洗濯物すべてに色移りしていたような絶望……レース中の苦しさは、何かに例えて乗り切ろう!!

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ランニングをする理由は人によって様々。体に良いことはもちろんのことですが、走っている間は、「自分と向き合う時間」として活用することができます。あまりに情報の多い今の時代。余計なものをそぎ落とし、自分にとって大切なものを考える時間として、ランニングは最適なのです。経営者など「いつ走っているの?」と思うほど忙しそうな人ほど、ランニングの時間を確保しているのは、このためでしょう。

以前、ご紹介した「ランニング中の意識は“内向き”“外向き”どっちがいい?  プロスポーツメンタルコンサルタントが解説」では、トップランナーらが走っている時に何を考えているかについて解説をしました。

プロスポーツメンタルコンサルタントの笠原彰さんは、ランニング中には4つの意識があると語っています。

A:【広い外的な集中】→よく顔を動かし周囲を見る
B:【広い内的な集中】→情報を分析、適切な戦術をピックアップ
C:【狭い外的な集中】→ポイントを見て実行
D:【狭い内的な集中】→戦術を決断、実行への準備

集中しだすと内にこもってしまう方は多いかと思いますが、笠原さんの言うように外的な集中も大切なのです。

とはいえ、一流の経営者でもなく、プロスポーツ選手でもない多くのファンランナーから、「ただ楽しく走りたい」といった声が聞こえてきそうです。筆者も力のないランナーなので、できる限り、このランニングの時間を楽しく過ごしたいと考えています(走るのはやっぱり辛い……)。

そんな、ファンランナーにとっておきの書籍があります。『たとえる技術』は、芥川賞作家・ピース又吉直樹さんや、直木賞作家・西加奈子さんらとの共著でも知られる文筆家・せきしろさんの著書。豊かな文章力と圧倒的なユーモアを兼ね揃えた文筆家です。

「洗濯物すべてに色移りしていたような絶望……レース中の苦しさは、何かに例えて乗り切ろう!!」の画像

同書はそのタイトル通り、物事を真っ直ぐに表現するのではなく、それを何かに例えてよりわかりやすくし、そして楽しむもの。いわゆる大喜利に近いものがあるのですが、ランナーの皆さんもこれは大変に参考になります。というか、是非、取り入れてみてください。フルマラソンなど、苦しい時にこそ、この「たとえ」を取り入れて、楽しく乗り切るのです。

同書では様々な言葉を別の何かに例えています。その中で「絶望」があります。レース中に絶望的な気分になることは、筆者も多々あるのですが……。それをそのまま言葉通り「絶望」として抱いていても、気分が晴れません。むしろ、落ち込む一方です。では、その気持ちを何かにたとえてみてはいかがでしょう。

せきしろさんは、同じ「絶望」でも、こんなに楽しそうに表現しています。

「完全に忘れていた引き落としがあったような絶望」

「実はチェーン店だったような絶望」

「開演時間と開場時間を間違った時のような絶望」

「洗濯物すべてに色移りしていたような絶望」

などなど……。確かにどれも絶望的なシチュエーションですが、ただ、「絶望」と受け止めるよりも、このようにたとえると何だか楽しくなりますよね。また、より明確に絶望の絵が浮かび上がります。

長い距離を走るランナーの皆さんは、その間に様々なことを考えるでしょうか。それを単発な表現だけで終わらせているのはもったいないですね。

目標タイムに間に合わない絶望感を、上記のように別のものにたとえてみると、いくぶん楽になるのではないでしょうか。

「物事を考える場合、視点を変えると良い。自分の視点だけではなく、相手の視点、それを見ている第三者の視点などを考えると、いくつものアイデアが生まれるものだ」と、同書では、たとえるためのテクニックを事細かく解説しています。

ランニング中の考え事の一つに、「たとえ」を入れてみると、また、楽しいランニングライフがおくれそうですね。是非、お試しを!!

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