「息があがる」「疲れやすい」ランナーは鉄分不足による貧血の疑い
Feb 07, 2020 / HOW TO
Feb 19, 2020 Updated
体調は特に悪くないのに、プロテイン摂取など体力アップも気をつけているのに「いつも疲れやすい」「ゼェハァ息があがる」「タイムが落ちた」というランナーは、鉄分不足による貧血に陥っている可能性があります。
貧血とは医学的にいうと、血液中のヘモグロビン量が減少している状態を指します。体内でヘモグロビンを合成するためには鉄分が必要で、鉄分が不足していると貧血を引き起こします。貧血にも種類がありますが、多くのケースは鉄分が不足して起こる『鉄欠乏性貧血』であると考えられています。
特に女性にとって貧血な身近な疾患です。書籍『女子アスリートの「食事と栄養」』(メイツ出版)では、貧血が与える影響について次のように指摘しています。
「貧血になると体の組織に十分な酸素が行き渡らなくなるため、有酸素運動の能力が落ちやすくなります。持久系競技の選手は、タイムが伸びない原因が貧血にあることも少なくありません」
体に十分な酸素が行き渡らない状態は、思ったよりしんどいもの。筆者も数年前は重度の貧血で、医師から「このままだと心臓に負担がかかるよ」と忠告を受けました。「えっ……貧血ってそこまで深刻なの?! 」と驚き慌てつつ、医師の指導のもと鉄剤を服用、生活リズムや栄養バランスを整えるなどの対策をした結果、貧血は改善しました。
とにかく疲れやすく、動悸や息切れが治まりにくかったのを覚えています。貧血が改善するまでは、趣味の運動を控えなければいけないのもストレスでした。
さらにランナーに知っておいてほしいのは、運動時には鉄が失われているという事実。
「鉄は吸収率が悪いこともあり、不足しがちな栄養素。(中略)汗といっしょに鉄が出ていくため鉄欠乏症になりやすいのです。」(『女子アスリートの「食事と栄養」』より)
水分やミネラル補給の大切さは知っていても、運動後の鉄分補給は見落とされがちかもしれません。貧血かどうかは血液検査で調べることができますので、以下のような症状があらわれたら医療機関を受診すると安心です。
「貧血は突然クラっと倒れるわけではなく、気づかないうちになっていることも多いもの。めまいや疲れやすさ、朝起きられないなどの変調を感じたら、貧血を疑ってみましょう」(『女子アスリートの「食事と栄養」』より)
意外と身近で、放っておくと体が危険な状態に陥る貧血。日ごろから鉄分を摂取して貧血予防をすることが大切です。心当たりのない不調を感じたら貧血を起こしている可能性がありますので、気軽に医療機関に相談してみることをおすすめします。
書籍情報
『女子アスリートの「食事と栄養」』メイツ出版