山から海へと続くトレイル。南カリフォルニアのトレイルランは春に限る
Apr 08, 2019 / SPOT
Apr 26, 2019 Updated
人の好みは、インドア派とアウトドア派に分かれるらしい。そして、アウトドア派はさらに山派と海派に分かれるとも聞く。そんな分類に意味があるかどうかわからないけど、ぼくはそのどれにも属していない。あるいは、その全てに属していると言えるかもしれない。つまり家にこもって本を読むのも好きだけど、山も海も同じように大好きなのだ。
そのような意味において、ぼくが長年住んでいるカリフォルニア州アーバインという街は、山派にも海派にも都合が良い。人口約20万人の計画都市でありながら、あえて広大な自然をそのままに『計画的に』残してある。その自然保護された土地の広さは“57,000acre(エーカー)”ということだけど、数字で言われてもピンと来ない。実感としては、市の3分の1ぐらいは自然のままで残されているような気がする。
自然保護された土地には、基本的にはトレイル以外には何もない。トレイルには歩行者、自転車、そして馬しか入れない。地形はちょっとした山があるうえ、距離的には海にも近い。今回走ってみたのはそのうちの1つ、アーバイン市内から山を越えてお隣のニューポート・ビーチ市の海岸まで続くトレイルだ。
出発点となったのは、アーバインのほぼ中央にある“Bommer Canyon Trailhead”。高級住宅地の一角にあり、ここもやはり駐車場とトイレと水飲み場以外には特に何もない。
しばらくは平坦な道が続くが、2、3kmぐらい走ると数百メートルほどの険しい坂が連続して現れる。周囲は見渡すばかりの山の中で、ついさっきまで住宅地にいたとは信じられないくらいだ。