アシックス『METASPEED TOKYO(メタスピード トウキョウ)』シリーズ登場。新素材『FF LEAP』を搭載したレーシングシューズの性能とは?
Aug 06, 2025 / SHOES
Aug 06, 2025 Updated
アシックスが展開する人気の厚底レーシングシューズ『METASPEED(メタスピード)』シリーズ。その最新作『METASPEED SKY TOKYO』と『METASPEED EDGE TOKYO』が登場しました。「速く走ること」を追求するために結成されたアシックスの開発チーム・Cプロジェクトにて開発されたレーシングシューズは、これまでもトップアスリートから市民ランナーまで多くのランナーから支持を得てきました。
今回はシリーズ最新作の気になるアップデートポイントをRuntripお馴染みのシューズアドバイザー・藤原岳久さんの解説を交えてご紹介。これからのマラソンシーズンに向けて、レースシューズの買い替えを検討している方は必見です。
新素材『FF LEAP』搭載 ミッドソールの2層構造を初採用

2021年に登場したMETASPEEDシリーズは、ランナーそれぞれの走法に違いに着目し、ストライド型の「SKY」と、ストライド型の「EDGE」の2モデルが展開されてきました。
そして今回、2モデルがラインナップされたことは従来通りながら、シリーズ史上初めて2層構造のミッドソールを初採用。前作にも採用されていたミッドソール素材『FF TURBO PLUS』に加え、さらに軽量で反発性に優れた『FF LEAP』を搭載。異なる2つの素材を、それぞれのモデルに合わせた構造で組み合わせています。
このアップデートに藤原さんも「これまで他社が取り入れてきた2層構造を採用した、非常に楽しみなシューズ」と語っています。
ストライド型のSKYはミッドソールの下層部に新素材のFF LEAPを配置することで高い反発性を実現。その上にあるカーボンプレートはフラットに近い形状にすることでFF LEAPの反発をよりつよく生み出せるように設計されています。
藤原さんは「プレートの下にあるFF LEAPによって、踏み込みが柔らかく、地面を蹴って走れる感覚がある」と話します。
エネルギーリターンは、前作のMETA SPEED SKY PARISと比較して約18.8%向上。加えて上層部のFF TURBO PLUSが着地時の安定性を高める役割を担っています。
一方でピッチ型のEDGEはSKYとは対照的に、足底に近い上層部にFF LEAPを採用することでクッション性が向上。その下には安定した足運びを促すV字形状のカーボンプレートを配置。下層部に配置されたFF TURBO PLUSが過度の沈み込みを抑制し、接地時の安定性を高めています。
前作のMETA SPEED PARISシリーズからEDGEを多く使用しているという藤原さんは「スピードを上げる時に足の回転を早めてくれる。シューズがコロンと転がってくれるので足を前に出しやすい」と語ります。
SKYとEDGEの履き分け方

今作の重量は170g(27.0cm)であり、両モデルとも前作から約15g軽くなりました。藤原さんも「一言で表すと、軽い。FF LAEPが軽量化に大きく貢献している」と絶賛します。
プレートやミッドソールの配置パターンを変えた2足の登場によって、気になるのはその使い方。藤原さんは「ストライド走法のSKY、ピッチ走法のEDGEと分けてきました。SKYは歩幅を広げていくイメージ、EDGEは回転を上げていくようにイメージすると分かりやすい」と語ります。
そのうえで「SKYは跳ねる感じが強いので、短めの距離で使うのも良いと思います。まず上層部で安定を感じて、下の素材で大きな反発を生んでくれます」と藤原さん。

一方のEDGEは「足底に近いところでクッション性を感じつつも、しっかりと安定する。安定性が高いので、長い距離を走る際に着用する人が多くなると思います」と語ります。
「このモデルはスペックがどんどん高くなっていますから、市民ランナーでも好みが分かれてくるでしょう。SKYは5㎞といった短い距離、1kmを3分台前半で走る時に使いやすい。ただフル・ハーフマラソンではどこまで使いこなせるか試した方が良いです。前半は速いペースで走って、後半にペースが落ちてしまうランナーはEDGEの方が合うかもしれません」
それぞれのシューズの特性と、自分自身の使いたいシーンを見極めながら選ぶことができるのもMETASPEEDシリーズの良さでしょう。自分に合うシューズを探すために、ぜひ2足を試してみてください。
詳細情報
1.アシックス|METASPEED SKY TOKYO

価格:¥29,700(税込)
2.アシックス|METASPEED EDGE TOKYO

価格:¥29,700(税込)
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【プロフィール】
藤原岳久さん
FS☆RUNNING(旧藤原商会)代表
ランニングシューズフィッティングアドバイザー
日本フットウエア技術協会理事 / JAFTスポーツシューフィッター
元メーカー直営店店長,販売歴20年以上
・ハーフマラソン:1時間9分52秒(1993)
・フルマラソン:2時間34分28秒(2018年別府大分毎日マラソン)