「ラインから外れた人を集めて一つの課を作る」青学・原監督がもし人事部長なら……

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「伝説のサラリーマン」として営業時代に活躍した青山学院大の原晋監督。同大学に就任すると、これまで陸上界で“当たり前”とされていた古き指導方法にメスを入れ、独自の考えで結果を出し続けています。箱根駅伝の3連覇は記憶に新しいところ。また、同大学の卒業生がイキイキと活躍をしている姿を見ると、原監督から指導を受けてみたくなりますよね。

もし、自分の会社に原監督がいたら……と、妄想を働かせた人も少なくはないのでは。それは、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーの原田曜平さんも同じ。原監督との対談がおさめられた書籍『力を引き出す「ゆとり世代」の伸ばし方』で、まさに「原監督が人事部長になったら……」といった話題で盛り上がっています。

ドラマチックな采配をする原監督が、もし、人事部長ならどのような策で会社を盛り上げていくのでしょう。マラソンファンでなくても気になるところ。

原監督がまず最初にあげた施策は、「ラインから外れた人を集めて一つの課を作る」といったもの。「会社の本流とは違うチャレンジ課みたいなものをつくって、そこを会社組織の中では課だけど、ひとつの独立採算の会社にする」と、同書でその構想を語っています。社内ベンチャーとして誕生したその課は、自分たちでルールを作りルートを開発するのです。これは何だか面白そう。

この施策の裏側には、「リベンジをする機会を与えたい」という思いがあります。というのも、ラインから外れてしまった人は、良くも悪くも勢いのあった人だと考えられますよね。当然、人間的に問題がある人はこれには当てはまりませんが、自分の意見が強すぎたり、上司との折が合わずにいたため、ラインから外れてしまった人はいます。そういった人たちが、原監督の用意した課で会社に対してリベンジをするのです。本来は能力があった人たちです、その課では、それなりの収益が期待できるのではないでしょうか。

さらに採用に関しても独自に考え方があるようです。原監督の施策としては、「採用前に一度は職場で働かせる」といったもの。現在の日本の多くの企業では、エントリーシート、筆記試験、面接といった見極め方が取り入れられています。しかし、一緒に働いてみないと、なかなかその人の素の部分は理解できないもの。

こちらは、原田さんの分析なのですが、「いまどきの若者たちは、過剰な自己PRをする場であるSNSに親しんだSNSネイティブなので、嘘の自己PRに本当に長けている」と同書で語ります。

そういった文化に馴染みのない大人が、自己PRのうまい学生にコロッと騙されて採用してしまうケースもあるので、やはりそこは実際に一緒に働いてみた方が、正しい判断ができそうですね。

最後に、「希望の会社に入ることができなくて、腐ってしまった学生が原監督の会社に入社した場合」、原監督はどのような手を打つかというお話です。

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多くの学生が希望通りの企業に入れる訳ではないので、これに該当する方が多いと思います。しかし、そんな行った先の会社に原監督がいたら……。

原監督の考え方は、こう。

「その年代に応じた権限を付与し、それに伴った責任を取らせますね。もちろん最終的な責任は上が取るんですけどね」(同書より)

これは確かにモチベーションアップにつながりますよね。何でもかんでも上司にお伺いを立てたり、気分を察したりするのは非常に消耗します。責任を伴うことが前提ですが、権限を与えてもらうことは、仕事をする人にとって最も働きやすい環境とも言えるでしょう。まさに、青学の選手たちが自主性を持ってトレーニングに励んだり、私生活を整えたりしている状況と似ているかもしれませんね。

最近の若い人の考え方や、特徴を熟知している原監督ならではの施策。いかがでしたでしょうか?

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