55歳でフルマラソン2時間50分!50代からランニングを始めた市民ランナーがサブ3を達成した秘訣とは

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近藤浩志さん

10月を迎え、いよいよマラソンシーズンが到来しました。読者の皆さんのなかには目標達成を目指すマラソンを控える方も多いのではないでしょうか。目標を達成するためには日頃のトレーニングも欠かせませんが、レース本番のコンディショニングやエネルギー補給が重要な要素になります。

そこで本記事では、健康のためのランニングを50歳から始め、フルマラソンで年代別ランキング17位(2022年55歳の部)にまで上りつめた市民ランナー・近藤浩志さんと、ランニング愛好家でYouTubeチャンネル『SAKI RUN サキラン』の企画『嵜本広辞苑』レギュラーを務める野本大貴さんの対談をお届け。近藤さんが目標を達成できた秘訣を探っていきます。

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ランニング愛好家・野本大貴さん

ランニングを始めたきっかけと、生活の変化

野本:ランニングを始める方のなかには、近藤さんのように50歳から開始された方も多いと思います。そのなかで、気が付けば超一流と言われる領域まで到達されたモチベーションや考え方について教えてください。よろしくお願いします!

近藤:こちらこそ、よろしくお願いします。

野本:まず伺いたいのは、ランニングを始めたきっかけについて。近藤さんはどんなスタートだったのでしょうか?

近藤:50歳の記念に何かを成し遂げたく、一番苦手だったランニングをやってみようと思いました。身の回りで、亡くなった、病気になったという声を急に聞くようになり、残りの健康寿命を真剣に考え始めたのです。「あと何年健康でいられるんだろう?」と真剣に考えるようになりました。そこで、スポーツジムに通ってみたのですが、目標設定しづらく継続が難しかったんですよね。フルマラソンを走り終えたあとは2度と走らないと思いましたが、だんだんと悔しさが込み上げてきて「もう一度だけなら」と思ったんです。

野本:マラソンにハマってしまう典型的なパターンですね!(笑)しかし、当時目指していたサブ3.5(マラソン3時間30分切り)となるとハードルが非常に高いと思いますが、練習や食事など何か変化があったのでしょうか。

近藤:そうですね。完走できたとはいえ、はじめはお腹が出ていてポッチャリしていました。実際、この身体ではサブ3.5は難しいだろうと感じていたんです。そこで、1年間だけは目標を持って、トレーニングも食事も変えてみようと決意しました。YouTubeや雑誌も読み込んで、生活から見直してみました。

野本:ランニングビギナーからサブ3.5を目指し、年齢を重ねるごとに順調に記録を伸ばし続けてついには2時間50分台の記録を残しています。大きな結果を出せた最大のきっかけは何ですか?

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(左から)アミノサウルス・嵜本さん、近藤さん

近藤:2019年のあるマラソン大会で、ぶっちぎりで独走していたかっこいい人がいてそれがアミノサウルスの嵜本晃次さんだったんですよ。その後、嵜本さんが作っているサプリメントがあると知りすぐに試していました。練習後に『アミノサウルス』を飲んで、寝る前に『ベースサウルス』をおまじないのように5粒飲んでましたね。

野本:その頃から、しっかりとバランスを考えているんですね!

近藤:野本さんは何を摂取されているんですか?

野本:私は朝練派で、朝のランニングを終えた後に『サウルスEAA』とベースサウルスを飲んでいます。とにかく、練習後にEAA(必須アミノ酸)と鉄分やビタミン各種をベースサウルスで補っています。

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さらに高みを目指し、別府大分毎日マラソンの挑戦

野本:サブ3.5を達成された後は、次に何を目標にされたんですか?

近藤:次に別府大分毎日マラソン(通称:別大)を走れる権利を得られたんです。「それを完走したらすごいぞ!」と周りから聞き、早速目標に設定しました!(笑)

野本:さすがですね!どんどんレベルが高まっています。そして、いい感じに騙されてますね(笑)

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別府大分毎日マラソンを完走した近藤さん

近藤:そうですね(笑)。とにかく、完走タオルをもらうために3時間30分ペースの収容車にだけは乗りたくない一心で走りました。

野本:ちなみに、結果はどうだったんですか?

近藤:3時間1分台だったんですよ!スタート時のロスタイムを考えるとネットタイム(スタートラインを超えてからのタイム)は3時間0分30秒くらいです。

野本:めちゃくちゃ速い!

