近で背中をとらえた。太田は最初の10kmを27分30秒で入るという、トラックの自己ベスト以上のハイペース。
それでも「この1年、箱根に懸けてきた。駒大1強の状況を逆転したい」との意地から、競り合いを制して18km付近で追い抜き、4秒リードして4区へ。続く佐藤一世選手(4年)も爆走し、駒大を引き離した。
“箱根駅伝力”を発揮した青学が2年ぶりの王座奪還
復路の3日は、青山学院大学が6区で駒大を4分以上離すと、7区以降もスムーズに流れた。最終的に6分半以上の差をつけての快勝。
主力選手の持つトラックのタイムや、今季の駅伝2大会は駒澤大学が圧勝していたが、青山学院大学は選手たちが1年に1度、この時期にピークを合わせる“箱根駅伝力”を発揮。全員が全力を注いで、勝利をたぐり寄せた。
優勝候補の1つだった中大は、まさかのシード圏外の13位。16人中14人が直前に体調不良となり、万全の状態で臨めなかった。エースの吉居大和選手(4年)が、7区で弟・駿恭選手(2年)へ給水を渡す場面があり、駅伝ファンの感動を呼んだ分、残念だった。
山上りの5区は、『山の妖精』こと城西大学・山本唯翔選手(4年)が、2年連続で区間新記録を樹立。城西大の過去最高順位となる3位を後押しする、快記録だった。
青山学院大学と駒澤大学の2強が目立った今回。だが城西大学が躍進し、近年ふるわなかった東洋大学も4位と復活の兆しを見せ、各大学がしのぎを削る戦国時代の到来を予感させる大会となった。
(文:東京中日スポーツ 平野梓/ 写真:木幡真人)
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