2016年4月19日

誰かの“水曜日”を交換する郵便局があった津奈木町【ラントリップ~世界に一つしかない景色】

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ラントリップ。走り出したくなる風景が、熊本県南部にあります。皆さん、「赤崎水曜日郵便局」をご存じですか?

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これは今年の3月31日まで開局していた不思議な郵便局。その名の通り、あなたの「水曜日」に関する出来事を送ると、見知らぬ誰かにそれを届けてくれるという郵便局なのです。

「自身の日常である水曜日の出来事と交換に他人の水曜日という非日常の世界を得ることは人と人の距離を実感しながらもときには不可思議な意識を共有することになります」と同HPで記されていたとおり、出会うはずのなかった誰かの日常との奇妙な出会いは、不思議な感覚。

この郵便局はかつて赤坂小学校という学び舎でした。海の上に浮いているような小学校ですから、生徒たちは昼休みに目の前に広がる海で泳いだり、廊下の窓から魚釣りをして楽しんでいたそうです。しかし、児童数の減少から2013年3月に閉校。現在は立ち入り禁止ですが、ここに郵便受けを設置し、同プロジェクトをはじめたのでした。全国から送られてくる「水曜日の出来事の手紙」を、スタッフが無作為に交換して再送。住所は「熊本県葦北郡津奈木町福浜165番地その先」となっていました(現在は受け付けていません)。

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例えば、このような手紙が届いたようです。

『手紙を受け取った方へ
急に手紙を書きたくなってペンを取りました。いかがお過ごしですか?

(略)先日の雪は大丈夫でしたか?降りましたか?私の住む街では20㎝程降ったかと思います。いつもは12月になると降るのに、まったく降らず、今回の雪でようやく降り、アルプスも冬らしく雪で白くなりました。しんしんと降り積もる中、家の前の駐車場や歩道の雪かきを一通り終えてから、玄関先に雪だるまとミニかまくらを作りました。葉っぱを目、枝を口と手にして。道を通った誰かが、くすりと笑ってくれたらいいなぁ なんて思って。雪だるまは翌日には少し解けてしまい、顔を下にして倒れてしまっていて、仕方ないかと思いつつ外出し、家に戻ってきたところ、雪だるまが起きあがっていました。顔がぺったんこになっていたのには少し笑ってしまったけれど……。家の人がやったとは思えないし、通りがかりの誰かがやってくれたのでしょうか。そう思って少し心が温まりました。

連日寒いですが、風邪などはひいてないですか?最近は白湯を朝晩飲んでいます。身体が芯からポカポカしてきてあたたまります。身体にはお気を付けて。最後まで読んでくださり、ありがとうございます。よい水曜日を。のんこ』

何げない手紙ではありますが、知らない誰かの“ほっこりした1日”が手紙を通して伝わってきます。この手紙が集約された書籍『赤崎水曜日郵便局』も今年1月に発売されました。

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赤崎水曜日郵便局のある津奈木町は、鹿児島との県境にある海と山に囲まれた小さな町。人口は約4900人ほどですが、柑橘類の栽培や魚介類にも恵まれています。つなぎ美術館からモノレールで行くことのできる城跡を整備した展望台からは、まさしく絶景を楽しむことができるでしょう。

とても小さな町ではありますが、面白い取り組みも行っている津奈木町。ラントリップする際に、訪れてみたい町の一つでもありますね。

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しかし、ご存じの通り、熊本県は今回の地震で甚大は被害を受けています。16日には、「緊急支援車両の道路確保が重要」という理由から、ボランティアを控えるようにと全国社会福祉協議会が呼びかけがありました。

一刻も早く、津奈木町に平穏な毎日が戻ることを祈っています。同町を訪れる際には適切なタイミングで行かれるようお願いします。

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