クワガタがモチーフ。1993年発売以来のフルモデルチェンジ『ゲルカヤノ26』

「クワガタがモチーフ。1993年発売以来のフルモデルチェンジ『ゲルカヤノ26』」の画像

みなさん、こんにちは。シューズアドバイザー藤原です。今回はアシックスの定番中の定番、1993年に発売されて以来26代目のフルモデルチェンジした『ゲルカヤノ26』をご紹介します(わたしが東海大学を卒業した年に発売されたんですね!)。

当時のアシックスデザイナー榧野俊一(かやのしゅんいち)氏のその名前を冠に、自然界の “クワガタ” をモチーフにして誕生。カヤノは当初北米向けのシューズでしたが、今では日本はもちろん、ワールドワイドに認知度の高いシリーズとなっています。そう言われてみると、たしかに踵のヒールカップ部分が ”クワガタ” っぽいですよね。

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さて、新作のゲルカヤノ26は、原点回帰してクッションと安定感と高めたということ。たしかに、自然な足運びをサポートする『ガイダンスライン』、内側サポートのパーツ『ダイナミックデュオマックス』、『トラスティックシステム』、クッション性を高めた『せん断状ゲル』、ミッドソールを全面に配置し、特に前足部の蹴り出しをサポートする『フライトフォームプロパル』と、とにかくテクノロジーの宝庫。

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ランニングシューズに必要な機能性、そしてアシックスが持っている技術を列挙してそのすべて搭載したような、そんな集合体=シューズ、それがカヤノという感じですね。

ですから履いてみると、まさに重戦車、足元に “安心しかない” ようなシューズです。それぞれ個性が強い機能性ばかりですから、ともすると、野球で言えば  ”全員4番” になりがちですが、カヤノ26は全体が調和した役割分担=コーディネイト感がありますよね。それが安心感を強く感じる所以。

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10mmドロップというトラディショナルな坂道ラストは、ランナーを前方方向へアシストする構造。カヤノのそれも進行方向へのアシストプロセスで、ランナーの体の動き方と自然にリンクしていくような、そんな調和感があります。マックスクッションがもてはやされる昨今、カヤノにはトラディショナルトレーナーとしての安心感ここにあり。このオーソドックスな誘導感はランニングシューズのラインナップに不可欠な要素だと言えるでしょうね。

また、このカヤノに限らずアシックスの『ゲル』は、どうしても比重が増してしまうので重くなりがちでした。それもソール全体を構成する『フライトフォーム』の出現により、圧倒的に軽くなりましたね。まさに機能性の塊、重戦車級ですが、ウエイトはライト級になりましたよ(笑)。ちなみに、フライトフォームという技術は、(エチレン、ビニール、アセタート)を高発砲させるときに、繊維素材を混ぜるもので、へたりにくい耐久性と、そして軽量性をアップさせる製法です。

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もちろん、これより軽いデイリートレーナー(トレーニングシューズ)はたくさんありますが、重要なのはそのバランス感。ランナー自身が何を求めるのか、どこで履くのか、によって必要不可欠なパーツは変わります。あのボストンマラソン覇者・川内優輝選手が愛用していることも象徴的。軽いだけのシューズは、用途を選ぶシューズになることをお忘れなく。

ランニングをこれからはじめる方、もう走っている方はもちろんですが、自己記録を目指してランニング頻度や走行距離が多い方、誰もが必要なランニングにおけるコンディショニングツールです。とくにランニング頻度の高いランナーは、接地する時間が単純に増えるわけですから、体にその負担を押し付けるのではなくて、シューズに分散させるイメージで使用しましょう。

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まあ、価格16,000円(税込17,280円)と、決してリーズナブルではありませんが、「わたし、ずっとGT-2000です」という方も、機能性としてワンランク上位モデルを履くことは贅沢ではなくて、ランニング自体を楽しくワクワクさせるものです。ランニングというスポーツで、そこに投資をしないことは、損をしているとも言うべきでしょうね。

デニム感あるカラーがダントツにかっこいいので、まずはデザインとカラーが気に入ったから履いてみよう、でもいい。無条件に安心感がついてくるシューズですから。

ゲルカヤノ26

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・価格: 16000円(税抜)
・アッパー:
『フルイドフィット』が追随性の高いメッシュ素材でフィット性を向上/『ディスクリートアイレット』の分割されたアイレットホールが、シューレースの張力を足の形状に合わせてフィット
・ミッドソール:
『ゲルテクノロジー』によりクッションを向上/『フライトフォームライト』『フライトフォームプロパル』の反発の優れたフォーム素材がスムーズな蹴り出しへ/『ダイナミックデュオマックス』により過度な内側の倒れ込みや過回内を抑える
・アウトソール:
『エーハー』によりアウトソールヒール部の耐久性が向上/『ガイドライントラスティック』により安定性が向上
・ソールドロップ: 10mm

(写真 Eliana

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