カーボンプレート搭載のランニングシューズ10選! シリアスランナーの足元を支えるおすすめのモデルとは
Nov 16, 2024 / SHOES
Nov 16, 2024 Updated
2017年にナイキのヴェイパーフライシリーズが登場して以来、各ブランドからあらゆるモデルが展開されているカーボンプレート搭載シューズ。カーボンプレートとは炭素繊維(カーボンファイバー)を組み合わせたものを薄い板状(プレート)にしたもので、ほとんどの場合シューズのミッドソール部分に組み込まれています。カーボンプレートを搭載することには、「反発性の向上」「安定性の強化」という大きく2つのメリットがあります。
カーボンプレートは剛性が高く、ロイター板のような役割を果たします。着地の際に反発力を生み出して、推進力が得られるため速いスピードで走りつづけることを可能にします。
また、ソールにプレートを挟むことで一定の硬さを加え、足の動きを安定させます。これにより、エネルギーロスを抑え効率的に走れます。また、重心移動が横にぶれず前方向へのスムーズな重心移動をサポートするのです。
2.カーボンプレート搭載シューズの進化
カーボンプレートの技術と設計は、近年さらに革新が進み、ランナーのパフォーマンス向上に大きく貢献しています。とくに、カーボンプレートの形状の最適化や、配置といった設計に関する部分は、各ブランドで異なるアプローチにより進化してきました。
代表的な例を挙げると、ナイキの『ヴェイパーフライ』をはじめとした多くのシューズは、フルレングスのカーボンプレートがスプーンのように湾曲した形状で配されています。これにより『ロッカー構造』と呼ばれる前足部にカーブをつけたプレートデザインを実現させ、前方への推進力を確保します。
ユニークな例としては、アディダスのレーシングシューズに搭載された5本骨状のカーボンロッドは足の各部分に応じた柔軟性を提供します。このように、カーボンプレートの厚み・形状を調整することで自然な反発力を提供したり、プレートを部分的に配置して柔軟性を向上させたりと、さまざまな工夫が施されています。
3.カーボンプレートのタイプ別使用途
レース本番でスピードを求める場合
レースでの使用を前提としたシューズの多くは、カーボンプレートを搭載し、エネルギーリターンとスピードを最大限に引き出す設計となっています。そのためカーボンプレートはフルレングスで搭載されているものが多く、前足部にかけて湾曲させたカーボンプレートが、効率的な体重移動をサポートし、エネルギーの消耗を抑えるはたらきを行います。
トレーニングで使用する場合
トレーニング用途のカーボンプレートシューズは、レーシングシューズに比べて適度な反発性や快適性が重視されています。長時間の練習に適したクッション性やサポート機能が強化され、ロングランやトレーニングにも使いやすい設計です。プレートが足の前方や中間部分のみに配置されているシューズもあり、柔軟な足運びと自然な反発力を実現します。
4.カーボンプレートを搭載したランニングシューズ10選
1.ナイキ|ヴェイパーフライ 3
トップ選手から市民ランナーまで絶大な支持を集める厚底カーボンプレートシューズのパイオニア、『ヴェイパーフライ』の最新モデル。フルレングスのカーボンプレートと、ナイキで最も反発力の高い『ZoomX』フォームが足を包み込むことで、高い推進力を得られるシューズです。また、かかと部分が膨らんだデザインのミッドソールにより、足の内側を軽量化し、より安定した履き心地を実現しました。
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2.アシックス|METASPEED SKY PARIS
アシックスの厚底レーシングシューズ『METASPEED SKY PARIS』。軽量かつスピーディーな走りを目指し、前モデルから約20g軽量化されました。とくにストライド型のランナーに適した設計になっており、反発性の高いフォーム素材と、プレートの真下にミッドソール素材が集まるよう配置されたカーボンプレートが特徴です。アシックス史上最速シューズを目指した設計で、自己ベストを目指すランナーをサポートします。
3.アシックス|METASPEED EDGE PARIS
上記のシューズに対して、こちらはピッチを調節しながらストライドを伸ばし、少ない歩数でゴールできることを追求した設計になっています。軽量化と反発性の向上はもちろん、ピッチ型のランナーのスムーズな蹴り出しをサポートするため、カーボンプレートのつま先部の形状がアップデートされました。ミッドソール下部にカーボンプレートを配置することで、足の回転をコントロールしやすく安定した足運びを追求した一足です。
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4.アディダス|ADIZERO ADIOS PRO 3
