『ニューバランスハンゾーS』レビュー ニューバランスのベストレーシングフラット
Feb 27, 2017 / SHOES
Apr 26, 2019 Updated
みなさん、こんにちは。シューズアドバイザー藤原です。
さて、今回は1月末に発売した「NB HANZO S」を紹介します。
正月の箱根駅伝デビューとはなりませんでしたが、ニューバランス渾身のジャパンレーシングです。ハンゾーというネーミングは、Silent Hunter(日々黙々と練習するランナーが最後に大物を狩る)というストーリーが由来です。ちなみに、シューズのヒール部にハンゾーマークがプリントされています。服部半蔵っぽい(笑)(実際そうみたいですけど!)
ハンゾーコンセプトは、インターナショナルで展開されるもので、5月の「NY 5Thアベニューマイルレース」で、見事5連覇を果たした契約アスリートのジェニー・シンプソンも履いていました。
ちなみに、ジャパン企画のレーシングラインとインターナショナル企画のレーシングラインが混在するメーカー(アシックス、ナイキなど)が多い中、このケースは、ジャパンレーシングが全世界モデルとして君臨する、レアかつ先行した流れです。そして、今後はトレーニングライン=インターナショナル企画、レーシングフラット=ジャパン企画と住み分けするブランドが増えてくるとわたしは踏んでいます。
さて、ハンゾーは、S、R、Tとバリエーションがあり、S は一番軽く、薄いソールのレーシングフラット。回転数を最大限にすることを目的とし、接地、反発、軽さ、この3要素が最重要のシューズになります。速く走りたいとき、それも距離に不安のないときに履くシューズですね。
履いてみると、特にその接地感が良いですね、気に入りました。トレーニングシューズ同様に、トゥースプリング(つま先の跳ね上げ構造)があります。跳ね上げが結構強くあるので、「接地感大丈夫かな?」と思いつつもスピード上げてみますと、跳ね上げ部分に地面とシューズがハマって、適度に前傾もアシストする感じ。そう、ちょうどスパイクを履いている感じに近いですね。
また、ニューバランスレーシング全般あった反発の弱さ(感覚的に)も解消されていると思います。接地感と反発が同時に共和するようなコンビネーション、自然に進む、というより頑張れる(笑)感じ、それがとても良いです。カタログ的には、ソール前足部に搭載された「ラビットリバウンド」という反発感を意識した素材が効いているのでしょうか。10年ほどニューバランスに在籍したわたしが思うに、これは、ニューバランスの「ベストレーシングフラット」ですね。
フィッティングは、接地面積がそんなに多くないので、ファーストランナーの体型・足型をイメージして作られているのでしょう。そんなに幅ありません。ですから、細み~レギュラーくらいの足型の方は、Dウィズを選択すべきでしょう。また、ニューバランスは足回りもサイズがあるので、それ以外の方は、EEウィズを選択すると良いでしょう。
また、この手のレーシングフラットは、高嶺の花のように思うランナーさんもいらっしゃるでしょうけど、これは、トレーニングスケジュールを変化させることが重要なように、シューズを変えることも重要。ですから、あまり怖がらず、敬遠しないでほしいですね。
これをフルマラソンのレースで履けるランナーは本当に一握り。ただ、「速く走りたい、それも距離に不安がない」という場面であれば、どなたも使えますし、むしろ使ってみるべきです。駅伝や5Kレース、スピードトレーニングなど、これでトレーニングバリエーションも広がるし、効果も高まります。何しろシューズによっては走れないスピードで走るアシストをしてくれるのが、この手のシューズの仕事なのですから。
ちなみに、ニューバランス直営店で開催されているNBRCに参加することで、無料でお試しもできるようですよ。
ランニングはとても単調なスポーツです、それを豊かにするのもシューズ。マンネリ打破に、ワンランク上を目指すランナーのあなたこそ是非どうぞ!でもわたしもフルマラソンでは使いません、くれぐれも使用可能範囲を超えるとただの薄い、低サポートのシューズになりますからね。お気をつけあれ。
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