息子のレースに帯同して感じた“アメリカらしい”ランニングカルチャー
Dec 14, 2018 / COLUMN
Dec 14, 2018 Updated
いよいよとなった州大会当日は冷たい秋の小雨が降る中で行われた。大舞台ではあっても、コースの距離はいつもと同じ3マイル(4.8キロ)だし、走る選手達はみな速いランナーなので、レース自体はあっという間に終わってしまう。
それにしても、ウォーミングアップをする選手達を間近で見ているとため息が出てきた。さすがにそれぞれの地区を代表するランナー達だ。彼らはぼくが指導する生徒達にはない、あらゆるものを持っていた。引き締まった体、精悍な表情、力強いストライド、みなぎる気迫、こういうのをランナーと呼ぶのだ。
スタート前になると、円陣を組み気勢を上げるチームもあれば、1人でコースにひざまずき祈りを捧げているランナーもいた。
息子のチームメイト達もみな普段とは打って変わった、緊張感に溢れる良い顔をしていた。この子達とは夏休み以来ほぼ半年のつきあいになる。アメリカのスポーツはシーズン制なので、この日のレースを最後にチームは解散する。また来年の夏に新チームが形成されるまで、しばらくの間クロスカントリーともお別れだ。