【無名時代の高橋尚子さんの自主練習】走った大阪のコースを白地図で塗りつぶしていた

いよいよ開幕したリオオリンピック。早くも日本人選手のメダル獲得のニュースが、現地・ブラジルから届いています。ランナーの皆さんにとって気になるのは、マラソンではないでしょうか。

なかでも、女子マラソンには、福士加代子選手をはじめ、伊藤舞選手、田中智美選手が登場し、8月14日にレースはスタートします。日本を代表する選手がどのようなレースを見せるのか、大会9日目に注目が集まっています。

「オリンピック」と「女子マラソン」では、様々なシーンが思い返されます。今でもオリンピックの名シーンとして語られるのは、シドニーオリンピックで金メダルを獲得した高橋尚子さんの走り。サングラスを投げ捨ててからのラストスパートや、実に楽しそうに走りきっての金メダルなど、見ているこちらを幸せにするような走りでした。

書籍『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』は、世界大会でメダルを獲得したトップアスリートの名言を集めたもの。

高橋さんの名言と言えば、メダル獲得時の「すごく楽しい42キロでした」を思い出される方も多いでしょう。確かに苦しいレースを終えての言葉とは思えないほど、ひょうひょうとした言葉でした。

今回同書で紹介されているのは、これとは違った言葉。

「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」です。

こちらの言葉をご存じでしょうか。これは、高橋さんが高校時代の恩師から送られた言葉、座右の銘としているもの。

「どんな人であっても、うまくいかない、厳しい時期はある。そんなときは、地力をつけることに集中する。地道に努力を重ねていれば、やがてその努力が日の目を見るときがくる」と同書ではこの言葉を解説しています。

オリンピックで金メダルを獲得した高橋さんですが、華やかなイメージだけでなく、しっかり努力を続けた選手でもあります。学生時代の結果からすると、無名に近い選手。高校時代に全国大会に出ているものの上位の成績を残せずにいましたし、大学時代もそれほど注目を集めているわけではありませんでした。

それこそ、「何も咲かない寒い日」が続いていたと言えるでしょう。しかし、恩師の言葉から「やがて大きな花が咲く」ことを知っていた高橋さんは、「下へ下へと根を伸ばす」ことをやめませんでした。

「【無名時代の高橋尚子さんの自主練習】走った大阪のコースを白地図で塗りつぶしていた」の画像

練習は噓をつかないと、日々、トレーニングにはげんでいた高橋さん。陸上部の練習を終えても自主的に走っており、大阪の白地図を用意して、自身が走ったコースを塗りつぶすことを楽しんでいました。後にやってくるQちゃんフィーバーを考えると、長く「何も咲かない寒い日」を耐えた時期でもありました。

これは私たちの人生にも当てはまる言葉ではないでしょうか。人生、うまくいくことばかりではありません。また、何をやっても思い通りの結果を得られない苦しい時期もあるでしょう。しかし、そんな時に立ち返る言葉を知っているか、また、腐ることなく努力することができるかが、その後の人生に大きな影響を与えるのです。

メダリストの隠れた努力を知ることができる名言といえますね。このオリンピックに挑む選手全員が、苦しい時期をすごしたはずです。そこで諦めなかったからこそ、オリンピックの舞台に立てたのです。それでは、このタイミングで「大きな花を咲かせる」のはどの選手になるでしょうか。高橋さんと同じように、マラソン選手のなかから出て来るでしょうか。非常に楽しみですね。

皆さん、眠れない日々が始まりましたが、体調を崩さぬよう気をつけてくださいね。

 

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