変わるランニングカルチャー。日常と非日常が混ざり合う、アプリ連動型のランイベント
May 03, 2019 / COLUMN
May 03, 2019 Updated
「ハレとケ」。
日本の伝統的な世界観を表現する言葉で、学者・柳田國男によって見出された。今、私たちがこの言葉を使う場合、ハレはイベントがある特別な日のことで、いわゆる「非日常」を意味します。一方で、ケは普段の生活である「日常」。
ランニングライフにおいてハレは、マラソンやハーフマラソン、トレランのレースの日。レースに向かって何日も前から準備を行います。ケはどうでしょう。いわゆるオフの日ですね。ソファの上でゆっくり映画鑑賞、ついポテトチップスに手が伸びる人や、「立ち飲みで軽く」と言いながら気の許す仲間とつい2、3軒とハシゴしてしまう人もいるでしょう。
これまでの日本のランニングシーンでは、この「ハレとケ」が明確にわかれていたように感じますが(だからこそ非日常時に頑張れるのですが)、最近のランニングカルチャーでは、緩やかにこの境界線がなくなりつつあります。
日常の中に「ランニング」というエッセンスをうまく取り込んでいるランナーを見かけるようになりました。早朝のランニング後にそのままコーヒーショップへ。昼休みや子育ての合間を使ってランニング。「ランニングをしたんだから今日は飲もう」と、ビールを楽しむために走る人もいます。もはや、ランニングは特別なことではなく、ライフスタイルの一部になっているのです。誰から指示されて走るのではなく、主体性をもってランニングと関わる。走ること自体がケとなっているのです。
そんな日常的に走っている方にマッチしたイベントがあります。「Runtrip via」は、アプリ連動型のソーシャルRUNイベントで、決まっているのはゴールタイムとゴール会場だけ。「12時に東京・大井町駅に集合」といったものです。
イベント当日、専用アプリを起動させ、ゴールを目指す。走りたい時間や距離は参加者自身が決めるのです。
10kmを設定する人や、42.195kmを目指す人、100kmを走破する人もいます。
途中から電車に乗ったってOKですし、気になるお店に飛び込んだってOK。決めるのは走ることがケとなっている参加者なのです。専用アプリで、他の参加者の現在地が確認できるのも面白い。
ゴールのはるか遠くから走り出しているランナーや近所を走っているランナー、また、同じルートを走っているランナーを見つけることができます。「どんな人が走っているのだろう」、そんな思いを抱きながらゴールを目指すのです。
ゴール後はすぐには解散しません。むしろ、ここからが同イベントの面白いところ。料理やアルコールを含んだ飲み物が用意されており、まずは労をねぎらう。
気持ちが解けてきた頃に、走ってきたコースのふり返り。全参加者のルートが可視化されているので、道中で、ニアミスしているランナーを発見することもできます。
そんなRuntrip viaですが、今回、スイス・アルプスで誕生したランニングブランド「On」と一緒にツアー「Runtrip via On JAPAN TOUR 2019」を開催中。
東京(4/27開催済み)、神戸、福岡、札幌、長野、白馬、横浜と全国で実施されます。旅行中、その地域を存分に楽しんで理解するには、車や電車だとなんだか物足りない。「旅行先をランニングで巡った方が得られる情報が多い」ことに気づき始めている方も増えつつあります。旅行しながらランニングを。
新たなランニングカルチャーが醸成されつつある今、「ハレとケ」を同時に堪能してみませんか。
次回は5月11日に神戸で開催予定。詳細はエントリーサイトから。