近藤:この年から『サウルス練習会』『サウルス合宿』に参加させてもらったのですが、若くて速い方々からの刺激をたっぷりいただきました。52歳の自分が1年でまさかサブ3に近づけるとは思いもしませんでした。

56歳で2時間50分切りにチャレンジ

野本:恐る恐る聞きますが、ここから先の目標は高いものを考えているのでしょうか?

近藤:さすがに56歳ですし、そろそろ頭打ちになるとは思っています。しかし、昨年がフルマラソン年代別ランキング17位だったので、自分より上位の方の記録を見ていると2時間48分台はギリギリ狙えるかもしれないなんて思うんですよね。

せめて、自己ベスト(2時間50分8秒※グロスタイム)を更新して、2時間50分切りは達成してみたいですね。昨年はケガ明けで練習もできていなかったのに、想定外の好記録だったので、ゴール時の喜びよりも驚きであまり覚えてないんですよ!(笑)。次はしっかりと、かっこよくゴールしたいです。

野本:まだまだ挑戦し続けますね!今シーズンは順調に練習も積まれているとのことですが、具体的な練習内容についても教えていただけますか?

近藤:スピード練習などはあまりしていないです。ただ、坂トレーニングは継続していまして、4km程度の緩やかな上り坂(砂利コース)をひたすら往復する内容(6〜7分/kmペース)です。下りは小股で4分30秒/kmペース。2セットから3セット、120分ほど走っています。その際に股関節やお尻の意識をしっかりと持って、走るようにしています。マラソンの後半でも同じフォームを維持するつもりでやっていますね。

準備の鬼!徹底したシミュレーションで挑む

野本:近藤さんは、レース本番を想定した準備力がすごいという印象を受けるのですが、その背景についても教えていただけますか?

近藤:エネルギージェル(アミノサウルスジェル)を取るタイミングについては細かく決めています。一般的に壁と呼ばれる30kmでは摂りたいと思っていますが、10kmごとだと少し保たない感じがしています。私の経験上8kmごとがベストなので、30km地点から逆算して22km、14km、6kmで摂ると決めています。ラストは間隔を短くして36kmの全部で5つですね。

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アミノサウルスジェル

野本:その他に、愛用されているタイツにお手製のポケットを取り付けていますよね?どんな意図があるのでしょうか?

近藤:後半の足攣りや脱水のトラブル回避のために自分で水分を持って走っているんです。別大は途中で道幅が広くて、給水所が遠回りになる場所があったんですよ。それを取りに行くことで数秒のロスが出ると思っています。そのために自分で持っている水分で補給しています。

野本:さすがです。コースも徹底して分析しているんですね。そして、1秒を削りだすための“自家用水分”だったとは!ちなみにそのなかには何を入れているんですか?

近藤:経口補水液に『アミノローディングサウルス』を溶かして持っています。75mlの小さなボトルに入れて、4個持っています。

野本:とても細かく計算されていますね!

近藤:過去に練習会で脱水症状になったことがあり、それ以降に迷惑をかけないように体重計を持参して、1km走ってどれくらい水分が体内から出ているのかなど細かく調べてみました。その結果から、どれくらいの量や頻度がベストなのかを決めました。

野本:す、すごい!徹底されていますね!

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近藤:年齢的にもチャンスは残り少ないと思っています。それもあって、やれることは徹底してやりたいと思っています。

野本:最後に近藤さんから市民ランナーの皆さんへのメッセージをお願いします。

近藤:どうせ走るならかっこよく速く走れたら楽しいのではないかと思っています。そう思ってチャレンジすれば、いろいろな世界が見えてくるはず。一方で、適度な余裕も必要です。記録ばかり考えすぎて、余裕がなくなってしまうと窮屈ですから。

野本:いろいろと教えていただきありがとうございました!私もまだまだ準備できることがあると痛感した対談でした(笑)。今シーズンも高みを目指して頑張ってください!

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プロフィール

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近藤浩志さん

健康のためのランニングを50歳から始め、現在はフルマラソン年代別ランキング17位(2022年55歳の部)の記録を残す市民ランナー。フルマラソン自己ベストは2時間50分08秒。

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野本大貴さん

ランニング好きが講じてランニング業界に多くの繋がりを持つ。ランニング知識や情報の宝庫、自らも41歳でサブ3達成、フルマラソン2時間48分で走る二刀流ランナー。嵜本さんのYouTube『SAKI RUN サキラン』の企画『嵜本広辞苑』レギュラーを務める。

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