出歩くものかと思っていた夜の道【ノロミホの旅】

走ることに慣れてくると、「ここは好きな道」「ここはあまり好きじゃない道」と、勝手に決めつけてしまう。なんだか、ちょっとわがまま。

道は、旅人にとってどれも同じ道。
「今日も世界の道は平和だった」と、フォトグラファー・ノロミホさんが教えてくれる。

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【vol.2: 南インドの夜の顔】

インドという国は思ってる以上に広い。
せっかくならいろんな道を歩いて、いろんな景色が見たい。
日本での南インド情報は少なく、交通手段も移動時間もよめなかった。
そんな理由で事前にルートを決めず、ホテルも現地で探そうということになった。

泊まったホテルは全部で7つ。
その中で“レジデンシー”と名乗っているホテルは綺麗で安いという、法則のようなものを見つけた。
レジデンシーが何を意味するのかは分からないけど、共通点はビジネスホテルっぽいということ。
可愛げも、アットホーム感も、もちろん高級感もない。
だけど必要なものは揃っていて割と綺麗。
日本のビジネスホテル同様、立地もいい。

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近くにはお店が多く、遅い時間でも人通りがあるので安心して町に出れた。
インドの人たちは夕食の時間が遅い。
外食文化も広がっているようで、人気のお店だと夜の9時頃でも満席だったりする。
レストランはもちろんのこと、チャルメラ風の屋台に立ち飲み居酒屋のようなチャイ屋、ケーキ屋までもが夜遅くまで営業している。
道のいたるところから美味しい匂いがして、ついつい足を止めてしまう。
お腹が空いていなくても、ちょっと何か食べたいなという気持ちにさせられる。

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お祭りの日のような出店がずらっと並んでいる通りもあった。
洋服、アクセサリー、フルーツなどが電球に照らされ綺麗に並んでいる。
家族連れも多く、小さい子供もまだまだ元気いっぱいという様子。

夜の広い道は活気が溢れ、昼間とは違う高揚感があった。

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インドの夜道なんて絶対に危険だと思っていた(もちろん危険なところもあると思うけど)。
出歩くものかと思っていた。
だけどホテルの近くならと一歩踏み出すと、また違ったインドが見えた気がした。

夜の道を歩くのは結構楽しい。
思わぬ発見に、また少し旅が好きになった。

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