【ホカ】カーボンプレート搭載トレランシューズ「TECTON X」の履き心地は?おすすめの使用シーンも解説
Jun 23, 2022 / SHOES
Jun 23, 2022 Updated
自然のなかを颯爽と走るトレイルランは暑さが厳しくなるこれからの季節にぴったりのスポーツ。トレランレースが各地で開催されていますが、シューズを新調したいランナーもいるのではないでしょうか。
本記事では、東京都立川市のトレイルランニング専門店『Trippers(トリッパーズ)』店長で、多くのトレランレース完走経験を持つ朝長拓也さんとトレランシューズの新作、ホカ『TECTON X』を紹介します。
注目のカーボンプレート搭載トレランシューズ
岡田:『TECTON X』は、どのようなシューズでしょうか。
朝長:ホカで初めての『カーボンプレート入りトレランシューズ』です。
岡田:これが注目の理由ですよね。ついにトレイルランシューズにもカーボンプレートが入りました。
朝長:他ブランドではいくつか、カーボンプレートを搭載したトレランシューズを展開していましたが、ついにホカからも登場しました。
シューズの履き心地
岡田:持ってみると軽いですね。
朝長:軽いですよね。このボリュームで240g(27.0cm)です。
岡田:ロード用のランニングシューズ並みの軽さですね!
朝長:ホカのシューズでは、『SPEEDGOAT 5』もほぼ同じ厚さです。『SPEEDGOAT 5』は280gほどですから、その差が明確に感じられると思います。
岡田:『TECTON X』はロード向けのレーシングシューズにも採用されている『PROFLYX』が配されています。反発性が高くて、カーボンプレートを左右に2枚搭載しているんですよね。
朝長:カーボンプレートは1枚のイメージですが、このシューズは2本のプレートが左右に分かれて入っています。
岡田:実際に履いてみて、どのような印象を受けましたか。
朝長:トレイルで走るとカーボンプレートの感覚を感じるわけではありませんが、ロードを走ると前へ転がる感覚を得られます。走りやすいトレイルコースでは、このシューズの特長が発揮されると思います。
岡田:ホカのトレランシューズのなかでも、攻められるシューズという位置付けですね。カーボンプレートの安定感に加えて、『PROFLYX』の反発性が相乗効果を生んでいるイメージでしょうか。
朝長:まさに、走りやすいコースでは前に転がっていく履き心地です。ロードでの走力が高いランナーにはおすすめできます。
岡田:トレイルではゆっくり走らなければいけないコースも多いですが、そういったコースでは他のシューズとの違いは感じにくいですか?
朝長:そういった状況では違いを感じにくいですが、カーボンプレートがデメリットにはなりません。多くのトレランシューズは岩による突き上げ防止プレートが配されているものが多いので、カーボンプレートがその役割を果たしているとも言えます。カーボンプレートが2枚に分かれていることで、路面状況によって細かく対応できます。
他モデルとの比較
岡田:『PROFLYX』を搭載したミッドソールは、やはり反発力を感じますか?
朝長:他のモデルと比較して、とても反発力を感じます。たとえば、『SPEEDGOAT 5』はクッションがとても柔らかく、足へのダメージを抑えることでロングトレイルを走れるシューズです。それに比べて『TECTON X』はより大きな反発力を感じるので、スピードの乗り方が全然違います。
ロングトレイルではクッション性や安定感も必要なので『SPEEDGOAT 5』でもいいですが、ミドルトレイルではスピードを出す場面が多いので『TECTON X』の方が走りやすいです。
岡田:ミッドソール素材とカーボンプレートの組み合わせによってスピードを上げられるんですね。ホカのトレランシューズでは『CHALLENGER ATR 6』や『ZINAL』もありますね。
朝長:『CHALLENGER ATR 6』はロードとトレイルの両方を走れるシューズです。一方、『ZINAL』は反発力が大きいトレランシューズ。『SPEEDGOAT 5』と『ZINAL』を合体させて、ロード用シューズの『CARBON X』を足すと『TECTON X』になるイメージです。
岡田:なるほど! カーボンプレート特有の履き心地と厚底の柔らかさがあって『ZINAL』のような反発力もあり、様々な特徴を兼ね備えていますね。
朝長:『TECTON X』はアウトソールに『Vibram MEGAGRIP』が配されています。ラグは『SPEEDGOAT 5』の方が深いので、とても滑りやすい路面やコースでは『SPEEDGOAT 5』の方がいいですね。
岡田:Litebase構造の『Vibram MEGAGRIP』で、軽量に作られているということですね。アッパーの履き心地はどうでしょうか。
朝長:前足部までシューホールが配されているで、自由にホールド感を調整できます。あまり他のシューズでは見かけないので、特徴的だと思います。
岡田:アッパーの包み込み具合はどうですか。
朝長:シューレースが前足部まで配されているおかげで、足幅が狭い方にも対応できます。足幅が広い方にとっては甲部分を緩めることもできるので、フィット感を調整しやすいです。
岡田:アッパーはエンジニアードジャガードメッシュで作られていて、デザインもいいですね。
おすすめの使用シーン
岡田:朝長さんから見て、どんなシーンにおすすめのシューズですか。
朝長:私の走力では、あまり100kmを超えるロングトレイルでは活かしきれないので、短い距離で使う方が合っていると感じます。
岡田:自分がスピードを上げて走れる距離ということですね。
朝長:しっかりとスピードを出して走れる距離がちょうどいいと思います。
岡田:上級者は徐々に走る距離を伸ばして、使っていくのもいいですね。
朝長:ゆっくり走るランナーには『TECTON X』よりも『SPEEDGOAT 5』がおすすめです。一方で、『TECTON X』はクセがあるシューズではないので誰でも履けるシューズだと思います。
岡田:価格が税込29,700円ですが、最新のテクノロジーが数多く搭載されたシューズなので、ぜひレースで履いてみてください。
朝長:この価格だと大事なレースで使いたいですよね。
岡田:ありがとうございました!
ホカの最新シューズ『TECTON X』を朝長さんとともにレビューしてきました。トレランレースが数多くこれからの季節。大事なレースに向けて『TECTON X』へ足を入れてみてはいかがでしょうか。
商品詳細
ホカ|TECTON X
・価格:¥29,700(税込)
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朝長 拓也さん
トレイルランニング専門店 Trippers 代表/ JAFTスポーツシューフィッター
2012年にトレイルランニングに目覚め、2017年にTrippersを立ち上げる。
※前職はアパレル企業で服の型紙を作るパタンナー
2018年トレニックワールド彩の国100mile 完走
2020年 KOUMI100 完走