「息子のおかげで“理想のキャンプ&ランを実現”」アウトドア派の放浪型ランナーが語る

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その苦しい状態で競争するのだから、選手達は大変だ。ぼくは最初から彼らと張り合えるとは思ってもいないので、ゆっくり景色を眺めながら走る。早朝は湖畔や山が一日でもっとも美しい時間だ。低酸素で呼吸が苦しいことには変わりはないが、次々と変化する美しい風景の中を走る喜びは何物にも代えがたい。

朝食兼昼食の後、午後は山歩きをする。マンモス・レイクスには距離や難度が様々なトレイルが数多くあって、当然ぼくらはきつめのトレイルを歩くことになる。若い長距離ランナー達の健脚についていくのは正直大変なのだが、大抵の場合、トレイルは険しければ険しいほど、きれいな場所や絶景ポイントに辿り着けるようになっている。そう思って頑張った。

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山歩きは一応トレーニングの一環とされているが、朝のランとは違って、リラックスした雰囲気だ。突き出た岩から湖に飛び込んだり、滝つぼで水遊びをしたりする。マンモス・レイクスは万年雪もある所で、どこも水はとても冷たい。5分も水の中にいると動けなくなるほどだ。だからアイシング効果は抜群で、筋肉の疲労が軽くなる、気がする。それより精神的なリフレッシュ感はさらに大きい。

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夜になると、ぼくにとってキャンプ場での楽しみは焚火とビール、それ以外にはない。選手達は毎晩ミーティングをしているが、ぼくはそれには参加しない。大体、高校生の真面目な部活動に酔っぱらった大人が入っていくわけにはいかない。贅沢な一人の時間を満喫させてもらう。

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こうして1日が終わり、翌朝また同じような1日が始まった。1週間の合宿が終わり、帰宅したときには、体重が2キロ減り、走るのが少し速くなった。高校生ランナー達はこの過酷な合宿を乗り越えると見違えるように成長する。51歳のぼくだって同じなのだ。

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