シューズに“走らされる”感覚を味わえる、スピードにこだわった一足です。2層構造で軽量の『LIGHTSTRIKE PRO』フォームによるクッション性と、足の構造にならって反発する、アディダス独自のカーボンロッド『EnergyRods』が、安定感のある足運びを生み出します。また、ラバーアウトソールの薄いレイヤーが、優れたグリップ力を発揮するため、路面のコンディションに左右されずに走れるのも嬉しいポイントです。
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5. ニューバランス|FuelCell SuperComp Elite v4
このシューズの特徴は、ここ数年ニューバランスが注力している『Energy Arc』が搭載されていることです。『Energy Arc』はミッドソール内部にかまぼこのような形状のカーボン系プレートを搭載する構造の名称で、着地時に発生するプレートのたわみを利用して、反発力を得ることができます。軽量でフィット感も良く、ニューバランス史上最高の反発力と推進力を持っているシューズとも言われています。
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6. HOKA|CIELO X1
HOKA史上最大のエネルギーリターンを誇る一足です。ソール部分に大胆な切り込みを入れることで軽量化を実現し、ミッドソールは、ランナーのストライドを前進させるよ う設計された『MetaRocker™︎』が採用されています。非対称のウイング形状のカーボンプレートを、反発性に優れた2層のPEBAフォームで挟むHOKA独自の『ProFlyX™︎』構造を採用することで、柔らかさもありながら、バウンド感の強いスピードアップシューズに仕上げられました。
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7. On|Cloudboom Strike
『Cloudboom Strike』は新たなドロップイン構造『BounceBoard(バウンスボード)』を採用した厚底レーシングシューズです。硬度の高い、スプーン形状のカーボンプレートである『Speedboard』が着地時のエネルギーを効率良く前足部に伝えて、力強い蹴り出しを実現しています。また、超高反発の独自素材『Helion™ HFハイパーフォーム』を採用し、強力な推進力を生み出します。これらに加えて、取り外し可能なインソールにクッション性を持たせることで、長距離も快適に走ることができます。
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8.サッカニー|ENDORPHIN PRO 4
カーボンプレートが搭載されているシューズで、シリアスランナーのトレーニング用、またはサブ4を目指すランナーのレーシングシューズとして支持される一足です。ミッドソール下層部の『PWRRUN PB』とともに、サッカニーの中で最も弾力性の高い『PWRRUN HG』を上層部に搭載することで、反発性とクッション性が格段にアップしました。ミッドソールは中足部の幅が広く取られていて、安定感にも優れています。
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9. プーマ|ディヴィエイト ニトロ エリート 3
カーボンプレートには『PWRPLATE』という素材が使用されており、カーブ角度が特徴的な設計です。同じカーボンプレートを使っている『ディヴィエイト ニトロ 3』は比較的フラットな形状ですが、エリートは深く屈曲しています。
また、ミッドソールには『Aliphatic TPU(アリファティック ティーピーユー)』という素材を使っていて、多くの厚底レーシングシューズで用いられている素材『PEBA』よりもバウンドが20%も高く、バウンド感をしっかりと感じられます。アッパーも非常に軽い素材でできており、速さを追求できる一足です。
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10. アンダーアーマー|UAベロシティ エリート2
剛性の強い、硬さのあるものへとアップデートされたフルレングスのカーボンプレートが高い推進力を生み出します。プレートセッティングも一新され、かかと部からつま先にかけて転がるような、スムーズな重心移動を感じることができます。また、前作と比べてミッドソール前足部の厚さが20%以上も増量しており、反発弾性の高い『PEBAX FOAM(ペバックスフォーム)』をたくさん搭載することで、非常にソフトな接地感と高反発性を実現しました。
商品はこちら5.フィットするシューズとともにレースにチャレンジ!
各ブランドから発表されるカーボンプレート搭載ランニングシューズは、あらゆる技術や設計について研究がなされ、さらなる進化が期待されます。
履きこなすには練習が必要ですが、シューズとしての性能が非常に高いカーボンプレート搭載シューズ。より自身のパフォーマンスを発揮したいと思うランナーは、自分に合ったシューズを見つけてレベルアップしましょう!
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